第13話~隙ありっ!!~
第13話
大尉の男「フッ、今までの部下どもと我らの
実力の差に、驚くで……ないぞ?」
刻蝋値「おーう、さっさとやろうぜ!!」
相手の威圧も何のその、闘いたくてウズウズ
しているらしい。
はやみ「ど、どーーんとっ、こーーーい!
(ヤ、ヤバい……今度速攻を仕掛けられたら
消し飛ばされちゃう……!!!)」
刻蝋値に乗じて強気に発言したが、
自分では敵の速度に対応出来ないため、
内心怯えてしまっている。
大尉の男「では、ロムルス、レムス。
"まずは女から仕留める"ぞ」
はやみ(…………)
2神「はっ、アルバ大尉!」
はやみ「…………いやーーーーー!!」
刻蝋値「大丈夫、俺が居る!」
はやみ「でっ、でもっ……!」
刹那、3神の姿が消えたかと思いきや、
刻蝋値の逞し過ぎる広背筋が眼前に現れ、
その次の瞬間には想像を超えた何かと
何かの衝突による衝撃が、体を通り
すぎていった。
アルバ「もらった!」
拳を固めたアルバ大尉がはやみの
背後へ現れた。
はやみ(後ろ!! 死んだ!!)
刻蝋値「そうはいかねぇぜ!!」
放たれるアルバの拳を、瞬間的に
回り込んだ刻蝋値が右へといなす。
ロムルス「覚悟!」
高エネルギーを纏った拳をはやみの顔に
振り下ろす。
刻蝋値「残念!」
これも左に反らされ、不発だ。
レムス「消しとベーー!!」
魔法により、シンプルな爆風を引き起こす。
刻蝋値「フッッッッ!!!!!」
レムス「うっそ…………!?!?」
……まさかの吐息で相殺されてしまった。
アルバ「こいつ、身体能力だけなら、
俺を超えるやもしれん。が、この
様子だと、小娘を守ることで精一杯
だろう。守りが手薄になった
タイミングで仕留めるぞ!」
ロムルス「お任せください! 雷神拳!!」
刻蝋値「はやみ、防電!!」
拳を防ぎつつ、漏れ出る電気エネルギーの
ケアを頼む。
はやみ「エクトルンバー!」
周囲の霊的物質をゴムのような性質に変え、
電気を通さなくした。
レムス「スローダム」
周囲の温度を絶対零度手前まで下げ始めた。
刻蝋値「振動させて!」
はやみ「エクトウェイヴ!」
霊的物質を揺らし、強制的に熱運動を
起こすことで、自身と刻蝋値の範囲だけ
平温を保たせた。
刻蝋値「しゃがめ!」
アルバ「くたばるが良い!!」
莫大な筋肉量の肉体をフルに使い、
凄まじいパンチを、刻蝋値の
クロスした両上腕に叩き込んだ。
アルバ「っな!?」
ロム・レム「へ!?」
アルバは、刻蝋値が後ろ回転しながら
吹き飛ばされていったことに驚き、
ロムルスとレムスは、はやみが突如
しゃがんだかと思いきや、ジャイロ
ボールのような刻蝋値が飛んできた
ことに驚いた。
刻蝋値「ML・ダブルスタンプ!!」
ロムルス「ぬおっ!」
レムス「アガッ!!」
刻蝋値の飛び蹴りに対し、ロムルスは
腕でガードしてダメージ軽減を出来たが、
レムスの方は反応しきれず、諸に顔面へ
直撃した。
アルバ「おのれ!!」
部下を足蹴にされ、怒ったアルバは
腕を高々と上げた。
はやみ「いやっ……!!?」
その腕は手刀の形を取り、200万光速で落ちてきた。
刻蝋値「そのまま動くな!」
はやみ「ヘウッ!??」
相方の指示が来たと思いきや、突如
50万光速で後ろへ引っ張られ、
対する相方は先程の蹴りの反作用と
合わせて70万光速程加速された状態
で、アルバの手刀の方へと飛んでいった。
アルバ(よし、厄介な奴にダメージが入る!)
アルバは刻蝋値がはやみの身代わりとして
突っ込んできた事を好都合と考え、全力を
もって更に手刀を加速させた。
刻蝋値「キネティック・パリィスピナー!!」
アルバ「!?」
何と、刻蝋値は手刀をあえて微妙につきだした
肘で受けることで、身体を超高速でスピン
させた。そして、アルバに当たるまでに足先を
進行方向に添え……
刻蝋値「スーパーML・ドリルライドキック!!」
アルバ「があああっ!!」
強烈な螺旋回転のライダーキックをお見舞いした。
刻蝋値「よく頑張ったぜ!」
刻蝋値も反作用ではやみ方向へと80万光速で
進み、身体が触れた瞬間に大地を踏み抜くことで
同速度まで減速する。
刻蝋値「飛ぶぜぇ~~!」
両下腕でのお姫様抱っこ。
はやみ「ヒャッ!? ちょ……」
予想外の行動に頬を赤らめる。
刻蝋値「オラッッ! よし、下に1発
デカいのぶちかませぇ!!」
大きく跳躍すると共に、少尉格の2神に指差し
ながら、指示を出した。
レムス「クッソォ!! 撃ち落としてやる!!」
凹んだ顔面を力業で(魔法系なのに…)戻しつつ、
錫杖に魔力をこめ始めた。
はやみ「エクトブラスト・オメガ!!」
莫大なMPを誇るはやみをもってして、半分の
MPを消耗する極大魔法を"予備動作無し"で
放った。
ロムルス「バリ…」
バリアを張れ! 等と言う時間はない。
レムス(間にあ…)
400億光速に達する霊的物質の光線……
霊線とでも言うべきそれは、放たれたが最後、
避けることが出来ない。
アルバ「んなっ……!?」
ラー派の3神は、完全に虚を突かれた
形となった。
第14話に続く。
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