第10話~先回りしよう!~
後書きにざっくりと神の階級を書きます。
第10話
質素な取調室に、取り調べ神、ビジュアル系の細身男、
ゴキブリを擬人化した男、何やら興奮覚めない
女魔法使いが入っている。
ホーク「……これからラー神について、俺が知っている
ことを洗いざらい供述する。……まずは、」
ホークの供述はこうだ。
・ラー神の居所は、ここより1000兆零年
(1零速=400億光速)先の、最高神の庭園にある。
・ラー神は普段、最高神の護衛に当たり、テロ、
犯罪組織の撲滅に精を出している。
・階級は神軍大将。
・一方で黒い噂として、神体実験、未神格化生物
(要するに普通の動植物)の拷問的実験、位の低い
神々への不当な罰則等がある。
・特に、約三億年前に神軍中将のアポフィスを辺境の
宇宙(刻蝋値の転生先)へと封印の刑に処した事件は
様々な憶測が飛び交った。
・その宇宙を含め、各宇宙に生息する未神格化生物に
対する扱いも首を傾げるものが見られる。
ホーク「……こんなところだ。俺だって以前は
アポフィス神を慕っていた。ほとんどの奴は
何も違和感なしに過ごせてるわけが無いんだ!」
刻蝋値「色々喋ってくれてありがとな。
スゲー助かるよ」
取り調べ神「ふむ、ではラー神の今後の作戦で、
何か知らされているものを教えろ」
ホーク「……ほとんど知らないが、1つだけなら
教えれる。本来なら俺は明日、第百億二十六宇宙
にあるブラックホールから莫大な霊的物質の
回収任務に当たる予定だった。俺の帰還が無い
ことから、恐らくは俺より位の高い別動隊が
現れる筈だ」
刻蝋値「目的の目星はつくか?」
ホーク「強靭な武器の製造だろう。丁度お前の
ような肉体派の為のな」
刻蝋値「へへ、俺が採掘しに行きてぇ位だぜ」
はやみ「ブラックホール内部って……神でも入れない
者は多いよね…………」
刻蝋値「まー、そこそこ鍛えとりゃ大体の
ブラックホールは余裕だな」
ホーク「後は俺のような技を持っている者だな」
取り調べ神「分かった。……今までの供述に偽りが
無いことは、虚偽探知機が無反応であることから
認めよう。……だが、もう1つ言うべき事があるな?」
取り調べ神が言い終わると、ホークの額や顎先から
膨大な量の汗が流れ落ちていた。
ホーク「……見逃してくれ」
刻蝋値「っおいおい、まずは落ち着け!」
ホーク「あれだけは!……あれだけは!
……あれだけは言えないんだ!!」
はやみ「嘘……特定の発言を行うと同時に、
生命エネルギーを吸い尽くす術式がかかってる…………」
刻蝋値「っあのやろう! 分かっちゃいたが、全うな
悪神だぜ! どうせ録でもねー事の口封じか脅しの
内容さ!! 今回の取り調べはこれで終わりに
しましょう!」
取り調べ神「…………やむ終えぬか。こやつを戻そう」
~街中~
刻蝋値「はやみ、お前の魔法でも解けなさそうか?」
はやみ「あんなの……見たこと無い」
刻蝋値「ホークだけじゃなく、クラウスにもかかって
いたな。けど小隊長のジョニーがかかってなかった事
から、最低でも神兵長以上の部下に何かをかけている
らしい」
はやみ「何が目的なんだろうね?」
刻蝋値「さて……な、俺があいつの立場で考えると~
…………だめだ! 最高神に成り上がって神々を平伏
させる位しか思い付かねぇ!!」
はやみ「無くはないと思うけど、悪さすることと
あまり関連性が見当たらないような……」
刻蝋値「だよな~。んじゃ、アポフィス神に報告だぜ」
~アポフィス神の部屋~
アポフィス「中々の収穫だったな。あやつ、三億年前
に増して悪徳になっているか!」
はやみ「キャッ!!?」
一瞬だが凄まじいオーラを放った為、はやみが
ビビって抱きついてきた。
刻蝋値「いや、俺らに八つ当たりするほど器小さく
無いから平気さ」
アポフィス「思わず取り乱したな。やはり我も半神前か」
刻蝋値「センパイで半神前じゃあ俺が一神前に
なるまでどれだけかかることやら…………」
はやみ(刻蝋値君言葉使い!!)ヒソヒソ
刻蝋値「あっと…………」
アポフィス「構わん、貴様もこいつ程度に崩しても
良いくらいだ。さて、早速だが貴様達に任務を与える。
見習い・プルートを含めた貴様達3神で、第百億二十六
宇宙の霊的物質を回収しようとするラー軍の動向を
偵察しろ。可能であれば、ラー軍の捕縛及び、霊的
物質の採取を行って貰いたい。当然追加報酬を弾むぞ」
刻蝋値「おおっ! お酒への1歩!!」
はやみ「ですがアポフィス神。ホークさm…ごほん、
ホーク神兵長、クラウス神兵長がやられたラー軍です。
警戒して、少尉以上の……最悪大尉クラスの人材を
派遣するかもしれません」
アポフィス「ああ、したがって、貴様達3神には最悪
成果無しで逃げ帰って貰うことになる。3神の内の
誰かが捕まってみろ、我等を全滅させるべく、ラー
自らが全軍を率いて進撃してこよう」
はやみ「……捕まったら……自g…」
刻蝋値「無理だな。あいつらなら未知の魔法で
拘束して、拷問するまでもなく情報だけ引き抜き、
その後は悪けりゃラーの神体実験材料行きさ」
アポフィス「その通り、捕まったら仕舞いだと思え。
刻蝋値、貴様とて逃げ帰りは出来ん。万一発見され、
戦わざるおえなくなった時、神兵長相手でも油断
するな」
刻蝋値「ホークみてぇなの相手だと、普通にやられ
かねませんからね。とは言え前衛張れるの俺だけ
なんで、2神の事は守り抜いて見せます!」
アポフィス「吉報を待つぞ」
2神「失礼しました!」
~廊下~
はやみ「……足手まといになるかもしれないけど、
守ってくれると嬉しいな」
刻蝋値「何言ってやがる。はやみがいねーと霊的
物質の構造を維持したまま回収出来ねーんだよ。
ブラックホール内部への侵入も重力魔法でどうにか
出来るだろうし」
はやみ「えっ……その為に作戦に入れられたの!?」
刻蝋値「たぶんそうだぜ。瞬間移動可能な
プルートさんが、長距離移動役。はやみが
資源回収、サポート役。そして俺が、戦闘、
防衛、皆つれて逃走役だ。あ、プルートさん
こんちわーっす」
プルート「やぁ、2神とも任務、頑張ろうね!」
刻蝋値「ええ、無理無く最大の成果を出しましょう!」
はやみ「よろしくお願いします!(顔は刻蝋値より上、
ガタイは流石に下。プラマイゼロで引き分けかな?)」
刻・プル(何か見比べられた……??)
刻蝋値「じゃあまずは準備しますか?」
プルート「そうだね。僕はマジックポーションが
大量に必要そうだ」
はやみ「はっ!! 品薄なる前に急がなきゃ!!」
あわてて駆け出す。走るフォームが転生前に出会った
大会の時と同じだ。
刻蝋値「大体回復はメンバーがするから、回復
ポーションの需要は少なくなりがちですよね」
プルート「そうだね。今では魔法を使えない
力場のミッションに赴く時のみ使われる扱いに
なっているよね」
並走しながらポーションあるあるを話ながら店に到着。
必要分を買ってから直ぐに任務へと向かった。
刻蝋値「そそ、俺は栄養さえ豊富なら瞬間再生
可能だから、回復ポーション5本と、濃縮ネオ・
アミノアシッドポーション20本が丁度良いのさ」
プルート「本当に闘うために生まれてきたような存在だね」
はやみ「魔法以外何でも出来て羨ましいな~~」
刻蝋値「魔法以外は任せろ!ってことでプルートさん、
瞬間移動をお願いします」
プルート「はいよ、2神とも掴まって…………ハアッ!!」
刹那、3神の姿が跡形もなく消えた。
第11話に続く。
神の階級
最高神
神軍大将(ラー等)
神軍中将(元々アポフィスはここだった)
神軍少将
神軍大佐
神軍中佐
神軍少佐
神軍大尉
神軍中尉
神軍少尉
神軍兵長(クラウス、ホーク等)
神軍隊長(基本的に成績の良い方が大隊長を
任せられやすい。ジョニーはなって日が浅いので、
小隊長しか経験していない)
一等兵
二等兵
三等兵
見習い(刻蝋値達等)
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上がります。気軽にどうぞ!




