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契りと初めてのキス

久しぶりに書きました。

最後書いたのが寒い冬の時だったのに今は暑い夏にです。

全部読み直して久しぶりに書いたので所々かわっているかもですが、よろしくお願いします。

 目を覚ます。

 俺はあの料理を食べて気絶していたのだ。

 時間は、おそらく夕方ぐらいだろいか。よくわからない。

 しかし、夢の中のあれは。エリスが知っている。

 つまりエリスに聞いてスィスィアになれってことだろうか。確かに、何度もそういうことをしてきたのだから知っているだろう。

 しかし、彼女にとってもつらいことかもしれない。直接聞いてもよいのだろうか?


 「あ、お目覚めですか?」

 色々考えていたらエリスが帰ってきた。その手にはなにかかえている。

 「うん、今起きところ。エリスは何してたの?」

 「私ですか?私は外に食材を探しに行ってました」

 エリスは満面の笑顔で言う。かわいい。

 「そ、そうなんだ」

 「はい!見てください!!沢山キノコが採れたのですよ!!」

 エリスがまたしても満面な笑顔で言ってきた。かわいい。

 その手の中には、確かにキノコがや山菜が沢山あった。

 山菜はとてもおいしそうだった。しかし…

 「な、なぁ…エリス…」

 「何ですか?」

 「そ、そのキノコは…?」

 明らかに毒々しいキノコが山ほどあった。

 「これですか?これは普通のキノコですよ?ほら、あのスープに入ってますよね?」

 俺はあの食事の料理を思い出す。

 あのスープの正体はこれか?!

 明らかに毒じゃないのか?!これ!!

 「そ、そうなんだ…」

 俺は苦笑いした。正直に言うと、毒かもしれないが何回か食べてなんともないので、見た目は酷いが本当に普通のキノコなにかも。

 「すぐご飯の準備しますね!」

 なんだろう…このやりとり、新婚みたい。


 そういえば、あの悪魔、アモンが言ってたな…スィスィアになるということは、結婚と一緒だと…

 …悪くないなぁ…

 つまり、あのかわいい女の子と一緒に過ごせる。

 そう考えると悪くない。むしろ、ありだ。

 そうすれば、毎晩、ムフフが楽しめるのでは。


 そんなことを考えていると、エリスがご飯の準備を終え、テーブルに並べてくれている。

 パンにサラダ、それとあのスープだ。

 正直、あのスープを飲むのは嫌だが…

 「…♪」

 楽しそうに鼻歌を歌いながら並べているエリスを見ていると、食べなければという使命感に襲われる。

 …さて…頑張って食うか…


 食事を終え、ゆっくりとしている。

 あのスープも何とか食べて、軽く悶絶はしたが、初日ほどでもなく、軽く悶絶する程度に済んでいる。

 (うぷ…軽くとは言え、早く慣れないと…)

 そんな感じで一人で考えていたらエリスが食後の紅茶を入れてくれた。

 「食後の紅茶です。どうぞ」

 「ありがとう」

 この紅茶はおいしい。正確に言えば、あのスープ以外はどれもおいしい。

 なぜ、あのスープをあんなにまずい、エリスは飲み続けるのだろうか。

 「…ごくごく」

 そんなことを考えながら、紅茶を一口。

 ほんのり甘みがある。素人でもわかる。これはうまい。

 正直、これのためにスープを食べているようなものだ。もちろん、エリスを悲しませないようにしているのもある。

 「少し、落ち着いたし、エリス、さっき…っと言っていいのかわからないが、続きの話をしよう」

 「…」

 エリスは黙り込んでいる。さっきの話というのは、スィスィアの話だ。

 「俺は覚悟を決めた。だから、俺はエリスのスィスィアに…」

 「それはだめ!!!」

 俺が言い終える前にエリスが叫ぶ。

 今まで聞いたことのないほど大きなエリスの叫び声。それほどまでに、止めたいことなのだろう。

 「それだけは、ダメ…。本当に…」

 彼女が震えながら、今にも消え入りそうな声で言う。

 「エリス…」

 俺は…覚悟を決めたはずなのに…彼女を救いたいと決めたはずなのに…。

 なぜ、気持ちが揺らいでいるのだろうか。

 「あなたまで、死なせたくない…」

 彼女は泣きながら続ける。

 こんな時、男として、どうしてあげたらいいのか…俺にはわからない。

 そして、俺がとった行動は、ただ抱き着くことだけだった。

 「ソーマ…?」

 エリスは不思議そうにしている。

 それもそうだ。男が無言で、女の子に抱き着いているのだから。

 俺は、非難にあおうが構わない。彼女に引かれても構わないと思った。

 しかし、最初、彼女は震えていたが、次第に震えも収まり、安心したのか、返すように抱き着いてくる。

 「エリス…落ち着いた?」

 「うん…ありがとうございます…ソーマ」

 彼女は落ち着いたのか、声も普通に戻っていた。


 あれからどれくらい抱き合っていたのか。

 エリスが離れる。その顔はすごく穏やかで、満足そうだった。

 「ソーマ…ありがとうございました」

 エリスが頭を下げる。

 「礼を言われることしてないよ」

 「それでも、安心しました」

 「それならよかった」

 正直、少し照れくさい。エリスも照れているのか、少し視線をそらしている。かわいい。

 「俺さ…やっぱりエリスのスィスィアになりたい」

 「…」

 エリスがまた黙ってしまった。しかし、お構いなしに続ける。

 「エリス、よく聞いてくれ。俺はただ生贄になるわけじゃない。一緒に生き残る道をエリスと探したいと思っている」

 「え?」

 エリスは驚いていた。

 おそらく、今までこんな風に言われてこなかったのだろう。

 「俺は、この世界のことをあまりわかっていない。でも、きっと、お互いに生き残れる道があるはずなんだ。今はそんな方法わからないけど…だから、一緒に探してほしい」

 「…」

 エリスはまたしても黙り込んでしまった。なにかを考えているようにも見える。

 そして、少しの間、沈黙になり…

 「…本当に…いいんですか?」

 エリスが小さい声で聞いてくる。

 「私なんかのために…そんな危険をおかしてまで…」

 「俺が自分で決めたことだ。気にすんな」

 「でも…私といたら、きっと危ないです。どこにも行けなくなりますし…」

 「俺はエリスと居れたらそれで満足だ」

 「…」

 エリスが黙り込んでしまう。

 「…本当にいいんですね」

 「あああ…」

 俺は答えた。

 自分の決意を、彼女に…


 「やっっっと進んだよ!!何時間待たせるわけ!?」


 この陽気な声は…

 「アモン…」

 暗黒界の七大悪魔の一人。

 「ほんとに、何時間かかってるわけ?待ちくたびれちゃった…」

 アモンはさぞ退屈そうにあくびをする。

 「待たせて悪かったな。で、どうしたらスィスィアになれるんだ?」

 「その前に…エリス、本当にいいんだね…?」

 アモンは問いかけるようにエリスを見つめる。

 「本当にこの男をスィスィアにするんだね?」

 エリスは少し沈黙した後…

 「はい。私はこの男、ソーマをスィスィアとして認めます。アモン様」

 エリスは力強く言った。もう迷いなんかないようだ。

 アモンはその返答を聞くと、にやりと笑い…

 「よくぞ応えた!エリス!!そして、よくぞ決心してくれた!!」

 アモンはすごくテンションが上がっているようだ。

 「なら早速儀式を行おう。と言っても、簡単なんだよね…」

 アモンの周りに魔法陣が発生し、次第に大きくなり小屋ごと包み込んでいるようだ。

 「これは…?」

 「誓いの儀式を行う魔方陣さ。この中でお互いを認め合い、誓いを交わせば君は、はれてスィスィアになれるのさ」

 なるほど、確かに簡単だ。

 「それじゃ、早速、双方、お互いを助け合い、今後もお互いを尊重し合いますか?」

 「私、エリスはソーマを認め、スィスィアとして迎える」

 アモンが急に真剣な面立ちになり、それにつられるように、エリスが答える。

 この後はどうしたらよいのだろうか…?

 そんな風に迷っているとアモンが…

 「では、誓いを…示せ」

 「え?」

 俺はわけがわからず変な声が出た。

 どうやって誓いを示したらよいのだろうか?

 迷っていると、エリスが…

 「ソーマさん、こちらを向いてください」

 エリスに声をかけられたので振り向くと…

 「ちゅっ」

 エリスが俺に向かってキスしてきた。

 俺は何が起きているのかわからず混乱している。

 「双方の誓いを認める。では…」

 アモンの下に新しい魔法陣が出てきた。その魔法陣がエリスと俺を包みこみ…

 「魔法共有ミッシングリンク

 その瞬間、魔法陣が一層輝き出す。

 そして、その光が徐々に俺たちを包み込み、お互いの手に何かを刻み込む。

 俺の右手のの甲に、エリスには左手の甲に刻み込む。

 「これでおしまい。どう?簡単だったでしょ?」

 魔法陣が消え、アモンがいつもの口調に戻る。

 「確かに簡単だな。しかし、特に何かが変わったわけじゃないんだな」

 「そりゃそうだよ!あくまでもエリスが魔法を使う特に代わりに代償を支払うだけだよ」

 「そうか…」

 確かにそうだよな。

 「でも、変わったことが一つだけるよ」

 アモンがからかうように言う。

 「変わったこと?」

 俺はわからず聞き返す。

 「さぁ?エリスに聞いてみたら?」

 そう言われたので、エリスの方を見ると…

 「…」

 無言でうつむいている。心なしか、少し顔も赤いような。

 「とりあえず、これで契りをおしまい。おめでとう。それじゃ僕は帰るよ。また前みたいにやられるのも嫌だからね」

 そういうと、アモンの体が光だし、あっという間に消えてしまった。

 「なぁ…アモンが最後に言っていたことって…?」

 「…」

 そう聞くも、エリスは黙り込んでしまう。

 俺はどうしたらよいのだろうか…?だれか教えてくれ。

 でも、一つ気になることがある。

 「毎回、契りの時、キスしていたのか?」

 エリスは何回か契約を結んだと言っていた。そのせいで何回も人が死んだと。

 なら、あの契約を結んできたのなら、エリスは何回もキスをしてきたことになる。

 「…私は、今回が初めてのキスです…今までは、お互いの血を使い契りを交わしていました」

 その言葉に、俺の顔も赤くなる。

 え?今回が初めて?嘘だろ?

 でも、エリスの顔は嘘をついているように見えない。

 「まじかよ…」

 俺は上を向きながら女の子のファーストキスを奪うという大罪を犯したことを悔やんでいた。

 そうか、これが俺の罪なのか…。


 そう思いながら俺たちはしばらく黙り込んでいた。

 気まずい…

 ふと、右手を見る。なにか刻まれているようだ。これがエリスと俺をつなげてくれたもの。

 とりあえず、これでエリスが魔法を使っても傷つかずに済む。

 「…とりあえず、夜もおそいですし…もう寝ましょうか…」

 エリスが顔をそらしながら、恥ずかしそうに言う。かわいい。

 確かに、もう夜中になっている。その言葉に、俺も一気に眠気がしてきた。

 「そ、そうだな。俺も眠くなってきた」

 そう言うと、エリスがベッドの方に向かい…

 「…おやすみなさい…」

 一瞬こちらを見て、ベッドに入り、そのまま寝てしまった。

 俺も床に布団…というかただの布を広げ、そこに寝転ぶ。

 今が夏なのか、まだ温かいため、これでも眠ることができる。

 とりあえず、俺も眠って明日にでも、エリスと今後について、話すか。

 「おやすみ…」

 その一言だけ言って、俺は眠った。


見ていただきありがとうございました。

今回で大体の準備が整いました。がもう少し、この二人のやりとりをしていこうと思います。


果たして、契りを交わした壮馬の運命かいかに?

次回はなるべく早く投稿しますのでよろしくお願いします。

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