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魔法と謎の声

早くも3話目です。

今回は、少し暗めなお話になっています。

毎回書きながら考えているので書くので時間がかかります。


「この世界の魔法とは、罪と罰を表しており、魔法を使えるものは罪人なんです」


 エリスは確かにそう言った。

 俺は今まで、ゲームやアニメでしか魔法を見たことない。いやほとんどの人間がそのはずだ。

 魔法とは確かに怖いものであると言っていることも物語上で見たことある。

 しかし、それは、魔法を使って悪用したものへの報復としてあらわしている。そのため、魔法自体は悪くなく、使用した人間が悪い。

 しかし...

 「私たちは元々魔法は使えません。罪を犯した者、罰を受ける者が悪魔と契約することで魔法が使えるようになるんです。もうおわかりかと思いますが、私が魔法使えるということは…」

 「エリスは…罪人…」

 エリスがうなずく。肯定を意味する。

 つまりはそういうことである。

 「魔法の強さによって罪の大きさが決まります」

 「エリスの使う魔法はどのくらい強いの?」

 怖いが気になるので質問してみる。

 「私が使う魔法は、万物の生を操る魔法です。ソーマにしたように治癒することもできますが、死者を蘇生させること、逆に二度と蘇生できなようにすることが出来ます」

 どう考えても強力な魔法である。  

 つまり、エリスの気分次第で簡単に人を殺すことが出来る。その逆で、蘇生させることもできる。

 これ以上強力な魔法が存在するのか?!

 「気づかれたかと思いますが、私のこの魔法は最上級の魔法です。もちろん、ただで使えるわけではありません。いくつかの制約があります」

 それはそうだよな。そんな魔法がタダで使えたら最強だもんな。

 「その制約とは?」

 「私の魔法の制約、それは、私の魂です」

 なんとなくわかってはいたけど、大きいな。

 「魂ってことは寿命とか?」

 「寿命はもちろん、私の記憶、身体など、私のすべてです。魔法を使うたびに記憶を失うか、身体の機能を失います。もちろん、私は気づいていませんが、寿命も縮めているのかもしれません」

 俺の想像の斜め上にいった。さすがそこまでとは思わなかった。

 ちょっと待てよ…ということは…

 「エリス…お前、俺に治癒魔法使ったって言ったよな?」

 「はい。それも代償を支払いましたよ」

 「な、なにを…」

 「私の痛みの感覚です」

 「痛みの感覚?」

 よくわからない。痛みの感覚が失った?

 「私の体の一部の痛みを失ったんです。代償としてはましな方ですね」

 それでましなほうなのか。結構えぐいことだと思うけど。

 「おそらく右腕の痛みの感覚を失いました」

 そこまでわかるのか。

 「いつから魔法使っているんだ?いやそもそも、エリスの罪って?」

 いつから魔法使っているかで何歳に罪をおかしたのか?そしてその罪状とは?

 「私は生まれた時から魔法を使っています。もの心ついたころには何も光の差さない地下室に監禁されていました」

 「生まれた時からって、なんだよそれ…」

 「言葉の通りです。私は生まれたことが罪であり、罰を受けなければならない存在なんです」

 エリスは、そんな自分の過去を、まるで当然化のように語る。

 「驚きましたか?これが私の過去話です」

 「もう一つ、ここにはいつから住んでるの?」

 「5歳の時からです。今年でここに住むのも10年になります」

 「10年もこんなところに…」

 俺だったら自殺している。しかも、5歳の時からって…

 「…母親は…?」

 「私のお母さんを最後に見たのはおそらく、地下室ごしかな?ほとんど覚えてないや…」

 苦笑しながらそんなことを言う。

 おそらく昨日の寝言は子供のころのエリスが無意識には母親に向かって思った感情なのだろうか?

 俺は、それ以上何も言えないでいた。

 「もう、夜も深いですし、そろそろ休みましょうか」

 「そんなに経っていたのか…」

 正直、衝撃が大きすぎて眠れる気がしないが、エリスにこれ以上話させるのもなんか酷だしおとなしく従うことにした。


 「俺は床でいいよ」

 休息をとることにしたのはいいのだが、昼間みたいに一緒に寝るのはうれし…さすがに心臓に悪い。しかも、ベッドは一つしかない。流石にエリスを床に寝させるのも気分悪いので俺が床に寝ること提案する。

 「いえいえ、一緒に寝ないと風邪ひいちゃいますよ?」

 その発言は色々問題あるが…

 「大丈夫大丈夫。俺、頑丈だからさ」

 もちろんそんなに強くない。基本引きこもりなのでどちらかといえば弱いと思う。

 「うーん…でも…」

 「布だけ貸してくれたらそれでいいよ」

 「本当に大丈夫ですか?」

 心配そうにするエリス。かわいい。

 エリスを説得し始めてから約10分。エリスって結構根が強いな。

 「じゃあエリス、おやすみ」

 「ソーマ、おやすみなさい」

 おやすみ、なんていつぶりに言ったのだろうか。そんなことを思いながら眠りについた。


 そこは、真っ暗な世界。見渡たす限り何もない。

 (また…ここか…)

 今回、なぜか意識がしっかりしている。俺はなぜここにいるのか。ここがどこなのか。それはわからないが、確かに俺はここにいる。

 とりあえず歩いてみる。歩いている感覚がある。

 やはり、歩いても歩いても何も見えない。そこは前と一緒。

 ん?前と一緒?

 俺はこの夢を見たことあるのか?

 覚えていない。でも、俺はこの夢を見たことがあるような気がする。

 まぁいいか。

 とりあえず歩く。ひたすら歩く。

 しかし、何もない。

 一旦立ち止まる。

 しゃがんでみたり、飛んでみたりする。

 当たり前だが何も起きない。

 この夢は何なんだ?

 俺はどうしたらいいんだろうか?

 そんなことをしているうちに…

 

   ~ねえ…キミ…彼女を助けたい?~

 

 そんな声が頭の中に響く。幼い女の子の声だ。

 どこから聞こえたのかわからないが、それ以上に気になることがある。

 

 彼女を助けたい?

 

 確かにそう聞こえた。

 彼女とはつまり、エリスのことだろう。

 もちろん答えは…

 「助けたい。どうやったら彼女を、エリスを救えるんだ?」

 そう言った瞬間、声の主がニヤッとしたような気がする。

 「そう答えると思っていたよ!待っていたよ!!スィスィア!!」


 目が覚めた。

 意識はしっかりしている。

 もちろん夢も覚えている。最後、なにか気になるワードを残していたけど、なんなのか。

 辺りはまだ暗い。エリスも寝ている。

 仕方ないのでとりあえずもうひと眠りをすることに。

 エリスが起きたら、確認してみよ。

 

 「ソーマ…」

 

 

タイトル回収には多少なったかなと思います。

強いですよね、エリスの魔法。

唱えるだけで生を操れるというのは中々ないと思います。


そして最後に出てきたスィスィアという言葉。

意味わかる方にはわかると思います。

考えてみてください。

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