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VRMMORPGでS級アイテムを超える伝説級アイテムを手に入れたら、ゲームが変わる予定でした(一発ネタ)

作者: FORCE

思い付いたネタを書いてみるテスト

ヴァーチャルリアリティMMORPG『シティ・トレジャー・オンライン(CTO)』。広大なマップに点在する『都市』を移動しながら、世界各地に存在する『迷宮ダンジョン』を探索してそのお宝を利用して自分達の『都市』を発展させていくのMMORPGである。


プレイヤーは『迷宮』を探索する探索者となり、『都市』を拠点としながら、『迷宮』探索を遊んでいる。


「だーかーらー、書店はこれ以上大きくする必要はないって言ってるの。」

「はぁ? 武器屋なんて整備できればいいから、3ブロックので十分でしょう。」

「バッキャロー! S級素材のオリハルコン手に入った時、12ブロックのが無いと、オリハルコンの剣作れねえだろ!」

「書店は大型じゃないと、S級魔導書が手に入らないんだぞ!」

「そんなもん、『迷宮』【アレキサンドリア大図書館】で幾らでも手に入るだろ! 一々書店で買うよりも、A級魔導書ごと手に入れた方がよっぽど安くつくだろう!」

「……!!!」

「……!!!」


「まーたこの手の論争かよ。」

そんな二人のプレイヤーの口喧嘩を聞きながら、他の探索者達がにやにやと笑っていた。

「ま、俺達にできる事と言ったら、どこに寄進を増やすかだけだけどな。」

CTOには幾つか独特の機能が存在した。そのうちの一つに都市の運営はプレイヤーの意思によらない形で進行しているというのがあるという事だ。

無数のNPC達……シティーポーン達が都市を運営していきながら、都市の施設を建設したり破壊したりしているのだ。

都市の施設は[大きな施設ほど、強い効果を持つ][大きな施設には膨大な維持費が必要になる][都市のブロック数は都市税収の合計によって上昇するが、ブロック数が増えると、余計な維持費が発生し、都市の発展が停止する]とちょっと複雑目なルールで動いているのだ。


その為、都市の施設の量には必然的に限界が発生し……『自分に不要な施設は小さい方が良い』という感情がプレイヤーの間では広まっているのである。

ちなみに、施設の維持費にはPCとの交易の他に、PCからの寄進を受ける事で維持費とすることもできる。

その為、自分の不要な施設に金を払う人間を邪魔だと思うプレイヤーも少なくない。


ちなみに、CTOではアイテムのランクは上から順にS級、A級、B級、C級、D級となっている。

S級アイテムは装備のカスタマイズができないので、大半のプレイヤーはカスタマイズできるA級を愛用していることが多い。


「そうだ、cがまたあのクエストに挑むってさ。」

「おおっ、じゃあ俺達も参加しねえとな。」

「よーし成功したら、思いっきり金ふんだくってやろうぜ!」


【ブルーゲート】はCTOのプレイヤーの一人である。

未知なるコンテンツに対して興味を持っており、クリアされていないクエストに挑むことが目的のプレイヤーである。


彼が現在攻略中のクエストはレイドクエスト≪アレスの竜≫と呼ばれるクエストである。

手っ取り早く言うと、【アレスの竜】と呼ばれる、巨大な竜を数十人がかりで倒すイベントだ。


しかしながらこのクエストはCTOの中で最難関と言われるクエストだ。

と言うのも、【アレスの竜】は膨大なHPと【スパルトイ】と呼ばれる無数の戦士を召還してくる能力を持っている。

幾つか厄介なのが、行動パターンが完全ランダムかつ、どれもこれも対処方法が違う事だ。

周囲を一気に攻撃する毒の吐息、【スパルトイ】を召還する能力、強力な単体攻撃を繰り出す事……これらをランダムで繰り出してくるのだ。

毒の吐息は対毒の装備を、【スパルトイ】には魔法攻撃を、単体攻撃に対しては防御魔法を使って阻害する……と言うのがセオリーだ。


「回復役は全員射程を伸ばす装備を付加、盾役は全員物理鎧+大剣で【スパルトイ】を倒しまくってくれ。」

【ブルーゲート】はそう言って周囲のメンバーに作戦を説明する。

「魔法使いは? なんか今回サポート役しか呼んでないみたいだけど? 【スパルトイ】は」

「【アレスの竜】には魔法が効かない。【スパルトイ】には大いに有効だけど、【スパルトイ】を倒した奴は【アレスの竜】に狙われやすくなるから、盾役の援護だけにとどめて、攻撃役は入れない。」

「OK、わかった。そういう方針で考えているんだったら俺も文句は言わない。

 というか、今回、お前が一番ダメージを受けるぞ。」

「当たり前だろ。今回は俺がリーダーだぞ。一番重要な役割をするのが仕事じゃないか。」

【ブルーゲート】はそう言って大きくにやりと笑った。


さて、彼らは【アレスの竜】に挑み、2時間にも及ぶ戦いの末、ついに【アレスの竜】を倒したのだった。


「よっしゃあああああっ! 倒したぞ!!」

プレイヤー達が勝鬨を上げる。これは今まで倒せなかった【アレスの竜】を初めて倒した為だ。


「ドロップは【カドモスの剣】? えっ? これって何だ?」

【ブルーゲート】がそう言って、ざわつく。

「S級だろ? どんな効果持ってるんだ? 竜属性特攻だったらおあいにく様だな。

 一番厄介な竜は俺達が今倒したからな。」

そう言いながら他のプレイヤー達が【ブルーゲート】の周囲に集まってくる。

「『伝説級』?」

そう【ブルーゲート】が言った言葉に全員が首をかしげる。

「S級超えのアイテムかー。すげえなSS級とかじゃねえんだ。」


CTO運営会社

「ふむ、ようやく『伝説級』アイテムを手に入れた人間が現れたか。」

「ああ、これでCTOは新しいステージに入る。」

「ああ、楽しみだ。あのアイテムをプレイヤー達がどう使うのか。」


「はははははははははははは………こんな物……こんな物の為に俺達は頑張ってきたのかよ。」

「おい、どうしたんだ?」

壊れたかのように、喋る【ブルーゲート】にメンバーの一人が声をかけた。

「SS級アイテムだったら、俺のやってきた意味はあったと思うんだ。」

「何言っているんだ?」

「俺は、冒険がしたかったんだ!!」

その瞬間、プレイヤー全員にメッセージが入った。

「運営から……か?」

「『伝説級』アイテム発見のお知らせ?」

ざわざわと騒ぎながらメッセージボックスを覗き始める一同。


『伝説級アイテム:【建国の武器】 発見のお知らせ。』

伝説級アイテムを入手したプレイヤーが出てきたため、運営よりこのメッセージが発信されました。

伝説級アイテムは、システムに干渉できるアイテムの総称です。【建国の武器】【知識の書】【『迷宮』の種】【変化のポーション】【封印の玉】などが存在します。

【建国の武器】:【カドモスの剣】などは道具として使用することで、その場所に『都市』を作る事ができます。

道具の使用者は『都市』の代表となって、都市に配置する施設などをある程度指定する事ができるようになります。

但し、都市の代表はそれだけで強い権限が存在するので、金銭面などの支援は行われません。

これらのアイテムは特定のボスが所有しており、ボスを倒すことで、低確率でリーダーが入手します。(初回撃破のみ100%ドロップします)。

これらのアイテムは、世界を一変させる能力を持っています。武器としては使用できませんが、このアイテムはそれ以上の力を持っています。


CTO運営会社

「おー、プレイヤー達が感慨極まっているぞ。」

「さあ、この素晴らしいアイテムをどう使う?」


「……こんなアイテムなんて……こんなアイテムなんて……。」

そう言って【ブルーゲート】は【カドモスの剣】を地面に置く。


CTO運営会社

「そうか、ここで使うのか!」

「思い出深い地で使うのが一番いいだろうな?」

「いやいやここを拠点にすれば【アレスの竜】を真っ先に狙えると考えたのでは?」


「ぶっこわしてやるー!!」

そう言って彼は【カドモスの剣】を粉砕した。


CTO運営会社

「…………。」

ばたりと開発メンバーが突っ伏した。

「………なんでそうなるの?こっから先、プレイヤーができる事が増えていくはずだったのに……。

 というか、このアイテムは初回ドロップじゃないと低確率で入手になるから、こっから先が大変なのに……。」


「………んで、これからどうすんの?」

「しばらくCTO止める……なんか、しばらく立ち直れそうにない……。」

「そう……か。まあ他のゲームで楽しむのも悪くないさ。」

「じゃあ、他のアイテムはみんなで分けてくれ。」

【ブルーゲート】はそう言ってログアウトを開始した。


「……【ブルーゲート】を責めないのか?」

「俺はあいつの意思を尊重するさ。あいつは都市の運営をやりたがる人間じゃない。

 しっかし……。」

プレイヤーの一人は頭を抱えてそう言った。

「これから先、どうすっかね。」

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