表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

三国志演義

三国志演義・街亭の戦い~泣いて馬謖を斬る~

作者: 霧夜シオン

     この台本は故・横山光輝氏、及び、吉川英治氏の著作した三国志や各種

     ゲーム等に、作者の想像を加えた台本となっています。その点を許容で

     きる方は是非演じてみていただければ幸いです。

     なお、武将名に漢字がない【UNIコード関連に引っかかって打てない】

     場合、遺憾ながらカタカナ表記とさせていただいております。何卒ご了

     承ください<m(__)m>


     なお、上演の際は漢字チェックをしっかりとお願いします。

     また、金銭の絡まない上演方法でお願いします。

     

     ある程度はルビを振っていますが、一度振ったルビは同じ、または他の

     キャラのセリフに同じのが登場しても打ってない場合がありますので、

     注意してください。


声劇台本:三国志演義・街亭の戦い~泣いて馬謖を斬る~


作者:霧夜シオン


所要時間:約70分


必要演者数:12人(9:0:3)

         (9:1:2)

         (9:2:1)

         (9:3:0)

         (10:2:0)

         (11:1:0)

         (12:0:0)


※これより少なくても一応可能です。時間計測試読の際は7人で兼ね役しました。


はじめに:この台本は故・横山光輝氏、及び、吉川英治氏の著作した三国志や各種

     ゲーム等に、作者の想像を加えた台本となっています。その点を許容で

     きる方は是非演じてみていただければ幸いです。

     なお、武将名に漢字がない【UNIコード関連に引っかかって打てない】

     場合、遺憾ながらカタカナ表記とさせていただいております。何卒ご了

     承ください<m(__)m>


     なお、上演の際は漢字チェックをしっかりとお願いします。

     また、金銭の絡まない上演方法でお願いします。

     

     ある程度はルビを振っていますが、一度振ったルビは同じ、または他の

     キャラのセリフに同じのが登場しても打ってない場合がありますので、

     注意してください。



●登場人物


馬謖ばしょく・♂:あざな幼常ようじょう。蜀の将。諸葛亮に若年の頃から才略を認められ、愛されて

     いる。しかし、己の才を鼻にかけ他人を侮る所があり、蜀の先帝・劉備りゅうび

     は「彼を重要な局面で用うるなかれ。」と遺言する。それは今、まさに

     的中しようとしていた。


諸葛亮しょかつりょう・♂:字は孔明こうめい。蜀の丞相じょうしょう。先帝・劉備が三顧の礼をもって迎えた不世出

       の人物。劉備の臨終に際し子の劉禅りゅうぜんを託される。

       無私尽忠の塊ともいうべき人物で、魏を討って漢王朝再興を目指

       す。南蛮を平定後、馬謖の勧めに従って司馬懿を離間の計にかけ

       、魏の政権から遠ざけると魏の征伐を開始する。


司馬懿しばい・♂:字は仲達ちゅうたつ。司馬の八達の次男。諸葛亮が魏において恐れる唯一の人物

      。離間の計によって官職を剥がれ、郷里に引きこもっていたが、再出

      仕の要請を受ける。魏を裏切り、蜀へ再度帰参しようとした孟達もうたつ

      、魏帝ぎてい曹叡そうえいの勅命を待たずに討ち取る。魏の軍権を授けられ、一路前

      線へと急行する。


張コウ(ちょうこう)・♂:字は雋艾しゅんがい。魏の五将軍の一人。武勇と胆力に優れた猛

             将で、司馬懿が軍権を預けられた際に特に乞い受けた

             人物。かつて漢中争奪戦の際には、蜀の張飛ちょうひと激戦を

             繰り広げた。


王平おうへい・♂:字は子均しきん。元は魏の将だったが、劉備の漢中侵攻の際に主将の徐晃じょこうと仲

     違いし、蜀に降る。以後はその慎重な性格と誠実な人柄で信頼を得、功

     を重ねる。今回の魏征伐でも馬謖の副将として街亭へ赴く。


司馬師しばし・♂:字は子元しげん。司馬懿の長男。父譲りの才略を持つ。官職を剥がれた父が

      国から再出仕を求められる事を予見し、弟と共に軍備を整えておくな

      ど先見の明を持つ人物。


司馬昭しばしょう・♂:字は子上しじょう、司馬懿の次男。兄の司馬師と共に俊才の聞こえが高い。

      父や兄と共に蜀軍の侵攻を阻止するべく従軍する。


魏延ぎえん・♂:字は文長ぶんちょう。趙雲らと並んで北伐における蜀軍の武の中核を為す猛将。反

     骨の相【謀反人によく見られると言う人相】を持つ為、仕官時に諸葛亮

     に処刑されかけた所を蜀の先帝・劉備に取りなされた過去のある将軍。

     この為、諸葛亮とはわだかまりのある間柄。


趙雲ちょううん・♂:字は子龍しりゅう。蜀の五虎大将軍最後の一人。名実共に現時点での蜀軍の武の

      要。豪胆かつ知勇に優れ、荊州流浪時、劉備の子の阿斗あと【後の劉禅りゅうぜん

      を抱いて、曹操軍数十万の中をただ一騎で駆け抜けて主君劉備の元ま

      で辿り着き、人材収集癖の塊である曹操をして、配下にしたいとまで

      言わせた人物。

      先帝劉備曰く、「子龍は一身之肝いっしんこれきもなり。」


蒋エン(しょうえん)・♂:字は公エン(こうえん)。諸葛亮に魏征伐の際の後事

             を託され、蜀の都、成都せいとにて、後主・劉禅を補佐して

             いる。


蘇ギョウ(そぎょう)・♂:殿軍の趙雲に討たれる武将その1。


万政ばんせい・♂:殿軍の趙雲に討たれる武将その2。


蜀部将・♂♀不問:軍隊を根底から支えている名も無き部将その1。蜀軍側。


魏部将・♂♀不問:軍隊を根底から支えている名も無き部将その2。魏軍側。


兵士A・♂♀不問:馬謖のせいで不幸な目に逢う可哀想な兵士その1。


兵士B・♂♀不問:馬謖のせいで不幸な目に逢う可哀想な兵士その2。


兵士C・♂♀不問:馬謖のせいで不幸な目に逢う可哀想な兵士その3。


民・♂♀不問:乱世に翻弄される哀れな民。


ナレーション・♂♀不問:雰囲気を大事に。


※演者数が少ない状態で上演する際は、被らないように兼ね役でお願いします。

 兵士A、B、Cと民は適宜割り振ってください。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



ナレ:諸葛亮は司馬懿の才略を恐れ、馬謖の献策を用いて魏国に離間りかんの計を掛けた

   。この為、司馬懿仲達は官職を剥がれ故郷の宛城えんじょう閑居かんきょしていたが、蜀の侵

   攻を受けた魏から再出仕を請われる。申耽しんたん申儀しんぎの兄弟が内々に報せてきて

   いた、元・蜀の将の孟達もうたつ謀反むほんを未然に阻止、これを討ち取ると洛陽らくようへ赴く

   。魏帝ぎてい曹叡そうえいから改めて軍権を預けられ、西平せいへい都督ととくとして前線へ向かう途上。


司馬懿:この仲達、やたらに敵を称賛したりはせぬが、諸葛亮孔明こそは当代随一

    の英雄と呼ぶにふさわしく、容易に破れる相手ではない・・・。


張コウ:まこと・・・侮りがたき強敵でございますな。


司馬懿:もし自分が諸葛亮なら・・・この地方は、山は険しく谷も深い。そこに十

    数余の道が縫うように通っている為、子午谷しごこくから長安ちょうあんへ入る奇襲作戦を立

    てるが・・・おそらく諸葛亮はその方針は採るまい。何故なら、彼の従来

    の戦いぶりを見ていると、いかなる場合にも敗北しない地を占めて戦って

    いるからだ。


張コウ:ううむ、まるで手のひらを指すかのようなご教示。では我らがこれからと

    るべき方策は?


司馬懿:うむ、まずは曹真そうしん殿の手勢てぜいに一刻も早くビびじょうの守りを固めさせるのだ。

    更には箕谷きこく伏兵ふくへいを配置して、諸葛亮がこの地まで出てくるのを防がせ

    る。


司馬師: (英雄、英雄を知る、とはこの事か・・・さすがは父上・・・。)


張コウ:して、都督ととく殿はどう動かれますので?


司馬懿:まだ誰にも明かしておらぬが・・・泰嶺しんれいの西に街亭がいていという地がある。その

    近くにある城が列柳城れつりゅうじょうだ。あの地こそは蜀軍の喉元にもあたる重要な

    地。

    ここを奪ってしまえば、蜀軍の食糧輸送の道は絶える事になり、総退却せ

    ざるを得なくなるだろう。


司馬師:諸葛亮は曹真殿を甘く見て、まだそこまでは兵を回しておりますまい。

    そこを父上と張コウ将軍で一挙に突く・・・実に愉快ですな。


張コウ:おお、正に深謀遠慮しんぼうえんりょ! それこそ一刀の元に蜀軍の心臓をえぐるようなも

    のだ。


司馬師:隴西ろうせい諸郡しょぐんも、食糧を絶たればなすすべもないはず。父上の神のごとき

    謀略ぼうりゃく、誰が及びましょうか。


司馬懿:待て待て、はかりごとだけ聞いて喜ぶな。相手はあの諸葛亮だ。孟達ごとき雑魚ざこ

    とは天と地ほどの差がある。決して軽々しく動くな。


張コウ:かしこまりました。


司馬懿:一里いちり進むごとに物見ものみを出して偵察し、十里進めば敵の伏兵を疑い配慮せよ

    。大胆かつ細心に、よくよく性根をすえてかかるのだ。


張コウ:仰せまでもございませぬ。


司馬懿:うむ、では出陣の準備を。師よ、曹真殿へ伝令を出すのだ。ビ城の守りを

    固め、諸葛亮の誘いに釣られて動かれぬよう、と!


司馬師:はっ、ただちに!



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



ナレ:祁山きざん一帯の地を蜀魏しょくぎ天下分け目の決戦場として、戦いの火蓋ひぶたはここに切られ

   ようとしていた。この地は諸葛亮みずから選んだ戦場であり、蜀軍が先に地

   理的優位を占めていたと言ってよい。

   諸葛亮は早馬にて新城しんじょう陥落かんらくの報を受けると、すぐに将たちを集めた。


諸葛亮:孟達の死は惜しむに足らない。だが・・・司馬懿がこれ程早く大軍を率い

    て来たからには、彼は既に街亭に目をつけているであろう。

    あの地こそは我が蜀の喉にもあたる要所。一刻の猶予もない。

    すぐにでも軍を差し向けてこれを守らせねばならぬ。

    誰を行かせるべきか・・・。


    【少し長めの間】


馬謖:丞相じょうしょう、それがしにお命じ下さい。


諸葛亮:馬謖か・・・いや、なんじにはまだ早い。誰か他の者を差し向けよう。


馬謖:いいえ、たとえ司馬懿や張コウが比類無き名将であろうと、長年ながねん兵法を学

   び、丞相に師事して来たのは全てこのような時に役立てんが為! 

   もはや年も三十九だというのに、何の功績も立てていないとあっては、世に

   対して顔向けできませぬ!


諸葛亮:むむ・・・。


馬謖:街亭一つも守れぬようなら、この征伐せいばつにおいて以後、何の役に立ちましょ

   うや!

   丞相、どうかそれがしに行かせて下さい!


ナレ:軍隊において私情は禁物であることは、諸葛亮も十二分に承知しているはず

   だった。だが、日頃から馬謖の才を愛し、その大成を心ひそかに楽しみにし

   ている彼にとって、ここらで難敵なんてきに当たらせて鍛錬たんれんを積ませるのも悪くはな

   い、そんな考えにふと、心を動かされてしまった。


諸葛亮:・・・・・。


馬謖:丞相、なにとぞ!


諸葛亮:・・・よし、わかった。なんじに命じる。ただし、副将に王平を連れていくの

    だ。


馬謖:はっ! ありがとうございます、丞相!! 街亭の地、必ずや守り通して見

   せます! もし過ちがあった時はこの身は言うに及ばず、三族さんぞく全て処罰され

   ようとも、決してお恨みは致しませぬ!


諸葛亮:陣中に戯言ざれごとなし、であるぞ・・・司馬懿といい、副将の張コウといい、決

    して甘く見てよい相手ではない。

    王平将軍、其方そなたはこれまでの作戦の中でも非常に慎重であった。それゆえ

    、副将として馬謖を補佐する重き任を託す。布陣を終えたら図面にして送

    って参れ。


王平:ははっ! 承知いたしました。


諸葛亮:よいか。街亭に着いたら街道に砦を構え、細い山道を抑えるのだ。さすれ

    ば魏軍がいかに大軍で押し寄せようとも落とされることはない。


馬謖:街道筋でございますな、しかと胸に刻みました。


諸葛亮:もし街亭を守り通すことができたなら、長安ちょうあん攻略において第一の功績であ

    るぞ。心してかかるのだ。


馬謖・王平:ははっ!!


諸葛亮:魏延ぎえん将軍、そなたにも街亭への後詰ごづめを命じる。


魏延:なんですと、それがしに街亭に行けと!?


諸葛亮:うむ、街亭の背後に駐屯ちゅうとんし、魏軍来襲の折には応戦せよ。


魏延:それがしは既に先陣の大将を承った身! 先駆けし、敵を進んで破れとあら

   ば死をも恐れませぬ。何故なにゆえ守備の任などと仰せられますか!?


諸葛亮:真っ先に進んで敵を破るは部将の役目。将軍に街亭の後詰をせよと命じた

    のは、彼の地は陽平関ようへいかんに通じる重要な道であり、万一ここを敵に抑えられ

    ると我が軍は退却を余儀なくされる。決して軽く考えてはならぬ。


魏延:! なるほど、言われてみれば確かにその通りでございました。喜んで向か

   います。 


諸葛亮:頼んだぞ。なお、高翔こうしょうは街亭より五十里ほど先にある列柳城へ、兵一万を

    率いて駐屯せよ。馬謖らが苦戦の際はただちに救援するように。


ナレ:勇んで二万五千の精兵を引き連れ、馬謖・王平は街亭へと急行する。

   だが、諸葛亮はなお安心しきれずに、魏延・高翔にも兵を与えて街亭の後詰

   を命じた。

   彼が胸のうちに抱いた一抹の不安・・・それは、不幸にも的中しようとして

   いた。



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



馬謖:ここが街亭か・・・ふむ、どれ程の地形か・・・。


ナレ:秦嶺の西、街亭。馬謖と王平は魏軍に先んじて到着すると、地形を見て回っ

   ていた。その途上。


馬謖:・・・ふっ、はっはっはっはっは!!!


王平:? 馬謖殿、どうなされた?


馬謖:ふっ、丞相も少し心配が過ぎる。山といってもたいした高さでもないし、人

   がかろうじて通れる程度の細道が幾つかあるにすぎない。こんな所に魏が大

   軍を差し向けるわけが無い。――よし、この上は山頂に陣を構え、魏軍が来

   たらば一息に逆落としで殲滅してくれる。


王平:な・・・馬謖殿! 丞相は街道沿いに布陣し、細い山の道筋を固めよと仰せ

   られた。もし山頂に陣取って魏軍に麓を取り巻かれたらどうされるおつもり

   か!


馬謖:ふん、貴公の考えはまるで婦女子のごとき軟弱なものだな。


王平:ッ!! 今の言葉、聞き捨てなりませぬな! 一体それがしの考えのどこが

   婦女子と言われますか!


馬謖:知らぬのか? 兵法にもある。「高キニリテ低キヲレバ、勢イ既ニ

   破竹はちく」とな!

   【※たかきによりて ひくきをみれば、いきおい すでに はちく】

   それに魏延将軍が街亭の背後に、高翔将軍が列柳城れつりゅうじょうへ向かっている。

   まさに盤石の態勢ではないか! 恐れる必要がどこにあるというのだ?


王平:それほどまでに丞相は、この地を重要だとお考えになられている証拠!

   ここは我らが忠実に命令を遂行するべきと存じます。


蜀部将:申し上げます! 魏軍の先鋒せんぽう隊、既にこの街亭にむけて接近しつつある模

    様です!


馬謖:来たか! この街亭へ至るまであと幾日もあるまい。


王平:むうっ、もはや一刻の猶予も無い・・・馬謖殿、それがしは手兵てへい五千をもっ

   て街道沿いに布陣致します!


馬謖:ええい、私の命令に従えぬというのだな! もし私が逆落さかおとしに魏軍を蹴散

   らしたとしても、貴公の功などではないぞ!


王平:ッ・・・承知、しております・・・!


馬謖:我らは山頂へ向かうぞ! 急げ! 魏軍がやってくる前に布陣を終わらねば

   ならぬ!!


王平:我が隊は街道沿いに陣を構える! 行くぞ!


ナレ:こうして二人は意見をたがえたまま、馬謖は街亭山山頂へ、王平は街道沿いに

   それぞれ布陣し、魏軍を待ち受けることとなった。馬謖はふもとの陣を眺めて歯

   噛みし、王平は不安に駆られて山頂の陣を見上げていた。


馬謖:王平め・・・大将たる私の命令に従わぬとは・・・、この上は魏軍を蹴散ら

   して凱旋したのち、丞相の前で奴めを軍法にそむいた罪に照らして裁いてやら

   ねばならん・・・!


王平:馬謖殿は功を焦っている・・・。彼の考えを変えさせるのは、丞相御自じょうしょうおんみずからの

   言葉でなくてはなるまい・・・よし、できた。我らの布陣図を丞相へ急ぎ届

   け、直接お指図を仰ぐのだ・・・間に合えばよいが。



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



ナレ:数日の後。魏軍の先鋒せんぽうに先立って司馬懿の次男、司馬昭は父の命を受けて街

   亭の様子を偵察に来ていた。


司馬昭:なに? 既に蜀軍が布陣していると? ぬうう、父上の策の上を行くとい

    うのか、諸葛亮め・・・。


魏部将:はっ! 街道沿いに見える旗は王平、街亭山頂に見えるのは馬謖のものら

    しく見えました!


司馬昭:そうか、街道と山頂・・・、む? 山頂? 今、そう申したか?


魏部将:はっ、蜀軍はどうやら二手ふたてに分かれており、主力が山頂に、街道沿いに布

    陣している方はそれに比べれば少数、五千ほどかと思われます。


司馬昭:ふ、ふふ・・・そうか、これは父上に良い報告ができそうだ・・・、よし

    、先鋒せんぽうの張コウ将軍へ伝令! 進軍を一時停止し、父上からの次の命令を

    待つように、と!


魏部将:はっ! 承知しました!


司馬昭:我らも一度父上のもとまで引き返し、現状を報告する。撤退!



ナレ:司馬昭は急いで父、司馬懿の率いる本隊へ合流すると、すぐにその前へ報告

   に出た。


司馬懿:おお昭、ご苦労だった。して、蜀軍はまだ来ておるまいな?


司馬昭:いえ、既に蜀の防衛部隊が陣を張っておりました。


司馬懿:なにぃ!? く・・・さすがは諸葛亮、既に手を打っていたとは・・・、

    神速の用兵、まさに神算鬼謀しんさんきぼう、とても及ぶところではない・・・!


司馬昭:父上、さほど悲観なさるには及びません。私の見たところ、街亭はたやす

    く奪えましょう。


司馬懿:昭よ、あまり大きな事を言って皆を惑わすな。既に街亭に守備隊が来てい

    る以上、容易には攻め落とせまい。


司馬昭:ところが父上、蜀軍は街道沿いの守りを捨てて街亭山頂に陣取っています

    。街道にはわずかに五千程度の兵しかおりませぬ。


司馬懿:なにい!? 道筋を抑えておらんだと!? それではまるで奪ってくれと

    言わんばかりではないか!

    ・・・にわかには信じられぬ・・・。よし、この目で確かめてみよう。

    

    【間】

   

    ふむ、あの細い山道に砦を築いて軍を置けば、いかなる大軍といえど通れ

    ぬものを・・・。


司馬昭:父上、あれが敵陣でございます。


司馬懿:なに、あれか? !これはなんとした事だ。ふははははは!! 笑うべし

    笑うべし、蜀軍は自ら破滅の地に陣取って敗北を待っておるわ!


司馬昭:更に蜀にとって致命的なことに・・・あれをご覧下さい。


司馬懿:ん? あれは・・・蜀兵か。手に持っているのは皮袋だな。

    !! そうか、ふははは、そうかそうか、山頂にはあれが無いようだな!

    して、守備隊の蜀の将は誰か?


司馬昭:馬謖とのことです。諸葛亮の愛弟子だそうですな。


司馬懿:ほう、馬謖か。多少知恵が回るとは聞いていたが、大将の器ではないな。

    賢者にも千慮の一失というのはあるが、諸葛亮ほどの者が人の用い方を誤

    る事もあるか。よし、対策は立った。引き上げるぞ。


    【間】


張コウ:都督、お呼びですか? 張コウ、召しに応じて参じました。


司馬懿:うむ、揃ったか。

    諸将よ、先程街亭の敵陣を探ってきたが・・・山頂に陣取っている蜀の大

    将は、この上も無い愚か者であったわ。

    これは我が魏にとっては限りなく喜ばしき事だ。易々と打ち破れよう。

    張コウ将軍は麓の蜀軍が動いたら一斉に攻めかかれ。山上の本隊を救援さ

    せてはならぬ。


張コウ:ははっ! お任せくだされ。 王平ごとき、物の数ではありませぬ!


司馬懿:申耽・申儀は我と共に、街亭山頂の蜀軍の命綱を断ち切るのだ。

    そう・・・水をな!

    食わずとも数日は持ちこたえられるが、水が無くば死、あるのみよ・・・

    。

    では諸将よ、行動に移れ!


司馬懿役以外魏側役全員:はっ!!



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



ナレ:魏軍はただちに蜀軍を包囲すべく動きだした。申耽・申儀は蜀軍の水汲み場

   を、張コウは王平が山頂の馬謖を救援するのを阻止すべく布陣、司馬懿の本

   隊は街亭山麓を幾重いくえにも取り囲んでしまった。ときの声とかね太鼓たいこは空気を震

   わせ、大地に響かせた。


蜀部将:申し上げます! 街亭山の麓、全て魏軍に取り囲まれています!!


馬謖:ふん、来たな魏軍。目にもの見せてくれるわ! 紅の旗が動いたら一斉に掛

   かり、登ってくる魏兵を皆殺しにするのだ!


蜀部将:ははっ! 出陣の合図を!!


ナレ:馬謖は自ら有利の地形を占めていると思い込み、必勝の意気は天をくもの

   があったが、魏軍はときの声ばかり上げて、山上へは攻めのぼってこなかった。


馬謖:怯んだと見えるわ、この上は我が方から逆落としに攻め下って皆殺しにして

   くれる! かかれ!!


司馬懿・馬謖役以外全員:【喚声を上げる】


司馬懿:ふっ・・・来たか、愚か者め。固く守り損害を抑えよ! 敵は既に自ら破

    滅の地へ身を置いているものだ! こちらから攻めのぼる必要などないわ!

    矢の雨を浴びせよ!!


司馬師:弓兵隊、前へ!! 構えぇいッ!! 


司馬懿:よし、十分に引き付けて放てぃ!


司馬昭:射よ! 射よッ!! 蜀軍を残らず射倒いたおすのだ!!


ナレ:馬謖は功にはやりきっていた。山の小道こみちから逆落としに駆け下り、矢の雨をか

   いくぐって魏将二人を討ち取った。

   だが、蜀軍は序戦において勝ったものの、山上へ戻る頃には体力を使い果た

   し、魏軍の追撃に討たれるその数はおびただしかった。

   それでも馬謖は目の前の勝負にとらわれ、大言壮語たいげんそうごを吐いていた。


馬謖:はっはっは! どうだ魏軍め、初戦に将二人の首をあげたわ! 戦は勝って

   いるぞ!! 明日も山を駆け下って魏軍を散々に打ちのめしてくれるわ!


ナレ:だが、魏軍は山麓包囲と同時に蜀軍の水汲み場も抑えてしまった為、たちま

   ちその日から水に苦しむこととなった。


蜀部将:申し上げます。将軍、水の貯えがもはやありませぬ。


馬謖:水だと? ならば汲みに行けば良いではないか。


蜀部将:それが・・・どうやら魏軍に包囲された際に、水汲み場も奪われてしまっ

    たようです。


馬謖:なにい、水を絶たれたというのか!? ふ、ふん、狼狽うろたえるな!こんな時の

   為に丞相は、街亭の背後に魏延将軍を、列柳城には高翔将軍を入れているの

   だ! それより、何としても水汲み場を奪回するのだ!! 

   夜には決死隊をつのって水を汲みに行かせよ!!


蜀部将:はっ! (あの時、王平将軍の言葉に従っていれば・・・我々はこんな思

    いをせずとも済んだのでは・・・?)


ナレ:馬謖は愕然と気づいたが、時すでに遅かった。以来、幾度となく水汲み場を

   奪い返そうとするが、その度に無惨なまでの損害をこうむった。


馬謖:くっ・・・おのれ、こんなはずでは・・・!


ナレ:水が無い為、食糧を煮炊きする事も出来ず、生のままか焼いて食べざるを得

   ない。

   また、こんな時に限って空も意地悪く、待てど暮らせど一滴の雨も降らなか

   った。


馬謖:ぬうう、雨はまだか! まだ降らんのか・・・!!


ナレ:更には決死隊を何度もつのり、夜の闇に紛れて水を汲みに行かせたが、それ

   らは誰一人として戻らなかった。水汲み場で待ち構えていた魏軍に捕らえら

   れ、蜀兵しょくへい達は皆、降伏してしまっていたのだ。


蜀部将:将軍、このままでは兵達の士気は下がるばかりです。なにとぞ、励ましの

    お言葉を・・・。


馬謖:ええい、わかっている・・・!

  

   【短い間】

  

   聞け、皆の者! もうすぐ魏延将軍や列柳城からの援軍が来る。それまで耐

   えるのだ!!


兵士A:(ふざけるな! お前が素直に丞相閣下の命令通りにしてりゃ、こんな事

    にはなってねえんだよ! この無能!)


兵士B:(来る来るって、いつ援軍が来るんだよ! 水が無いせいでどんだけ仲間

    が死んだと思ってやがる!! もう喉の渇きが限界だ!!)


兵士C:(もう駄目だ。こんな奴に従っているよりは、いっそのこと魏に・・・)


ナレ:馬謖のこの激励も、既に戦意を喪失していた兵達にとっては何の役にも立た

   なかった。その日の夜、ついに全軍の約半数が密かに山を下り、魏軍に降伏

   してしまったのだ。


蜀部将:将軍! 一大事でございます!!

    

    【息切れ】


    ・・・っ、兵の約半数が・・・逃げ出しました・・・!


馬謖:なんだと!!? ・・・くっ、やむを得ぬが援軍は待っておれん。明日にで

   も山を下り、敵軍の手薄な部分を突破し、列柳城へ向かうのだ!


蜀部将:はっ・・・。 (我が身の武運も、これまでか・・・。)


ナレ:その頃、麓の魏軍本陣では蜀兵達の降伏を受け容れた後、司馬懿が諸将を集

   めてそれぞれ作戦を授けていた。


司馬昭:父上、これほどの数の蜀兵が降ってきたという事は、山頂の蜀軍の渇きが

    ついに限界に達したという事ですな。


司馬懿:うむ、馬謖がこのまま踏み止まろうとしても、明日には更に残った兵達の

    半数が降伏してくる。その程度の事は馬謖も計算できるであろう。


司馬師:では、今日か明日には必ず山を下りて、我が軍の包囲を突破しようとする

    に違いありまぬな。


張コウ:突破を許して魏延、高翔らの援軍と合流させるのは防がねばな・・・。


司馬懿:まず、包囲網の西南の方角をわざと一か所、手薄にしておくのだ。馬謖め

    は必ずそこを突破しようとするだろう。ある程度通らせ、蜀軍が山を下り

    きったら一斉に包囲し、徹底的に殲滅するのだ。


張コウ:それがしは引き続き、王平らが馬謖を救援できないようにすれば良いので

    すな?


司馬懿:いかにも。救援を成功させてしまったのでは獲物は少ない。師は高翔の通

    る道筋に兵を伏せて、これにあたれ。


司馬師:はっ、お任せください、父上。


司馬懿:昭は魏延が街亭山に近づいたら伏兵をもって襲いかかるのだ。


司馬昭:心得ました。必ずや蜀軍に目にものを見せてやります。


司馬懿:魏延、高翔らが街亭に救援に駆け付けるという事は、列柳城は空き家同然

    であろう。守備の兵も大して残ってはいまい。一部の兵を回して城を奪う

    のだ。


ナレ:魏の将達は作戦を行動に移すべく、各々の隊へと戻っていった。一方馬謖は

   、街亭山頂から魏の陣を見下ろしていた。


蜀部将:将軍、西南の方角の魏軍が幾分手薄なように思われますが・・・。


馬謖:よし! 皆、一気に駆け下りて列柳城を目指せ!


   【短めの間】


魏部将:都督、蜀軍が山を下り始めました!


司馬懿:うむ、適当に通せ。網の中に入ったら、合図と共に一斉に襲い掛かるのだ

    。


    【短めの間】


    ・・・・・うむ、頃合いだな、掛かれッ!!


魏部将:はっ!! 合図を!!


馬謖:!!ぬうう、おのれ! 伏兵とは・・・誘き寄せられたか!! 逃れられぬ

   所、もはやこれまで・・・!


ナレ:この十数日、水を断つ計略にあって半病人も同然の馬謖の兵は、魏軍にとっ

   て手頃な餌食となってしまう。更に魏軍は山に火を放ち、その燃える様は他

   の蜀軍の陣からも臨まれた。蜀の将軍達は直ちに援軍に向かおうとしたが、

   既にその道のすべてには、司馬懿の伏兵が待ち構えていた。


蜀部将:王平将軍! 街亭山に火の手が!!


王平:(くっ・・・結局、丞相からの使者は間に合わず、馬謖殿に布陣を変えさせ

   る事もできなかったか・・・)いかん! すぐに本隊を救援に向かうのだ!


張コウ:待ちかねたぞ王平よ! 魏の張儁乂ちょうしゅんがい、これにあり!ここを通りたく

    ば、その首を置いていけィ!!


王平:むむむ、既に伏兵が・・・!


張コウ:それッ、蜀軍を皆殺しにせよ! 王平、そこを動くなッ!!


蜀部将:将軍、このままでは三方から囲まれます!!


王平:くっ・・・この少ない兵では本隊の所までは進めぬ! 一旦引き返し、陣を

   守り固めよ!!


張コウ:待てィ! 逃げるか王平!! 返せッッ!! 者ども、掛かれッ、掛かれ

    ェェェッッ!!!


   【短めの間】


蜀部将:魏延将軍!! 馬謖将軍の軍が包囲されているとのことです!


魏延:ちっ、青二才め・・・大口を叩いておきながら、結局このざまか! 

   まあいい、すぐに馬謖を助けるのだ!! 列柳城の高翔にも伝令を出せ!

   我に続けィ!!


司馬昭・魏延役以外全員:【喚声】


魏部将:司馬昭様、蜀軍です!!


司馬昭:ふふふ、魏延め、やはりこの道を来たか! よし、かかれ!!


魏延:なにい、左から敵が! 伏兵か!! おのれ、突破するのだ!!


司馬昭:今だ、合図を送れッ! 


蜀部将:ッ将軍! 右からも魏軍が!!


魏延:ぬうっ、蹴散らしてくれるわ!! おおおおおッ!!!!


司馬昭:ははは、猪武者め! それッ、魏の将兵達よ、引ッひっつつんで殲滅するのだ

    !!



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



ナレ:魏延軍の決死の働きにより、馬謖軍はかろうじて全滅を免れた。

   更には列柳城から高翔も駆け付け、ここに蜀魏入り乱れての大混戦となる。

   激戦は三日三晩続き、蜀軍のどの部隊も傷を負っていない者はないという

   有様であった。そして四日目・・・。


魏延:王平よ、汝の隊はどうだ。


王平:はっ、ほとんどの兵が負傷しています。


魏延:そうか、我が隊も大分戦死した。無傷の者などおるまい。


王平:魏延将軍、今の我々の兵力ではこの大軍を打ち破るのは容易ではないと思わ

   れますが・・・。


魏延:うむ、確かに・・・このままでは我らは幾重いくえにも包囲され、いずれ全滅の憂

   き目に逢うだろう。


王平:ここは列柳城へ退いて、善後策を講じてはいかがでしょうか。


魏延:わしもそれを考えていた。我らの役目は魏軍を打ち破ることではない。食糧

   補給路を守ることだ。今この街亭を完全に敵の手に委ねれば、我が軍は命綱

   を断たれることになる。・・・よし、列柳城に立て籠もって守ろう。


王平:はっ、では夜明けと共に引き上げましょう。


ナレ:翌朝、魏延らは兵をまとめて列柳城へと向かった。だがその途上、意外な敵

   と遭遇した。司馬懿一人の功になるのを妬み、列柳城を奪うべく魏軍大都督ぎぐんだいととく

   ・曹真そうしんつかわした、副都督ふくととく郭淮かくわいあざな伯斉はくせいである。


魏延:ぬうう、この新手に傷ついた軍で戦いを挑むのは、自殺も同じだ。無念だが

   、陽平関ようへいかんへ入ってそこを守るしかあるまい。


王平:そうですな・・・急いで道を変えましょう。


ナレ:一方、既に列柳城を奪い本陣をそこへ置いていた司馬懿は、やって来た郭淮かくわい

   と面会すると、彼に諸葛亮退却の際の追撃を命じ、張コウを呼んだ。


司馬懿:張コウ将軍、街亭は無事我らの手に落ちた。これで蜀軍も退却せざるを得

    まい。


張コウ:では、次は魏延らが守る陽平関ようへいかん攻めですな。負傷兵も多い事ゆえ、さして

    落とすのに力は要しますまい。


司馬懿:否、それはならぬ。陽平関へ迂闊うかつに進んで攻めると、先の敗北を挽回ばんかいせん

    と諸葛亮は我らの背後へ回るだろう。そうなれば勝敗がくつがえる恐れがでて

    くる。

    兵法にも「帰ルいくさおお事勿なかレ。きわマルあだヲ追ウ勿レ。」と厳しく戒め

    ている。

    【※かえるいくさを おおうことなかれ。 きわまるあだを おうなかれ

    。】


張コウ:恐れ入りました。確かにおっしゃるとおりですな。ならば、いかがなされ

    ますか?


司馬懿:うむ、そこでだ。我らはかえって蜀軍の背後に回り、西城せいじょうを奪おうと思う

    。田舎の小城こじろながら、あそこも蜀軍の食糧庫だ。これを手に入れてしまえ

    ば、遠征の蜀軍は確実に漢中へ退却せざるを得なくなる。我が軍が多くの

    犠牲を払う必要も無い。


司馬師:西城は南安なんあん安定あんてい天水てんすい三郡さんぐんに通じる交通の要所でもあります。かの城

    をれば、三郡は再び我らの手に返りましょう。


張コウ:心得ました。では早速に。


    【短い間】


    我らは西城へ向かうぞ、出陣の準備をせよ!!


司馬昭: (勝てば勝つほど、父上の兵法は堅実さを加えていく・・・。)


司馬懿:申耽、申儀、汝らはこの列柳城を守れ。師、昭は我に従って斜谷やこくから西城

    へ向かう。



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



ナレ:諸葛亮が敷いた万全の布陣。だがそれは魏軍を、司馬懿を甘く見た馬謖一人

   の為に、もろくも崩れ去った。一方、それより少し前、蜀軍本陣にて。


蜀部将:申し上げます! 街亭の王平将軍より、布陣図が届きましてございます!


諸葛亮:うむ、これへ。


    【短めの間】


    うっ、これは!!? 馬謖の馬鹿者めッ!!!

    あれほど言い含めたのに・・・この布陣では、敵が山麓を包囲して水を断

    てばそれまでではないか! なんたる愚か者だ・・・いくら若いにせよ、

    こうまで浅慮者あさはかものとは思わなんだ。 

    急ぎ布陣を変えさせねば・・・! だが、敵は司馬懿仲達、恐らくは・・

    ・・・


蜀部将:【↑の語尾に被せるようにして】申し上げます!! 街亭と列柳城が・・

    ・落ちました・・・!!


諸葛亮:!!!ッ・・・やはり・・・落とされたか・・・! ああ、我が過ちだっ

    た、長安ちょうあんを落とし、洛陽らくように攻め入る事など、夢となった・・・。

    かくなる上は、魏の追撃の手をおさえて撤退せねばならぬ。


    【短めの間】


    関興かんこう張苞ちょうほうは各々三千騎を率いて武功山ぶこうざんへ行き、魏軍を見たら太鼓を轟か

    せ、ときの声をあげよ。敵は逃げ走るが追うな。捨て去るであろう軍需物資ぐんじゅぶっし

    を収めて陽平関ようへいかんへ入れ。

    張翼ちょうよく剣閣けんかく山の道を修理せよ。

    姜維きょうい馬岱ばたい後詰ごづめとなって谷間に潜み、逃げてきた

    味方は保護し、敵が来たらば防げ。頃合を見計らって、陽平関へ入れ。

    馬忠ばちゅうは曹真の軍を攻めかかれ。敵はその勢いを恐れ、思い切った行動には

    出まい。

    ・・・余は、これより漢中へ帰らん。

    兵五千を率いて西城に向かい、南安なんあん安定あんてい天水三郡てんすいさんぐんの民達を漢中に逃が

    し、あわせて食料も輸送させる。急ぐのだ!


諸葛亮役以外全員:ははっ!!


ナレ:諸葛亮は退却への万全の手配を整えると西城へ向かい、食料を急いで輸送さ

   せていた。その矢先。


兵士A:も、申し上げます!! 魏軍が・・・司馬懿が十五万の大軍を率いてこの

    西城へ迫っております!!


蜀部将:な、何!? 既に兵の半数は食糧輸送の為に漢中へ向かってしまっている

    ぞ・・・!


諸葛亮:!!!・・・うろたえるな!


    【短い間】


    むうう、さすがは魏、さすがは司馬懿。寄せも寄せたり。敵ながら見事よ

    ・・・。

    四方の門を開け放て。門の入口には水を打って掃き清めよ。

    将達は己の持ち場を守り、騒ぐ者や声を出す者はその場で斬り捨てよ。

    部署ごとに旗の下を動くな。

    門を守る兵達は、敵兵がたとえ近づいてきても居眠るかのようにしている

    のだ。・・・琴を持て。


ナレ:配下への命を伝えると、諸葛亮は衣服を変えて童子二人を連れ、やぐらの一番上

   へと登った。そしてこうき、琴をき始めた。


魏部将:申し上げます! 西城の四方の門は開け放たれており、敵将諸葛亮はやぐら

    て琴を弾いております! 


司馬懿:な、何だと? そのような事、信じられぬ・・・!

    ・・・よし、この目で確かめよう。


    【短い間】


    おお・・・あれはまさしく、諸葛亮・・・!


ナレ:琴の音色は風に乗り、耳元へと運ばれてくる。全ての城門はいざ、通られよ

   とばかりに開かれていた。司馬懿は何故ともなしに背筋に寒気を覚えると、

   やにわに味方へ向けて叫んだ。


司馬懿:退けっ、退けっ!! 全軍退くのだ!!


司馬師:ッ父上、何故退けと仰せられますか!? あれは敵の計略に違いありませ

    ぬ!


司馬懿:これは諸葛亮の罠だ。彼奴きゃつめ、我をおびき入れんとする策に違いあるまい。


司馬昭:しかし、多少の策などこの大軍の前には通じますまい。


司馬懿:かつて諸葛亮は、荊州けいしゅう新野城しんやじょうでわざと城を空にして曹仁そうじん様を誘き寄せ、

    城ごと火計で焼き払ったことがある。

    また、先の西羌せいきょうとの戦いでは、敵の鉄車隊てっしゃたいを空の陣に誘い込み、落とし穴

    をもって打ち破っている。

    諸葛亮は用心深く、危険な真似はせぬ男だ。あの有様は我を怒らせ、城内

    に誘き寄せて殲滅せんとする罠に違いあるまい。ここは退くのだ!


ナレ:司馬懿の命を受け、魏軍は馬首ばしゅを返して続々と退いていく。諸葛亮はこれを

   見て、手を打って笑った。


諸葛亮:司馬懿ほどの者も、自分の知恵には負けたか。もし、十五万の兵がこの小

    こじろに入ってきたら、一張ひとはりの琴の力など、何の役にも立たなかったろう。

    

蜀部将:し、しかし、司馬懿は人も知る魏の名将。なぜ急に退いたのでしょうか?


諸葛亮:司馬懿はが用心深く、危険な策を用いないと思っている。それを逆に利

    用したのだ。

    こちらはわずかに二千五百、城を捨てて逃げたとしてもすぐに追いつかれ

    、今頃は捕らわれていたろう。それゆえ、やむなく用いた計略だ。


蜀部将:恐れ入りました。我らなら真っ先に城を捨てて逃げ出していたでしょう。


諸葛亮:彼は今頃、ここを退いた後は武功山ぶこうさんに向かっているだろうから、あの地に

    伏せておいた関興かんこう張苞ちょうほうに襲われて痛い目に逢っているに違いない。これ

    で退却に必要な時を十分稼げる。すぐに撤退するのだ!


ナレ:諸葛亮の予見通り、退却した司馬懿は関興かんこうらに襲撃され逃げ走った。また、

   祁山きざんにあった曹真も、蜀軍の退却を知るや追撃しようと行動を起こしたが、

   蜀の馬岱・姜維にしたたか不意をうたれ、大将・陳造ちんぞうを失った。



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



ナレ:蜀の国境において最も険しい道、箕谷きこく

   蜀の趙雲とトウとうし殿軍しんがりを果たすべく、他の味方がすべて漢中かんちゅうに引き上げ

   た旨を諸葛亮からの伝令で確認すると、おもむろに退却の準備にかかった。


趙雲:さて、我らもいよいよ退却だが・・・トウとうしよ、まず、我が旗を立ててお

   主が先に退け。今の魏軍は勢いに乗っているゆえ、一撃痛打を浴びせておかな

   ければしつこく追ってくる。


ナレ:トウとうしは趙雲に言われるまま、彼の旗を立てて先発した。趙雲退却の報はす

   ぐさま魏軍副都督ぎぐんふくととく郭淮かくわいの知る所となり、彼は即座に追撃を開始。まず先

   陣にギョウが軽騎兵けいきへい三千を率いて追いすがってきた。


趙雲:ほう、意外と早い。ふふふ、さっそく現れおったな。


   【短い間】


   常山じょうざん趙子龍ちょうしりゅう、これにあり!! そこへ来た者は何奴なにやつか!!


蘇ギョウ:な、何っ! 趙雲だと!? すると先に退いた旗印はおとりか!!


趙雲:それっ、一気に片付けろ!! 九泉きゅうせんへの土産に、趙雲の武者ぶりを目に焼き

   付けていけィ!!


蘇ギョウ:お、おのれっ、くっ、ぬぐっ、ぬうううっ!!


趙雲:ふん、そんななまくらに等しい腕で、わしを討てると思ったのか!

   とあああっ!!!


蘇ギョウ:ぐっ、ぐあああ!!!


趙雲:口ほどにもない奴め・・・退くぞ。


ナレ:蘇ギョウは部下を励ましつつ趙雲と渡り合ったが、ついに討ち取られてしま

   った。何事もなかったかのように静かに退却を続ける趙雲に、今度は万政ばんせい

   いう魏の将が、先の兵力を超える軍を率いて迫ってきた。


趙雲:また来たか。お前たちは先に退け。ここは大軍が一度には通れぬ。わし一人

   で十分ゆえ、あれに見える峰のあたりで待っておれ。行けい!


蜀部将:はっ。将軍・・・どうかご無事で。


万政:ぬうう、趙雲め、あのような所に・・・しかも一人だと? 侮りおって・・

   ・! 者ども、かかれぇ!


趙雲:さあ、この趙子龍が相手をしてやる! 九泉きゅうせんへ旅立つ覚悟のできた者からか

   かって来いッ!!


ナレ:道の左右は絶壁がそそり立ち、その上、趙雲が細く狭い道を塞ぐようにして

   立っている為、魏の大軍もまるで役に立たなかった。

   討ち取ろうと駆け上がり当たる者、皆、趙雲の槍を血に染めて倒れていく。

   やがて魏の兵たちはひるみ、辺りは日が暮れかけた。


趙雲:なんだ、もう来ぬのか。張り合いの無い奴らよ。ならば引き上げさせてもら

   うぞ。


万政:うっ、趙雲が動いたぞ! それっ、後を追えっ!


   【間】


   ええい、どこへ行った! まだ遠くまでは行っておらんはずだ! 追え、追

   うのだ! 逃がすな!!


趙雲:【↑の語尾に被せて】

   わずらわしいぞ!! 魏のハエ共め! それほど死に急ぎたいか!!


万政:な、なに!? いつの間に!!? うっ、うわああああああ!?


趙雲:ふん、うろたえたあまり谷へ落ちたか。

   ・・・そこまで貴様の首を取りに行くのは面倒だ。もし生きていたら曹真そうしん

   郭淮かくわいに伝えィ!

   いつの日かきっと貴様らの首を貰い受けん、とな!!


ナレ:趙雲は、ついに味方を一兵も失うことなく漢中へ引き上げた。

   一方、曹真・郭淮は追撃を断念、蜀軍の捨てた南安なんあん安定あんてい天水てんすい三郡さんぐんを取

   り返して自分たちの手柄とした。司馬懿は蜀軍全てが漢中へ引き上げた後、

   あらためて西城へ軍を移し、蜀軍に付いて行かなかった民たちを呼び集めて

   訓戒くんかいを与えていた。


司馬懿:蜀軍を慕って漢中へ移っていった民達は、我が魏国の仁徳を知らぬのだ。

    汝ら民あっての国だ。それは蜀でも魏でも変わらぬゆえ、代々の土地を動

    いてはならぬ。・・・ところで汝らに聞きたいのだが、先に我らがこの城

    に迫った時、蜀軍はどれほどいて、城内に何か仕掛けがあったか?


民:へえ、あの時、城には二千あまりの兵しかおりませなんだ。


司馬懿:ッ!! ・・・では、武功山にはどれ程の兵力がおった?


民:あれは関興かんこう様達がそれぞれ三千ほどの兵を率いていただけで、戦う気は無か

   ったようでごぜえます。わしらは都督様がなぜあの時引き上げられたのか、

   不思議に思っておりました。


司馬懿:そうか・・・、いや、よくわかった。こちらにも色々と事情があったので

    な。汝らは今まで通り暮らすが良い。家族にも安心するよう伝えよ。


民:へえ、ありがとうごぜえますだ。


司馬懿:・・・皆も下がってくれ。


   【短い間】


   空城くうじょうの計・・・・そうか・・・そうであったか・・・。

   此度こたびいくさは確かに勝った。

   しかし我が知略、ついに諸葛亮に遠く及ばなんだか・・・!



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



ナレ:その後、司馬懿は洛陽へ戻り、魏帝ぎてい曹叡そうえい拝謁はいえつ。戦果を報告し、各所の要害

   の守りを固めた。

   一方、諸葛亮は漢中へ退いた後、かつてない程の敗戦の後始末を整えていた

   。そこへ趙雲、トウとうし殿軍しんがり部隊が帰還したとの報が入り、彼は自ら出迎え

   てその労をねぎらった。


趙雲:丞相、ただいま戻りました。


諸葛亮:おお、趙雲将軍! よくぞ無事に戻られた。

    聞けば将軍はトウとうしを先に退かせ、自分は常に最後尾にあって敵に当たり

    、これを退けてきたそうな。

    将軍のごとき人こそ、真の大将軍というものであろう。その労にむくいて

    、黄金と絹を賞として贈ろう。


趙雲:いや、お待ちくだされ、丞相。

   全軍がこうして敗れて引き上げてきたからには、誰にも功績はありませぬ。

   なのに、それがしだけが賞をたまわったとなれば、丞相は不公平であ

   ると批判のもとになりかねませぬ。

   それよりは、これから冬を迎えた時に、これらを皆に少しずつ分かち与えて

   くだされ。さすれば兵達の心も温まり、敗北の傷も癒えましょう。


諸葛亮:そうか・・・そう言われるのならば、これらは冬に兵達へ遣わすこととし

    よう。

    将軍、まずは下がって、ゆっくりと体を休められよ。


趙雲:ははっ。


ナレ:諸葛亮は心の中で深く感嘆した。亡き先帝・劉備が、趙雲を自分や二人の義

   兄弟と同じくらい深く信頼し、重く用いていた事をあらためて思い返すと同

   時に、馬謖の罪も決して軽いものでは済まされないと強く感じた。

   数日後、ついに意を決して軍法会議ぐんぽうかいぎを開き、まず王平が呼び出された。


諸葛亮:王平将軍、そなたは副将の立場にあった。前後の事情を詳しく申し述べよ

    。


王平:はっ。街亭の布陣については、出発の際に丞相から再三にわたって入念なお

   指図さしずもあり、細心の注意を払って事に臨むつもりでありました。

   ところが街亭に着くと、馬謖殿は何と思ったのか山頂に陣を構えると言い出

   しました。それがしは口を極めていさめましたが、馬謖殿には聞き入れられま

   せんでした。

   そこへ魏軍が近づきつつある報が入りました為、それがしの隊のみ、街亭山

   麓に布陣した次第です。

   しかし、魏の大軍が迫った時、わずか五千程度の兵力ではとても歯が立たず

   、また山頂の本隊も水を絶たれて士気を失い、最後には半数あまりの降伏者

   を出す結果となりました。魏延将軍、高翔将軍が救援に駆けつけて下さった

   ものの、ここまで防御を崩されてしまっている状態では、ほとんどどうする

   こともできませんでした。

   それ以後の悲惨な状況は、他の諸将へお聞き願いたく存じまする。

   ただ、それがしは最後まで丞相のお指図に従い、また最大限の忠義をもって

   この度の作戦に臨んだ事だけは、神明しんめいに誓って恥じるものではございませぬ

   。


諸葛亮:よし、下がれ。・・・・・・・馬謖をこれへ。


蜀部将:はっ。馬謖殿、入られい!


諸葛亮:・・・馬謖よ。汝は幼き頃より兵書に親しみ、よく兵法をそらんじていた

    。

    それゆえ、なんじならばやり遂げるであろうと期待し、街亭へ向かわせた

    。

    街亭を守り通すことは、長安ちょうあん攻略における最大の功績とまで言ったはず。

    しかし、余があれ程細部に渡って指図しておいたにもかかわらず、つい

    に取り返しのつかぬ事態を招いたのはいかなるわけか。


馬謖:面目次第も、ございませぬ・・・・・。


諸葛亮:汝も少しは成長していたかと思うていたが、案外なる愚か者であったわ・

    ・・。


馬謖:!! 王平がなんと申したかは知りませぬが、あんな目に余る程の大軍が来

   たのでは、誰であっても防ぐことは難しいでしょう!


諸葛亮:だまれ! 王平の戦いぶりと汝の敗北は、比較にすら値せぬほど違う。

    彼は街亭山の麓に小さい砦を築き、全軍が壊滅状態となっても整然と乱れ

    ることなく進退していた為、魏軍も王平に伏兵や何らかの策があるのを疑

    い、あえて近づかなかったという。

    それにひきかえ、汝は陣を敷く際に王平の意見も聞かず、山上に登る過ち

    をあえて犯しているではないか!


馬謖:ですがッ、兵法にも「高キニリテ低キヲレバ、勢イ既ニ破竹はちく」とありま

   すから・・・

   【※たかきによりて ひくきをみれば、いきおい すでに はちく】


諸葛亮:【↑の語尾に被せるようにして】馬鹿者ッッ!!! なんたる生兵法なまびょうほうか・

    ・・正に汝の為にある言葉だ。・・・馬謖、功を焦り、全軍を退却させた

    その罪は重い。・・・汝の家族は、死後も余が面倒を見る。

    ・・・汝は、汝は・・・・・死刑に処す・・・・・!

    速やかに軍法ぐんぽうを正せ。この者を引き出して、斬れ・・・ッ!


馬謖:死罪は・・・覚悟しておりました。 丞相! もし私を斬る事が大義を正す

   事になるのでしたら、わたくしは死すともお恨みは致しませぬ。

   ・・・今までおしえていただき、ありがとうございました・・・!


蒋エン:しばし待て。・・・丞相閣下! この国家多難こっかたなんの時に馬謖のごとき優れた

    者を斬るのは、蜀国家の損失ではありますまいか。


諸葛亮:蒋エン(しょうえん)、君ほどの人物がそのような事を言うのか。

    孫子も言っている。「かちヲ天下ニ制スル者ハ、法ヲ用ウル事明ラカナルニ

    ル」と。

   

    【※かちを てんかにせいするものは ほうをもちうること あきらかな

    るによる】


蒋エン:ですが、丞相・・・!


諸葛亮:天下は今、三つに分かれて相争っている。

    人の道が乱れきっているこの世に、法をないがしろにして

    、何をもって正そうというのだ。


蒋エン:しかし、馬謖は惜しい・・・そうはお思いになりませぬか。


諸葛亮:その私情に囚われる事、それ自体が大きな罪である。惜しむべき者である

    からこそ、斬らなければならぬのだ。

    ・・・・・まだ斬らぬのか。早く、首を見せよ。


   【短めの間】


蜀部将:丞相閣下、処刑を終えましてございます。どうか、ご検分を・・・。


諸葛亮:!!! 馬謖よ、許せ・・・!! 本当の罪は、余にあるものを・・・!

    !【号泣】


ナレ:蜀の建興けんこう六年五月。馬謖は街亭敗北の責を負い、死罪となった。三十九歳の

   若さであったという。

   首は各所にさらされたのち、糸で胴に縫い付けてあつく葬られた。

   馬謖の処刑の様を伝え聞いた二十万の兵は、皆、涙を流し、将軍から兵の一

   人に至るまで士気を高めたという。

   諸葛亮が涙と共に馬謖を死罪に処した事は、彼一人の死を現代に至るまで活

   かした。

   後世にいう、“泣いて馬謖を斬る”故事となったのである。



END



●あとがき

はいはいはいおはこんばんちわー、作者であります。

・・・まさか、自分が好きだとはいえ、友達との談議の果てに書く羽目になるとは

思わなかった今日この頃です、ええ(;^ω^)

間違いなく初心者向けの台本ではないですね、ええ(;´Д`)

多分、台本的には蛇足となる部分が多いと思います。別にそこいらなくね?と思う

場面も多いと思います。しかし、個人的には諸葛亮の空城の計と、趙雲の撤退戦は

必ず入れたいと思っていたのであえて書きました。原作ご存知の方は知っていると

思いますが、趙雲はこの戦いを最後に病に倒れ、帰らぬ人となってしまうのです。

なので、彼の最後の花道のつもりで書きました。(作者は趙雲、カク昭推しです、ええ。)

もしツイキャスやスカイプ、ディスコードで上演の際は良ければ声をかけていた

だければ聞きに参ります。録画は残していただければ幸いです。

ではでは!

はいはいはいおはこんばんちわー、作者であります。

・・・まさか、自分が好きだとはいえ、友達との談議の果てに書く羽目になるとは

思わなかった今日この頃です、ええ(;^ω^)

間違いなく初心者向けの台本ではないですね、ええ(;´Д`)

多分、台本的には蛇足となる部分が多いと思います。別にそこいらなくね?と思う

場面も多いと思います。しかし、個人的には諸葛亮の空城の計と、趙雲の撤退戦は

必ず入れたいと思っていたのであえて書きました。原作ご存知の方は知っていると

思いますが、趙雲はこの戦いを最後に病に倒れ、帰らぬ人となってしまうのです。

なので、彼の最後の花道のつもりで書きました。(作者は趙雲、カク昭推しです、ええ。)

もしツイキャスやスカイプ、ディスコードで上演の際は良ければ声をかけていた

だければ聞きに参ります。録画は残していただければ幸いです。

ではでは!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ