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すごい人だったみたいです


ちょっと遅くなりました。



ユルシテオニイサン





 「う……ん……?」




 目が覚める。

 木製の天井が見える。

 ここは天国か?

 ベットから起き上がる。


 「リュート(・・・・)さん!!!」




 「へ?」




 突然の女の人の声で目が覚める。


 その女の人はすごい剣幕でまくし立てる。




 「私のことは覚えてますか!?体は痛みませんか!?」


 「え……あの……えっと……」


 「あぁ……よかった……なんとか無事そうですね……〘星砕〙さんに感謝です」




 なんか勝手に安心してしまった……。

 最後の方は聞き取りづらかったから何言ってるのかわからなかった。


 でもこの人ははじめて見るはず…………



 いや違うな。この体が覚えている。



 この人はニコラさん。ここ、バウラの街の冒険者組合で受付をしているお姉さんだ。


 ボブヘアーの金髪美人お姉さんとして結構有名だ。


 僕もここに来てからすごいお世話になってる………





 「はぁ……森に異変があるって他の冒険者さんが帰ってきた途端飛び出して行っちゃって……心配だったんですからね?」




 ニコラさんが怒りながら僕に注意する。



 思い出した。僕は今日朝起きていつものように朝練をした後道具屋に行ったら、最近入った冒険者達4人組が森に行くって話してたのを聞いたんだ。

 それで森に異変があるって言われて何かあったら大変だって体が勝手に動き出して……見つけたと思ったらバブーン鳥に後ろからドスと……



 「…………」



 待ってくれ、じゃあさっきの女の子たちは僕が死んだはずなのに立ち上がってバブーン鳥を殺した所を見ちゃったってこと………?




 「……やばいじゃん」


 「?聞いてますか?リュートさん?」


 「あっ……すみません!聞いてます!」


 「もう!本来はリュートさんみたいなソロの鉄等級の冒険者さんは、バールベルグの森に入ってはいけないんですからね?」



 「…………」



 おや?



 「わかりましたか!?」



 「っ……はい!!」


 「もう……本当にわかってくれてますか?たしかにリュートさんは長年ここの冒険者として色々なことに貢献して下さってますけど……戦闘力はからっきしなので実力を見極めてクエストを受けてください」




 「……えっと………はい」


 「はい。それではもう少しだけ休んでください。もう少ししたら私は休憩なのでお茶をお持ちしますね」




 とニコラさんは笑顔でこの部屋をあとにする。




 「………」




 あれ?僕って実はすごい弱かったりする?




 コンコン




 「あっ…どうぞ」


 「失礼する」




 低いがよく通る声、それと共に金色の鎧兜を身にまとった男が入ってくる。


 観察眼で見てみようにも観察眼が機能しない……なんだこれ。





 「……お前がリュート……リュート・ハルブラッドか」


 「えっ……あっ……そうです」




 誰だこの人怖すぎるだろ……何かしたかな?


 記憶にないぞ……ていうかこの人と会ったこともないぞ!?




 「………」


 「えっと……どうかされましたか?」


 「私のことが分からないと……」


 「はぁ……失礼ながら……」


 「………」




 その人は大きく息を吐いて




 「ゴラァ!!駄女神(エリュクリア)!!てめぇどういうことだ!!降りてこい!!!」


 と急に大声で叫んだ


 「ひっ…えっ!?何何何!?!?」




 するとエリュクリアさんが降りてくる。

 もちろん肉体なんてないから精神体で……










 土下座しながら


 『…………』



 微動だにしないよこの人



 「……おい……」


 『ひっ……』


 「おいエリュクリア……お前に問いたいことがいくつかある」


 『……なんなりと』




 泣きそうだよこの神様……この人なんなのさ……




 「ひとつ……〘俺〙はお前にこいつの世話を頼まれたから転移先に行ったら既にこいつは死にそうだった。どういうことか。

 ふたつ……こいつは〘俺〙のことを何一つ知らないみたいだ。どういうことか。

 みっつ……お前は何故今土下座させられているか分かっているのか。以上、簡潔に的確に答えろ」




 エリュクリアさんがおずおずと喋り出す。








 『……新しい神様の素質を持つ人を見つけて私の仕事が楽になると……後先考えずに引っ張って来たのはいいものの……まともな転移先が無くて……ちょうど良く魂がなくなった体があったからそこに入れこみました……そしたら何故か傷が治ってなくて……こんなことに……』


 「「………」」




 こ……この駄女神………





 「まぁいい。お前は確かに多忙でこの世界の管理に全く手が回っていないのは知ってた。最近魔物の数が増えてるのは多分そういうことだと認識している」


 あ、忙しいのかこの神様……



 『じゃ…じゃあ』



 「だが。お前の後先考えない行動を毎回毎回尻拭いしてるのは誰だと思ってんだアホンダラァ!!!」



 『ひいいいいいい!!!!〘星砕〙さんです!バーミュラーさんです!!ロルト・バーミュラーさんですうぅぅ!!!大変申し訳ございませんでしたあああああ!!!!』




 「わかってるならなんでお前はもうちょっと行動する前に考えねぇんだこの駄女神!!!!〘俺〙の仕事増やすなクソ野郎!!!」



 『ひえええええ!!お許しをおおおおおお!!!』




 このいっつも神様の尻拭いしてる(らしい)人はロルト・バーミュラーさんって言うらしい。

 〘星砕〙ってのは……あれ?なんでか知ってるけど何だ?単語だけ覚えてる感じ……



 「次ィ!!」


 『はっはい!!!〘星砕〙さん達が言ってた極秘事項に則って何も言いませんでした!!!(キリッ』


 「そこは(こいつ)には伝えなきゃいけないだろうが何やってんだお前!!!」


 『うわああああそうだったああああ!!!!』




 馬鹿正直っていうかなんていうか……

 エリュクリアさんは実は可愛いのでは?

 むしろこれが素なのか……



 『許して…許して……』


 「あ…あの……」


 「…ん?」


 「ひっ……この人もう反省してるみたいですし……」


 『カイリさん………』










 「お前こいつがこんなこと初めて1000年目でも同じこと言えるか」


 「あっ…………」


 『カイリさん待って!そんな哀れみの目向けないで!!助けて!!!このままだと私色々捥げる!!!!』


 「……お疲れ様でした」


 『うわあああああ……』







 怒涛の説教が始まった……

















 『……ひぐっ……ううっ……ぐすん』



 「うわぁ………」




 神様を泣かせたよこの人すげぇな。


 「おい」


 『ひっ…』


 「まだ最後の答えを聞いてないんだが……?」





 『うぅ……不甲斐ない私が勝手に物事を進めたせいで色んな人に迷惑がかかっています。申し訳ございませんでした。』


 「…………」




 う……怖………バーミュラーさんやばすぎるでしょ……

 神様ってこんな土下座する人達だっけ?



 「…もういい。これ以上怒っても無駄だ」


 『じゃ…じゃあ!!』


 「だけどお前の口から説明しろ。〘俺〙から言われても訳わかんないだろ」


 『はい!誠心誠意対応します!!』




 「……調子の良い奴め」



 何だかんだ仲が良いみたいだ。



 『カイリさん……本当にすみませんでした』


 「あっ…いえいえ別に良いですよ……ちょっと面白かったですし」


 『あっカイリさんまで!!!』



 「まぁまぁ…続けてくださいよ……怒られますよ?」



 『うっ…コホン……では説明しますね。まずなんでカイリさんが怪我をしていたのか……思い出してますか』


 「うん…なんとなく」

 ちょこちょこ素が出てくるなこの人。


 『本来であれば転移と共に傷は治っているものなのですが…何故か私の力が働きませんでした』



 「え?どういうことですか?」



 『言葉の通りです。今全力で調べているところですが判明しておらず……〘星砕〙さんに一時的に助けてもらうことになりました』


 「んで……その〘星砕〙って人は?」


 『それは……』




 「それは〘俺〙が説明しよう」



 バーミュラーさんが話に入ってくる。


 「さっきは急に怒鳴って悪かった」


 「あっ…いえいえ大丈夫です……」


 「〘俺〙の名前はロルト・バーミュラー……冒険者金等級〘星砕〙って呼ばれてる。ついでに……」


 バーミュラーさんが兜を取る。


 右目に大きな傷……褐色の肌……20代後半だろうか……銀色の美しい髪……右側は刈り上げているみたいだ。


 何よりタレ目と白いたらこ唇が目を引く……

 言ってはいけないだろうが一般から見てブサイクと言う部類だろう……



 そんなバーミュラーさんは少し笑いながら














 「お前たち神を殺す力を持つ三人のうちの一人だ」



 ごめんなさい嘘ですすっごいかっこいいから助けて下さい。





???『ふっふっふ。〘星砕〙さんは凄いんですよ!!……え?なんで居るのかって?………うーん…………そういう気分だからです』

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