プロローグ
お初にお目にかかります。とろろいもです。
気に入っていただけたなら幸いです。
拙い文章ですが読んでいってください。
僕は転移者だ。
なにを言ってるか分からないと思うけど僕もわからない。
僕、山本海琉( ヤマモトカイリ )は普通の16歳の学生だったんだ。
普通に学校に行ってて、普通に気の合う友達もいて、普通に運動も出来て、普通に勉強も出来た。
彼女は居なかったけど別に苦じゃなかった。
いや、作らなかったが正しいかな。
僕は周りからイケメンと言われていた。
普通のサラリーマンの父、専業主婦の母。
そんな2人から生まれた普通の僕は、顔だけは普通じゃなかった。
気がつけば周りに女の子の視線を感じた。
気がつけば女の子が僕のことで喧嘩していた。
気がつけばファンクラブが出来ていた。
気がつけば毎週告白されていた。
そんな毎日も面白かった。
目が覚めると普通じゃなかった。
白く、広い、広い……
とてつもなく広い終わりの見えない空間。
どこからか光が溢れ、暖かな空気が流れ、地面は波打つ。
空間自体が生きているかのような……
言葉では表せない方な神秘的な空間だった。
「……なんだここ」
『神界です』
「ふーん……」
………。
「は?」
『おはようございます。ヤマモトカイリ』
「うおおおおおおおおおお!?!?!?」
急に後ろから聞こえた声に驚き、自分でもありえないスピードで後退りをした。
これなら後退りの世界チャンピオンになれるかも
「誰だおm…」
その声の主は綺麗な女の人だった。
淡い金色の腰まで伸びた髪、スレンダーだが出るところはしっかり出てる身体。とうてい人間とは思えない身体の作りとその顔に、僕は目を奪われた。
『私はこの世界の神です。あなたは私の治めるこの世界に転移することが決定されました』
「え?」
何言ってるんだこの人……頭おかしいんじゃないのか…?
『私は至って正常です』
……神様ってのは本当らしい。
『信じてくれてなかったのですか?……まぁいきなりこんなよく分からないところに来て、転移しました(事後)なんて言われても困りますよね』
「そうですよ……。えぇ……もう元の世界に戻れないって事ですか?」
『いえ、仕事を終わらせて頂ければ戻しますよ。安心してください』
良かった。そこまで鬼畜じゃないらしい。個人的にも異世界転移系にはラノベとかで興味があったからちょっとだけワクワクしている。
「それってどれくらいの期間ですか?」
『ざっと見積もって3000年くらいですね』
ん?ん?ん?ん?ん?
ケタが3つほど多い気がするぞ…?
『いえ、正常です』
へぇ……正常かぁ……
「ってアホかああああああ!!!!3000年!!?さん!ぜん!!ねん!!!?頭悪いのかこの世界の神様はよぉ!!!!まずそんな寿命が人間にある訳ねぇだろうがぁああ!!!」
『まず、私はあなたを〘人間のまま転移させる〙と一言も言っておりません』
「……え?」
『あなたは私の対になる神様として転移してもらいます』
「………は?」
『あなたは私の世界で神様として生活して頂きます』
「どういうこっちゃ……」
聞いてみればこの神様、この世界の維持に力を使いすぎて、他のことはここの人類に統治させてたらしい。すると人類たちはなんとも沢山の問題を抱え初め、自分ひとりじゃどうしようも出来なくなったらしい。
「…んで……僕を転移させてどうにかしようと……?」
『あなたにはこの世界を見て回って欲しいのです』
「…え?人間たちを救うとかじゃなくて?」
『はい。人間達を救うのは〘勇者〙のするべきこと。あなたのするべきことではありません』
「じゃ…じゃあ僕を〘勇者〙にすればいいんじゃない?」
『いいえ。あなたには〘勇者〙の素質がありませんでした』
「あ……そう……」
そんなキッパリ言われるとちょっと傷つく…
『ですが、あなたには神の素質があった』
「…ふむ」
『ここで見逃すには惜しいので……善は急げと』
「はぁ……」
見切り発車もいい所だろ……
「まぁいいや。んで僕は世界を見て回ってればいいだけなの?」
『はい。基本的になにして頂いても構いません』
「ふーん」
なんかスローライフ系みたいだな。
『なにしてもいいとは言いましたが、とある三人には手を出さないで下さい』
「何かあるのか?」
『この世界の生物は基本的に力が足りてないと私たちを攻撃出来ません。』
「それで?」
『その三人は私たちに手を出すどころか殺せます。』
スローライフなんてもんじゃなかった。
ゴッ〇イーターじゃん。