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打ち切りの責任は、全て作者に帰すべきだと思います。

 書籍化された作品が打ち切りになって、何故かweb版も打ち切りみたいな終わり方をして、続きが読めなくなる。よく聞く話です。私も好きな作品で同じようなことを体験したことがあります。

 何故、打ち切りになったのでしょうか。それはもちろん、書籍が売れなかったからでしょう。では、その責任は誰が負うべきでしょうか。


――例えどんな理由があろうとも、打ち切りになった責任は作者が負うべきだと、私は思います。


  ◇


 絵師ガチャと言う言葉があります。書籍化された時に、web版の読者が思い描く世界観とイラストが異なっていた場合に使われる、そんな言葉でしょうか。

 書籍化された時に、二十歳前後のヒロインが追加される場合があります。このとき、書籍化されたレーベルと紐付けて批判されることがあります。「ヒロインが追加されたのは〇〇だから、だけどそれではこの作品の良さが……」みたいな感じでしょうか。この論調は、暗に編集を批判しているのだと思います。


 ですが、作品に使われるイラストが、作者とは無関係に決められるなんてことがあるのでしょうか。編集が作者に無断で、勝手にヒロインを追加するなんてことがあるのでしょうか。――そんなことはありえない、イラストもヒロイン追加も、作者が承知した上で行われたことだと、私は考えています。


――つまり、これらの発言は、売れない理由を作者から絵師や編集に「責任転嫁」した、そんな発言だと感じます。


  ◇


 今まで、「絵師が……」なんて言われた作品の表紙絵を見てきましたが、どれも見事なプロの仕事でした。第一、書店を歩いてて、批判されるような出来の表紙絵なんて、見たことがありません。むしろ、表現力を批判されるのは作家の方が多いかなと。

 作品が書籍化されたとき、その作品の著者として名前が載るのは、作者の名前です。著者として一冊の本を出版した以上、どんな理由があろうとも、書籍の内容は著者が責任を負うべきです。作者の名前で本を出すと言うのはそういうことではないでしょうか。


  ◇


 書店で面白そうだと感じて、手にとって読んでみて、気に入ったから著者のツイッターを覗いてみて、フォローをする。

 そこからなろうに誘導されて、書籍版が貶されていることを知ったら、その書籍を購入した読者はどう思うのでしょうか。もしくは、リンクを辿って他のなろう作者をフォローしていって、どこかで書籍化の批判を目にしたら、web小説よりも書籍が好きな読者はどう思うでしょう。


――いい気はしないだろう、そうは思いませんか。


  ◇


 好きな作品の感想欄や活動報告のコメントが悪口で満ちあふれていると、とても残念な気持ちになります。

 書籍化された作品のことを、web版と比較して色々と言う。それも、web版のファンとしては楽しいのでしょう。ですがそれは、書籍化された作品のファンから見ると悪口になってしまうこともあると思います。


 なろう作家であれば、自分の作品を好意的に見てもらった上で盛り上がっている。もしかしたらありがたさも感じるのかもしれません。ですが、書籍化作家さんはそれではいけないと思います。

 どんな形であれ、「自分の名前で出した」商品です。売れなかった責任、表紙を含めた物語の完成度や元となったweb版との違い、そういった批判の種になりうるような様々なことへの責任は、全て作者が負うべきです。


――それらの批判は全て、「自分の名前で出版した」作品への批判として、自身が執筆した小説への批判と同じように扱うべきだと思います。


  ◇


 売り上げが伸びずに打ち切られた、だからweb版も打ち切りみたいな形で終わる。きっとこの行為にも、「打ち切られたからしょうがないね」と同情する声もあがると思います。ですが、そんな声には耳を貸さない方がいいのではないでしょうか。

 その同情を受け入れても、作者の信用は回復するとは思えません。むしろ、さらに信用を毀損することになると思います。書籍を購入した人は、そんな同情をしてくれないと思いますし、何より、お金を払わせたのですから、そんな同情をさせた時点で、「商売としては」最低最悪です。

 どんな状況でも、お客さんに対して何が出来るかを考える。それがお金を取る上での最低限の誠意だと思います。「売れなかったから」「自分のせいじゃない」それは言ってはいけない類のことだと思います。そして、たとえ相手が自分のファンでも、一冊の本を出版した責任者として、自分の作品に対する責任を他者に転嫁するような発言は、認めてはいけないと思います。


 そして何より、偉そうなことを言いながら一つの「書籍作品」を批判する人はね、その発言こそが売り上げを下げる要因になることを意識した方が良いと思います。


――なろう作家なら、そんな人も立派なファンかもしれません。ですが、書籍化作家に必要なのは、「そんなファンは必要ない」という、その一言を言う勇気なのかなと、そんな風に思います。

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