ツイッターって宣伝媒体だよね?(1) ――なろう作家さん、外からの批判に過剰反応しすぎでは?
ツイッターでweb小説を宣伝する、よく見かける光景です。なろうの中だとね、どうしてもなろうユーザーにしか見てもらえませんからね。一般の人にも見てもらえるよう、ツイッターとかを利用して、外部の人に呼びかけるのも良いと思います。
……と、言いたいところですが。
ツイッターをやってる皆さん、明らかに「なろうユーザー向けに」情報を発信してますよね。それってどうなんでしょうか。……え?、私? もちろんなろうユーザー向けに発信してますよ。だって、なろうユーザー相手に発信しないと、感想もポイントももらえないじゃないですか。
ええ、そうですね。自分もやっています。だからと言う訳ではないのですが、「書籍化していなければ」それで良いと思います。
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例えば、ツイッターで「なろう作家は不正ばかりしている」という声が上がる。知ったような顔をして「ランキング上位者はみんな、読みもしない作品に相互にポイントを入れあってる」なんて言う人もいるでしょう。そんな言葉を聞けば、一言くらい文句を言いたくなる気持ちもわかります。
ですが、その文句に「ひがみ」だとか「嫉妬」だとか、そんな単語が出てくるのはおかしいと思います。
不特定多数が声を揃えて言っているであろう発言に対し、その理由を発言者の人格のせいにして拡散する、これほど馬鹿げた行為はありません。
言い返したいのなら、発言の内容にだけ言及すれば良いのです。そこに、相手の人格を貶める言葉を混ぜ込む必要はありません。そんなことをすると、その言葉から説得力が失われます。
意見を述べることと貶すことは違います。誰かを貶せば、共感できない人を不快な気分にさせることになります。作家を名乗るのなら、自分の言葉が、誰の共感を得て、誰を不快にさせるのか、もう少し意識した方が良いと思います。
――書籍を買う人はね、なろうの外にもいます。いえ、むしろ「なろうの外に」いるのですから。
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わざわざなろうに来て、なろう作家は不正しているとか言う人には、好きなだけ反論すれば良いと思います。また、外部サイトでも、相手側から直接議論を吹っかけられたのなら、同じように反論すれば良いでしょう。
ですが、外部のサイトには、なろうのことを知ってるけど見に来るつもりはない、そんな人たちも当然のように多数います。それは、別に悪いことではありません。むしろ、なろうや他の投稿サイトがそれだけ有名になった証のようなものです。
なろうとは関係のないところでなろうの批判をしても、別に構わないのではないですか。なのに、それをわざわざ拾い上げて、人格を貶めるような言葉を付け加えて反論する。……それ、もはや反論とは言いませんよね。なぜそんな「喧嘩を売る」ような行為をするのでしょう?
何よりも、なろうと無関係の人が、なろうに対して負のイメージを持って発言をする。なぜそんな発言が絶えないのか、その意味をもう少し考えた方が良いと、本気で思います。
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私の知る限り、書籍化作家、書籍化されてないけどそれなりに有名な作家、全く無名な作家、全ての層に、悪評が立ってもおかしくないような人はいると思います。
表現力で槍玉に上がった書籍化作家さんもいましたし、行き過ぎた宣伝行為をする人もいました。そうですね、人様に喧嘩を売るようなエッセイを書く人もいますし、不正行為をして、誰に騒がれることも無いまま運営に対処される人もいます。奇行に走る人は、どの層にもいるのです。
だから当然、「なろう」というくくりの貶し言葉だって生まれます。そういう意味では、あらゆる層の人が、よくわからない外部の批判を浴びながら活動していることになると思います。
――本当に、ここでしか通用しないようなクソみたいなエッセイを書いて悦に入っているような奴は人気が出なくて当たり前とかね、大きなお世話ですよね、全く。
それでもね、それをいちいち「こんな発言を見たんだけど、そんな発言をする奴はおかしい」だなんて、発言者をぼかしながら人格を攻撃するようなことは、普通はしません。
例えば私は元プログラマですが、プログラマに関する罵詈雑言を見かけたところで、わざわざその人の人格を攻撃したりはしません。それが当たり前だと思います。
そんな、普通はやらない人格攻撃を、web小説家は容易く行う、そんなイメージがあります。「相手が誰なのかをぼかせば、人格を攻撃していい」、そんなバイアスが、web小説家にはかかっている気がするのです。
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ちなみに、あくまで私の個人的な考え方ですが。同じような罵詈雑言を「なろう作家」が言った場合、対応は一転します。ええ、売られた喧嘩は買うのが礼儀ですよね。
――もっとも「撃ってくるのは撃たれる覚悟のない奴だ」なんて言葉もありますし。なかなか喧嘩にならないのは残念に思うところです。
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ツイッターを始めとした外部サイトは、なろうユーザー以外の人も見ています。そして、なろうユーザー以外の人に自分の作品を宣伝するために、外部サイトを利用しているのでは無いでしょうか。
そんな外部への宣伝のための場所で、何故根拠のない人格攻撃なんてするのでしょう。それを見た第三者が喜ぶと思っているのでしょうか? そんな訳はありません。軽率な人格攻撃は、第三者を不快にさせます。
――どうしてもそういった発言をしたいのであれば、せめて閲覧者を限定した上で発言すればいいのになあ、なんて思います。