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ジョンとアシュリー

作者: 遥風 覇鵺渡

 「ジョーンっ!」



「なんだぁっ?! アシュリー」



二人は真剣な眼差しを互いに向けている。


ダークブラウンの髪に黒い瞳のジョン、ブロンドで青い瞳のアシュリー……。


若い二人の間には、緊迫した空気が流れている。


「ねぇっ! あたしの事、好きって言ったわよね?!」



アシュリーのその言葉に、ジョンは苦しげに顔を歪める。



「あぁっ、言ったとも……」



「じゃぁっ、絶対にあたしを捨てないわよね!?」




アシュリーのヒステリックな叫び声に、ジョンは冷や汗をかきながら……力なくうつむく。



「ジョッ……ジョン!」



アシュリーは、血の気の引いた顔でジョンを睨み付ける。



「アシュリー……僕は、もう……たえられない」



ジョンは、ぶるぶる震えながら……目を固くつむる。



「そっそんなぁ! ずっと一緒だって言ったじゃない!?」



アシュリーは涙をこぼしながら、ジョンに訴える。

だがジョンは、何かを諦めるような冷たい瞳で、アシュリーを見るだけだ。




「あなたが捨てたらっ、あたしは死ぬわよ!」





「そんなのわかってる! 頼むから静かにしてくれっ」



ジョンは、アシュリーの手をしっかり握りながら、谷底を見やった。

日中であるにも関わらず、谷の底は真っ暗で見えない。


そうしている間に、アシュリーの靴は、静かに闇へと落ちていった。


ジョンは汗で滑りそうなアシュリーの手をキツく握りしめる……。


もうすぐ、握力の限界だ。

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― 新着の感想 ―
[一言] 笑いよりも、成る程なぁと感心してしまいました。 上手いなあ。 捨てたら死ぬは脅しでもって避けられぬ事実だったのね。
[一言] 良いねぇ。オチが最高なのだよ。
[一言] またしても先が読めなかった。。。 ちょっちコケたw
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