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女子中高校生が部活で迷宮に入るだけ。 東京迷宮_2015~  作者: (=`ω´=)
〔二千十五年度、智香子、中等部一年生編〕
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五つのスキル

 そんな形で智香子たち一年生たちは、上級生のパーティに入れて貰いながら六月を過ごした。

 外では鬱陶しい雨が連日続く梅雨の時期であったが、迷宮内の環境は一年を通して変わらない。

 そしてその六月の間に、智香子は新たに〈フラグ〉と〈察知〉という二つのスキルを習得している。

 またもや、戦闘にはまったく関係がないスキルであった。

「なんで……」

 と落ち込む智香子とは対照的に、先輩方は、

「最初からこれだけ綺麗に必須の補助系スキルが出揃うのも珍しい」

 と驚いている。

 智香子がそれ以前に習得していた〈鑑定〉、〈フクロ〉、〈ヒール〉と、最近になって習得した〈フラグ〉、〈察知〉。

 この五つのスキルは、どれもパーティに最低一人は生やしている者が存在しないとまともに迷宮内で活動することができない。

 そういわれるほどの、必須スキルでもある。

 この五つのスキルだけを最初の段階で生やす者は、かえって珍しい。

 と、いうことだった。

「これだけ便利な、使いでのあるスキルが揃っていれば、明日からでも専業のパーティに入れて貰えるぞ」

 的な内容を異音同義に先輩方からいわれたのだが、智香子としてはまったく嬉しくはなかった。

 それはつまり、これらのスキルが他人にとって便利だということで、スキルの持ち主である智香子自身への直接の恩恵はあまりない、ということでも、ある。

「そうはいっても、そういうスキルがパーティに必要なのは事実だからなあ」

 と、先輩方は口を揃えていう。

 その五つのスキルを、パーティ内の誰も持っていないとしたら、そのパーティは、機能不全を起こして満足に働くことができない、と。

 その事実については智香子自身も理解はしていたのだが……なにも初っぱなに、いきなりそのすべてが揃う必要はないんじゃないかな?




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