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女子中高校生が部活で迷宮に入るだけ。 東京迷宮_2015~  作者: (=`ω´=)
〔二千十五年度、智香子、中等部一年生編〕
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新しいスキル

 びびびっとやって〈杖〉直接殴って、というのをさんざん繰り返して、今回もどうにかバッタを絶滅させた。

 これまでのようにひどく疲れはしたが、「戦った」という実感はない。

 バッタは、大きくて数は多いが、人間を攻撃するには少し非力だった。

 さんざんぶつかって来たとしても、鬱陶しいとは思うものの、痛いとは感じない。

 これは智香子たちがこれまでの累積効果に強化されているせいでそう思うわけではなく、最初からそうだった。

 その数を考慮しなければ、ここの巨大バッタたちは人間の脅威にはならない存在でしかないのだ。

 バッタが体当たりをして来ても、運が悪くて軽い内出血ができる程度であり、ヘルメットとフェイスガートで頭部を保護している限り、安全は確保されている。

 そんなバッタたちを他の新入生たちとまたもや全滅させた智香子は、いっしょにバッタの相手をしていた新入生から、

「なんか、新しいスキルが生えてるみたいよ」

 と声をかけられて、自分のスキルが増えていることに気づいた。

 慌てて自分の腕を凝視して〈鑑定〉のスキルを使うと、確かに、新しく〈ヒール〉のスキルが増えている。

 そのことに気づいた智香子は、

「おお!」

 と小さな声をあげた。

 そしてその直後に、

「また、戦闘には直接関係がないスキルか」

 などと、小さく落胆もする。


 スキルの習得時には、別にどこからかファンファーレが聞こえてくるとかの演出が用意されているわけではないので、こうして〈鑑定〉持ちの第三者に指摘されないと気がつかないことが多い。

 周囲に〈鑑定〉持ちがいない探索者が、しばらく新しいスキルを習得していたことに気づかなかったことも、別に珍しくはないそうだ。


 しかし、〈ヒール〉か。

 と、智香子は思う。

 必要不可欠な、それこそ、パーティに一人は〈ヒール〉持ちがいないと困るようなスキルではあるのだが。

 ……なんかどんどん、サポートキャラへの道を邁進しているな。




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