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女子中高校生が部活で迷宮に入るだけ。 東京迷宮_2015~  作者: (=`ω´=)
〔二千十六年度、智香子、中等部二年生編〕

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284/358

フォーメーション

 柳瀬さんはカエル型を相手にする時、基本的には武器を使わずに自分の手足で対処していた。

 累積効果もあり、自分の四肢だけでも十分な破壊力を出すことができたらしい。

 また、まだ扱い慣れていない武器を振り回すよりは、これまでにやり慣れている方法で対処する方が、本人的にはなにかとやりやすいようだった。

 ただ、智香子にいわせると、保護服やグルーブ、ブーツ越しに直接カエル型を叩き潰すということで、その感触などは、

「あまり想像したくないかな」

 ということになる。

 無手で身軽である分、カエル型を相手にする時の柳瀬さんは六人の中で一番効率よく狩りを行っているように見えた。

 攻撃を行う回転率が、他の五人とはまるで違うのだ。

 その柳瀬さんに次いで「攻撃の回転率」がいいのは、黎になる。

 ただ、両手剣を使う黎は、カエル型を相手にする時だけは少し効率が悪くなった。

 適度に弾力があり、表面がぬめって滑りやすいカエル型の表皮と刃物とは、相性が最悪なのである。

 刃物で切り裂く、というより、勢いで押し潰す。

 あるいは、刺す。

 といった攻撃方法の方が、まだしも効果があった。

 その代わり、そうした制約がない直立ネコ型を相手にする時の黎は、少なくとも松濤女子組六人の中では誰よりも素早くエネミーを切り裂き、倒す。

 カエル型を相手にする時も、若干もたつくこともあったが、黎自身の基本スタイルがフットワークを駆使した上で素早く回転の速い攻撃を両手で繰り出すものだったので、全体的に見るとそこまで効率が悪くなるわけではない。

 実際、カエル型を相手にする時でさえ、メイスや〈ブラックコックジャック〉を武器として使用する佐治さんや香椎さんよりも、両手剣で戦う黎の方が遙かに素早くエネミーを片付けている。

 武器や攻撃法による相性、というのは確実に存在した。

 そうした得手不得手は確実に存在するのだが、それとても探索者個々の能力さえしっかりしていれば、いくらでも埋め合わせが効くのだな。

 と、智香子はそんな風に思う。

 打撃武器を使用する佐治さんと香椎さんは、黎ほどエネミーの種類による得手不得手は存在しないように見えた。

 基本、

「物理で殴る」

 わけであり、こうした原始的な方法では、「攻撃が効きにくい相手:という差異はかえってできにくい。

 ただ、メイスにせよ〈ブラックコックジャック〉にせよ、黎が持つ剣よりは重量があり、振り回すのにも時間がかかる。

 一度叩きつけた後、再度体制を整えるまでに若干の時間を、どうしても必要とする。

 全体としてみると、モーションが大ぶりになり、それだけ、攻撃前後の隙も大きくなる傾向にあった。

 その意味で、一度に大量に出てくるカエル型や、単体の動きが素早い直立ネコ型を相手にするのには、少し不利な武器であるともいえる。

 ただ、こうした不利な要素も、仲間うちでフォーメーションを組み、お互いの隙ができ易いタイミングに他の者がその隙をカバーする、という形で克服することが可能だった。

 黎と柳瀬さんが最前線のアタッカーで、その後に佐治さんと香椎さんが続く。

 最前線のアタッカーふたりが間引きした残りを、第二のアタッカーである佐治さんと香椎さんとが引き受けて一掃する。

 そういう流れが、自然とできていた。

 いや。

 正直にいえば、その第一のアタッカーである黎と柳瀬さんにしても、実態としては〈スローター〉氏が大幅に数を減らしたエネミーを相手にしているわけであるが。


〈スローター〉氏の〈威圧〉スキルは、そんなに長い時間効果が持続しないのが難点ではあったが、それでも十分に強力なスキルに思えた。

 少なくとも、カエル型や直立ネコ型を相手にする時は、とても有効なスキルだと断言できる。

 せいぜい数十分から数分であっても、エネミーの動きをほぼ完全に止める効果は、少人数で大量のエネミーを相手にする際にはとても役に立つ。

 この〈威圧〉スキルがなかったら、智香子たちは今までの何倍も苦労をしてエネミーの相手をするめになったはずだ。

 あるいは、とうの昔に疲弊して、ほとんど身動きが取れなくなることも十分に考えられた。

〈威圧〉スキルは、直接的な攻撃力に結びつかない、という観点から見れば、補助的なスキルに分類されるわけだが、その補助スキルでさえ、使い方によっては十分な効果を発揮する。

 ということを、改めて智香子は認識させられた。



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