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女子中高校生が部活で迷宮に入るだけ。 東京迷宮_2015~  作者: (=`ω´=)
〔二千十五年度、智香子、中等部一年生編〕

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資料の整備

 面倒といえば面倒だったが、発見者は佐治さんだったし、佐治さんがあの円盤の性質を見つけた時に智香子たちも同席していた。

 さらにいえば、智香子たちはこの時点で、委員会の中では決まった役割を持たない遊撃隊的な性質を持つ人員として認識されてもいる。

 外部企業との交渉などとは違い、延々と継続する種類の仕事でもなく、一度最後まで終わらせてしまえばそれっきりの、単発の仕事であった。

 智香子たち四人組はしばらく、毎日放課後に集まって、円盤関係の書類を準備した。

 テキストと簡単なイラスト、それに動画で、円盤の基本的な性質と取り扱い上の注意点、具体的な使用方法などを説明していく。

 動画は、校内の空いている時間帯を狙って円盤を飛ばしているシーンを三種類かスマホで撮影し、その映像を編集する。

 この作業は智香子と黎が担当した。

 動画を撮影するといっても探索者用の装備を身につけ、つまりヘルメットもしっかり被って顔もほとんど確認できない状態だったので、特に抵抗はなかった。

 智香子と黎が動画の撮影と編集などをしている間、佐治さんが説明用のテキストを、香椎さんがイラストをそれぞれに用意してくれる。

 佐治さんはともかく、香椎さんがかなりすらすらと、手慣れた様子でそれっぽいイラストを描いて見せたので、智香子たちは驚いた。

 しかも、微妙に巧い。

 どことなくマンガチックな絵柄だったが、人体がしっかり描けていて、動作やバランスに誤魔化しがないように見えた。

 しかも、手が早い。

 これ、かなり手慣れた人の絵柄ではないのか。

 などと、智香子は思う。

「意外な才能」

 智香子が内心で思っていたことを、佐治さんは実際に口に出した。

「別にいいでしょ」

 香椎さんは、素っ気ない口調で応じる。

「慣れているだけよ」

「慣れている」

 黎が追求する。

「つまり、そういう趣味があったっていうこと?」

「だから、どうでもいいでしょ」

 香椎さんはあくまで言葉を濁した。

「わたしの絵がうまい理由なんて、別に委員会の仕事に関係ないし」

 どうやら香椎さんとしては、この話題に深く触れて欲しくないようだった。

「こちらとしては、協力してくれるだけでありがたいけど」

 智香子は、そういってこの話題を打ち切ろうとする。

「この絵も、かなりわかりやすいし」

 写真や動画を使うよりも、イラストで提示した方がわかりやすい情報というものはあるわけで。

 身内に絵が描ける人間がいることは、実際、かなりありがたかった。


 円盤に関する資料を作った後、例によって委員会の先輩方と顧問の先生にチェックをして貰う。

 いくつか、説明を補足するべき箇所を指摘されて他は特に問題もなく、智香子たちが作った資料はそのまま採用されて学校が管理するサーバ上にアップロードされた。

 一応、探索部用のサーバスペースにアップした形だが、実際にはネットにさえ接続できればどこからでもアクセスできる形で公開されたことになる。

 特に、探索者関係の人間は、こうした情報にも敏感だから、この資料にもかなりアクセスしてくるのではないかと、橋本先輩などは予想していた。

 実際、その資料がアップされるのと同時に、学校のサーバへのアクセス数も一時的に増えたそうだ。

 今、現役の探索者として活動している人がどれほど存在するのか、智香子は把握していなかったが、一日に十万以上のアクセスが集まる程度には、智香子たちが整備した円盤関係のデータも注目を集めていたようだ。



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