楽しい?
今夜の電話は
やけに楽しそう
欲しがってたCDをあげたから?
「カエラの歌は元気がでるな」
そういいながら
残念そうに音を消した
『電話切るから聴いてていいよ』
「さすがにそれは出来ないな」
『私は宇多田ヒカルを買ったよ』
「あっ、貸してくれ!その代わりカエラちゃんを貸してあげるから」
『それ、私が買ってあげたんでしょう』
「そうだよ。お陰で通勤時間が楽しくなった!」
『ねえ、人生楽しい?』
「まあね」
『ふーん』
「君は楽しくないの?」
『あんまり…』
「失礼なヤツだな」
『何で?』
「一緒の時間を分かち合ってる人に向かって、あんまり…はないだろ?」
『私達って時間を分かち合ってるの?』
「違うのか?」
『…違わない』
「じゃー、もう一回。君は人生楽しい?」
『まあね』
「うん、それでいい!」
『えらそー。CDも買えないくせに!』
「俺には財布が二つあるんだ」
『これは私の財布だよ』
「半分は俺のだ」
『いつから?』
「俺の心を君に半分盗られてから」
『残りの半分は?』
「遠い過去に置いてきた」
ねえ、気付いてる?
今、結構残酷なこと言ったよ?
やっぱり気付いてないんだね?
だから、電話の向こうで笑ってるのね?
しかも、少し照れながら…
そんな風にお気楽だから、なーんにも言えなくなっちゃうんだよ。
言いたいことがたくさんあるのに…
どうしても伝えたいことが
一つだけあるのに…
ねぇ、貴方は淋しくないの?