表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
碧い月へ  作者: フレーズ
15/36

いつか…

今じゃなくていいからさ…


いつか二人で旅行に行きたいな


貴方の運転する車の助手席に乗って


大好きな横顔を時々眺めながら


誰も知らない土地に行って


見たことのない景色を見て


風情のある旅館か


綺麗なホテルに泊まって


美味しいものをいっぱい食べて


二人で部屋を出て


暖簾の前で名残惜しく別れて


のんびり温泉を満喫


先にお風呂からあがった貴方は


マッサージチェアーなんかに座ってて


やっと出てきた私を見つけ


呆れた顔をしながら


少しぬるくなったお茶を


無言で手渡し先に歩きだす


お茶を二口だけふくんだ私は


ペットボトルの蓋を絞めながら


ちょとだけ小走りになって


見慣れた広い背中を追う


貴方が少し振り向くと


すでに左斜め後ろの位置をキープした私は


手を繋ぐタイミングを狙ってる


傍に誰もいない事と


左手を捕まえる事が絶対条件


だってエレベーターのボタンを押す為に


振り払われてしまうから


もしそうなったら


意地悪な貴方のことだもの


今度は腕組みして手を隠されてしまう


だから狙うのは絶対左手なの


部屋に戻ったら


貴方は缶ビールで


私は梅サワーか葡萄サワーかレモンサワー


半分飲んだところで


貴方に残りを押しつける


これからの大切なイベントの最中に


もしも眠ってしまったら


一生後悔しちゃうもんね


そして


貴方の初めての腕枕で


朝まで眠りたい


貴方の腕が痺れるまで


図々しく重い頭を乗せちゃおう


朝になったら


貴方が目覚める前に


そーっと起きて


顔を洗い歯を磨いたら


またそーと布団に潜り


貴方の寝顔を独り占め


貴方が起きそうになったら


急いで寝たふりをして


貴方に起こされたとき


私は爽やかに言うの


「おはよう!」


そして


貴方の首に手を回し


軽く唇を奪う


これが成功したら思うだろう


歯磨きしてきて良かったってね





これは


たぶん妄想で終わるだろうな



でも


いつか本当に行けるといいな





いつか…


妄想だけでも楽しかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ