表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
碧い月へ  作者: フレーズ
10/36

駄目なこと

〈今から帰りだよ!〉


これは、電話していいよのサイン。


通勤時間の25分。


それが、一日の内で私に与えられた時間。


車のバック音が聞こえたら、次の言葉は決まっている。


「それじゃ、おやすみ」


例え話の途中でも、それだけは変わらない。



だけど、今夜は話す言葉が見つからない。


だから、わざと帰宅する5分前に電話した。


当たり障りのないことを話すには丁度いい。


それならば、余計なことを話さずに済む。


忙しさと言いたいことが言えないせいで、段々不満が溜まっていた。


私はこの時とばかりに夢中で話しだした。


口に出すことですっきりして、また明日から頑張れる。


そんな浅はかな考えを許すほど、彼は私に甘くない。


「ちょっと待て!今のお前、誰かに似てないか?」


彼の言おうとしていることは直ぐに分かった。


「お前の一番嫌いなヤツにそっくりだ。」


やっぱり……


既に後悔してる私に追い打ちをかける。


「いつもそれで嫌な思いをしてるんじゃないのか?」


確かにそう、そうなんだけど…


「自分でされて嫌なことをなぜ人にするんだ?俺は今いつものお前と同じ気分だ。」


「ごめんなさい…」


こんなとき、他に言葉は浮かばない。


「決められた時間なんだから、楽しい話をしよう。」


今度は、さっきより優しく言った。


何も気にしてないように、なるべく普通に、なるべく…


頭に浮かんだ言葉を一度整理して、確かめながら口にした。


段々と頭の中に言葉は浮かばなくなった。



泣いちゃ駄目。


未来の話は駄目。


人を羨ましがっては駄目。


そして、また一つ駄目が増えた。


愚痴を言っては駄目。



これからは、楽しい話だけしよう。


それが彼の望みなら…。



でもさ、楽しい話ばかりではないと思うんだけどなぁ。


大切な人に聞いてもらいたいことって……。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ