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強襲

読んでくれているすべての方に百万の感謝を!

この世界に飛ばされて3日目。


昨日と同じように淡々と時が流れる。いわゆるクルーズ船のように、船内にカジノや映画やプールがあるわけではないので暇だ。


改めて客を観察すると、ほぼすべてがカップルか夫婦だ。

アル坊やにしても多分この旅でクリス嬢に結婚を申し込むつもりだったんだろう。

そう考えると、俺のせいではないにせよ本当に申し訳ない気分にはなる。いたたまれないというべきか。


三日目の夜の10時頃、そろそろ眠そうなアル坊やといつものようにお互いの世界の事を話し合っているとき、鐘の音が響いた。不思議なもんで、違う世界であっても、この音が何を意図したものか分かった。これは警告だ。


「なんだ?」


「……この鐘は…いや、でもこんなところで?」


アル坊やが何か言っているところへウォルター爺さんが飛び込んできた


「坊ちゃま、海賊のようです」


「本当か?ここは安全な航路だろう、間違いじゃないのか?」


「騎士団の警護空域でない以上万全ではございません。闇にまぎれて下部から侵入してきたようです」


よく見るといつもの執事衣装のリボンタイの様なものは外していて、代りに厚手の革か何かのベストの様なものを着ている。簡易防具なんだろう。


「私は船員と協力し階段を抑えます。坊ちゃまは部屋からは出られませぬよう。

ダイト殿もこの部屋にいてくだされ」


そういってウォルター爺さんは部屋を出て行った。


「海賊なんているのか。この船は客船だろ?なんか迎撃のための装備とかあるのか?」


「迎撃用の大砲はありますが……今の話だともう侵入されてます。

よほどうまく闇に紛れたんでしょう」


そうこう言っているうちに金属がぶつかり合う音と小さく銃声らしきものが聞こえてきた。


「ウォルター爺さんは強いんだろ」


「ええ、ウォルターはかなりの使い手です。でもなんでそう思うんです?」


なんでかは説明しても分かるまい。糸は投げないだろうが、多分強い。


とりあえず今は何もすることがない。ただ待つだけというのは何とももどかしい、と思っているところで、ガキンと、ベランダのほうから金属音が鳴った。


何かぶつかったか?ガラス越しに外を見ると、ベランダを覆う格子に人影が取りついているのが見えた。


これは……もしかして船の上のほうからロープか何かを伝って降りてきたのか。

格子はあくまで転落防止用で大して頑丈には見えなかった。

やばいぞ、これは


「アル坊や、武器とかないの?」


「ありません。そもそも僕は使えませんし……」


そうこうしているうちに格子が破られた。開いた隙間から海賊が入ってくる。


……これは不味いことになった


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