幕間・グレゴリーが語る、この世界の話 騎士の乗り手、船員の衣装、貨客船(画像あり)
どうも。俺はグレゴリー・ガルフストリーム。シュミット商会で護衛騎士をしてます。
乗機はアストラ。型は古いですがなかなか悪くない機体なんですぜ。
一応姉御が来るまでは俺がエースでしたが今は姉御のフォローに回ってます。
最初は、近距離戦を中心にした戦いなんて危険すぎる、常識からかけ離れてると思いましたし、そもそもあんなちっちゃな若い女の子が騎士に乗るなんて馬鹿なことをって思ったときもありました。
ですが、結果は御覧の通り。才能ってやつですかねぇ。俺には真似できませんや。
今日は姉御から騎士の乗り手とかについて説明するように言われてます。
俺はあんまりそういうガラじゃないんですが、べてらんなんだからよろしく頼むわって言われましてね。
べてらんってなんです?ってお聞きしたら先輩みたいなもんだっていいう話でした。
まあ立場上先輩ではあるんですが、どうにも居心地がいいもんじゃないですね。
ともあれ俺なんかが説明役はおこがましいんですが、やれというならやりましょう。
一つ宜しくお願いしますぜ。
まずはこれです。
これは騎士の乗り手が搭乗するときに着る防寒具です。
騎士の乗り手はこういう風に体をすべて綿入れの防寒具と手袋で覆います。騎士のコクピットは寒いんでこういうのがないと凍えて体が動かなくなりますんでね。
手袋は手を温めつつ、手のひら側は薄くしてあって操縦の妨げにならないように工夫されてます。
防寒着は上から下までセットになってまして、採寸をきちんとして個人個人で仕立てるもんですし、飾りも入れれます。
例えばローディの防寒着は親父さんゆずりの炎を象った刺繍が入ってますね。
防寒具にはベルトがついてまして、これをコクピットの留め金に固定して体をシートに固定します。
騎士は上下左右の移動、旋回、宙返りみたいないろんな飛び方をします。
きちんと締めておかないとシートから投げ出されたりしますし、乗り手の姿勢が乱れると攻撃や防御の妨げにもなりますんでね。
足に刺しているのはのこぎりのような刃のナイフです。
これは戦闘用ではなく、操縦席内で絡んだベルトを切ったり装甲版やキャノピーをこじ開けたりするのにも使います。非常用工具みたいなもんですね
頭巾は防寒装備であると同時に、コミュニケーターが仕込んである通信装備でもあります。
首のところで紐で止めて、口元の布を引き上げて口元まで覆うことになります。これは寒さ対策ですね。
人によってはゴーグルもつけます。風が吹き込んできたりはしないんですが、つける方が落ち着くって乗り手もいますんでね。俺や姉御は着けない派です。
コミュニケーターはあらかじめ設定した相手と通話するための器具で、5名まで相手を決められます。大抵は味方の騎士と母船の飛行船の船室とつながってますね。
言うことが全部筒抜けなんで、あんまり汚い言葉を使わねぇほうがいいんですが、競った状況だとどうしても口を衝いちまうこともありますね。こいつばかりはとっさに出ちまうんでどうしようもないんです。
コミュニケーターは重要な器具だけに改良が繰り返されていて、特に騎士団が熱心に開発を続けています。俺たち護衛騎士と違って、海賊討伐の時とかは連携して戦うのが前提だからでしょうね。
あらかじめ設定しなくても範囲内の見方の騎士すべてと通信ができるタイプや、相手を指定してそれ以外には聞こえなくするタイプも開発されているそうですぜ。
便利そうですんで、いずれは俺たちも使えるようになる日を楽しみにしてます。
次にこれは飛行船の船員です。これは工具をつけた船外作業装備です。
飛行船の船員は、船体外装の破損や舵の調整修理の時とかに船外で作業することがあります。その時はこの工具セットをつけます。
肩から腰へ掛けて斜めに革ベルトを掛け、そのベルトに工具を付けた前掛けのようなものをつけるってわけです。
服は頑丈な厚手の布で作られてます。肌は出しません。というのは、肌ってのは柔らかいんで風にあおられて船体に体を擦ると思わぬ怪我をしてしまうんで。あとは、風を巻かないように袖や襟元、足首は組紐やゲートル、ベルトで止めます。
髪も帽子の中に入れるか、結うかして邪魔にならないようにします。髪が命綱のワイヤーに絡むこともありますんでね。
船外作業をするときは必ず命綱を二本付けます。これは船員の義務だそうです。
度胸試しで命綱をつけずに作業するのが勇気の証、っていう風潮があった時代もあったんですがね。あまりに死人が出すぎたもんで、禁止になりやした。
厳しい船長は、面倒だからと命綱をつけないような船員に罰金を課すこともあるそうですよ。まあ落ちたら絶対に助かりませんからね。当然でしょう。
工具は革の前掛けにひもで止められていて落としたりしないようになっています。
ナイフも持っていますが、これも戦闘用じゃありません。斧のようなもんで、ワイヤーを叩ききったりするためのものですね。
腰のベルトから下がっているフックは、船外作業をするときに体を固定するためのものです。
飛行船の船体にはあちこちに係留フックがありまして。それに引っ掛けて風にあおられた時に姿勢を崩さないようにするんですな。
次はこれです。貨客船ですぜ。
俺たちのシュミット商会は、輸送用の飛行船で各地に物資の運搬をするのが主な仕事です。
俺たちは鉱山地区とか少し離れた場所に行くことが多いんですがね。こういうところは貨物の輸送はありますが人の移動はあまりないんですね。
そういうところに行きたい奴は、俺たちみたいな貨物船に金を払って相乗りさせもてらうケースが多いです。
それ以外の人の行き来が多い様な場所への航路では、こういう貨客船が使われてます。貨物と人を同時に運ぶんでですな。
貨物室自体が大きい上に客室もありますからね。貨客船は全体的に大型です。シュミット商会の飛行船より二回りほどは大きいんじゃないですかね。
この絵の飛行船は貨客船としては最大級です。これより大きくなると双胴飛行船になりますね。
ただ、双胴飛行船は騎士団が軍艦に使う場合がほとんどですんで。民間で使われる単気嚢型の飛行船ではこのあたりが最大級でしょう。
騎士はこのサイズになると3機搭載できます。
……姉御、こんな感じでよかったっすかねぇ?
イラストは1枚目と2枚目は筆者が描きました。拙い絵で申し訳ありません。
3枚目は筆者友人のU-G.Kintoki氏に頂きました。3枚目の著作権は彼に帰属しますのでご配慮頂ければと思います。
もし転載等されたりしたいと思われた方がおられましたらご一報ください。
絵についての感想を頂けるととてもうれしいです。




