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はじまり

ある人と別れたばかりの僕は、『この人紹介してよ』とある中学校の卒業アルバムの一部を指差しながらその中学に通っていた友人に言った。


『メアド知ってるけどこの人無理だと思うよ。』


『何で?』


『メールしてくれるかも分からんよ。期待せんで』


友人は気乗りしない感じで言っていた。


僕はこいつはフられたんだなとなんとなく悟った。


『告ったの?』聞いてみた。


『昔ね。高校入る前に。軽い気持ちで告ってみただけ』


『そう。ならとりあえず聞いてみて。てか向こうに俺のアドレス送っといて』

僕は友人のフられたという話から俄然やる気が出ていた。


しかし何日経っても連絡が来ない。


ちゃんと聞いてくれたのか友人を問いただすとまだ連絡していないと言った。僕は今して欲しいと半ば強引にメールを送らせた。友人の携帯の送信画面を確認してその場を立ち去ろうとした時、

『期待しないが良いよ』

と言われた。


メールを送ってなお期待しないが良いと言うということは、友人の負けず嫌いな気持ちだけではないのだと、本当に固い人なのかもしれないと感じた。


それから数ヶ月全くメールはなくその子の事も忘れてかけていた頃、メールが届いた。


『はじめまして。〇〇と言います。よろしくね』


始め誰かと少し考えた。

ようやく思い出してすぐに返信を送った。


『はじめまして。●●と言います。全然連絡なかったんで諦めてました。無理言ってすみません』


返信が来た。


『ブラスバンド部の合宿で暇だったんでメールしてみました。普通はメールしないから。』


びっくりなくらい上目線と絵文字が全くない事で僕は少しイラっとした。


『そうなんですか!?合宿ってきつそうですね』


若干投げやりな返信を送った。

…全然返信が来ない。意味わかんないと思いながらその日は終わった。


それからまた連絡がなく、ある日突然メールが来た。


『〆〆高校の体育祭いつあるの?』


はぁ?と思いながらも日にちと何でそんな事を聞くのかと尋ねた。見に来るのかなと少し期待もしていた。

しかし…

『お母さんが見に行きたいらしくて。ありがとう』


お母さん?意味が分からない。

『全然いいよ。てか、今度会わない?全然お互いの事知らないし、メールもしてないけど…無理ならいいよ』


お母さんには触れず、僕はなんとなく、本当に期待もなしに誘ってみた。友人の期待しない方がいいよと言った気持ちを僕も体感したから


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