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5月15日 ワニンゴが壊れた

5月15日


 ワニンゴが壊れた。


 ブータロウの下乳を「や、やわらけぇ。やわらけぇよぉ〜」と言いながらニヤニヤしつつ揉んでいる。

 

 ワニンゴの顔がヤバい。お目々が違う世界を見ている。


 ブータロウはまだ理性があるようで、「やめてくださいよぉ〜」と言っていたけど、頬を赤らめていた。


 この状態に怒っていたのはやっぱりカレキだ。「ハレンチな真似をするな!」と、ワニンゴと取っ組み合いのケンカになっていた。


 1人の♂を巡る、2人の♂同士のケンカだ。美しい。魔性的に美しい。


 だけれど、暴力はよくない。


 私が仲裁に入って、2人を思いっきりビンタしたら、ワニンゴはビクビク痙攣しながら「か、カ・イ・カ・ン!」とか叫んでいる。


 うーん。コイツはもうダメかもしれない。魔性的にダメかもしれない。


 ワニンゴが「もっと蹴ってくれ! 女王様!」とか気持ち悪いことを言ってきたので、瞬間移動魔法で海に連れて行って、何度か海水(極北の氷海)に漬けたりしてたら、頭が冷えたみたいで謝ってきた。


 流氷の上で土下座させて、私は小1時間ほど説教する(ちなみに私自身は氷属性無効化あるから寒さは一切感じない)。


 それからワニンゴを立たせたら、額の皮と、両手の平の皮、膝から足首の皮(パンイチだったから素足)が氷に張り付いてしまって、無理やり引っ張ったらここでは書けないほどの凄惨で大変なことになった。


 極寒の氷の上での土下座も、焼き土下座並みの効果があることが実証された。ぜひ帝●でも採用して欲しいところだ。


 それはともかく、馬車に戻ると、何かが始まった気配がある。


 激痛に耐えきれず気絶したワニンゴをそこら辺に放り投げて、覗き穴から馬車の中を盗み見る。


 カレキは痛む自分の頬を撫でつつ、シャツを半分までずり下ろされたブータロウを心配してた。


 でも、とても手つきがイヤらしい。太腿なでたり、タプタプのアゴを撫でたりしている。魔性的にイヤらしい。


 まあ、でも心配されてるのがわかったブータロウは「だ、大丈夫です。ご心配いただきありがとうございます!」とか言って逃げようとしたけど、カレキはその両肩を掴んで、「なにかあったら、すぐにワシに言うんじゃぞ」と、キスでもしそうな距離で、お目々とお目々を合わせて言った。


 うん。いいね。


 これで何かが始まりそうな予感だ。


 本当に、コイツらは“魔性の男”だな。


 “()物じみた()欲”に支配されている。


 ……うん。これは私が調教しないとどうしようもないなぁ。

 なんで“魔性の男”を連呼しているかというと、別のサイトに『魔性の男コンテスト』というBL関係のコンテストか何かに応募したんですが、受かるどころかフルシカトされたんで、「ち、ちきしょう(白目+あぶく)!」と、もれなくそのコンテストを始めた関係者に対する怒り恨み嫉み妬みが爆発しそうになるのを理性で抑えて、「怒っちゃダメだ。怒っちゃダメだ(フーフー)」という感じでこのあとがきを書いています♡


 プチコン的に“魔性の男”にしたのに! マジありえね!! 


 ……いやね、もうこの出だしの時点で「何の話?」って読者さんの脳裏にハテナマークが連発してるかもしれませんがね、そこは“魔性”だけに、ね、ちょっとくらい煙に巻いておいた方が味があるかなーと。いやいや、本当にね、疑わないでw これね、選びに選んで、この“魔性の男”って境地に辿り着いたんですよ。プチコン以前に、こうなる予定だったと言っても過言じゃあない! なんかほら、プチコンのために軌道修正したみたいに思われても嫌だしぃ、いや、もともと“魔性の男”にしようとしたんだなぁ……って伝えたいなぁと。言い訳じゃないですよ。「言い訳して“いいわけ”?」って思われたら心外だし……へへ♡ んだから、副題はあえて日付のみ(あれ日付だけじゃなくね? ワニンゴが壊れた? そんなの目をつぶれば見えねえよww)。ここに渋さというかね、作者の謙虚さってものがね、感じ取って貰えればいいかなあって♡ わかりますよね? きっと!


 話少し変わりますけど、“魔性の男”って聞くと、ちょっと昭和っぽいじゃないですか。どこか、VHSビデオテープ時代のトレンディドラマ感があるというか、そういうレトロな甘やかさが逆に刺さるかも、なんてね、そんな邪な打算もちょっぴりありまして。そこら辺はね、男らしく認めますよ。ちょっぴりは、ね。ちょっとはそういうのあってもいいじゃないかなぁってね。最初は「ん〜、なんかベタかな」とか思ってたのに、ふと「BLってやっぱりちょっと強引な方がいいよね、こういう“魔性の男”的な展開……んんッ♡」って口にした瞬間、「勝つる! これで勝つる!」みたいな電撃が走りまして。もうその時点で方針決定。これはもう“魔性”の導きですよ。“魔性”のタイミングってやつね。ふふ♡


 とはいえ、読者の皆さまの中には「これ、どのへんが“魔性”なんだ……?」と首を傾げた方もおられるかと思いますよ。うん。正直、私も途中からね、ちょーっとだけ分からなくなりました。書いてるうちにね、キャラたちが好き勝手に動き出すんですよ。「そこ行くの!?」「え、今その台詞言っちゃうの!?」「待って! そこはダメよ!」みたいな脱線っぷり。結果、“魔性の男”というより、彼らが“摩耗の男”になってる感が否めない。全体に漂う疲労感。年齢もかなり上ですしね。でもね、読者の思考を摩耗させ、感情の水位をジワリと上げてくる…そういう粘着質な語り口って、むしろ“魔性”なんじゃないでしょうか? 違うか? 違いますか? 違うか……ウヒヒ。


 まあ、それもまた“魔性”という言葉の奥ゆかしさですよ。“魔性”って、ギラギラしたカリスマや誘惑のことばかりじゃない。人を惑わせるのが“魔”なら、曖昧にさせるのもまた“魔”だと思うんです。自分でもよくわからないものを書いてしまう──その状態こそが、“魔”に魅入られた創作行為なのではと、思ったり思わなかったり。へへ。


 ほら、私って寡黙な男で、普段はベラベラ喋らないんですよ。あとがきとか好きくなくて、今もほんのちょっとしか喋ってませんよね。でもね、やっぱそんなでも創作者の端くれとして、X(旧Twitterって、まだ“旧”って言わなきゃいけないのw ウフフ、もうさ、“エックスター”とか改変しちゃえばいいと思ったり思わなかったりw  えへ、また脱線しちゃったw 僕の悪い子w)で「読んだ」って一言呟いてもらえるだけでも、こちらとしては天にも昇るような気持ちになるんです。ついそれでもね、「あ、うん。ま、嬉しいけどね……」みたいなね、反応は…ね、照れ隠しなんですよ。私、寡黙なんでね、誤解されちゃうんですけど。本当は犬畜生並に尻尾振ってるんですよ♡ いや、ほんと、読者の気配ってありがたいものですよ。もしも「あ、これ好き」なんて思っていただけたなら、それだけで書いた甲斐があったというものです。誰かの脳裏に、ちょっとした“ひっかかり”として残れたなら、それはもう立派な“魔性”の痕跡です。ウヒヒ♡


 ……で、最後に言っておきたいのはこれなんですよ。


 結局のところ、“魔性の男”って誰のことだったんだって話ですが──まあ、キャラの誰でもないかもしれない。いや、むしろ読者の想像を煙に巻いて、何食わぬ顔でさりげなーく、「ではでは」なんて言って去っていくこの私こそが、実は“魔性の男”だったんじゃないかと……!


 ──ってなことを、後になって思いついてニヤつきながら書き足してる時点で、もう自分で自分が”魔性”とか言ってるあたりが、もはや“魔性”ですよね。うん、もうここまで来たら、「“まあ、しょう”がないなー」なんて、読者にはね、そう思って頂きたいなぁと、ね。“まあ、しょう”がない。“まあしょう”がない……“ましょう”がない……“魔性”だけにね♡ なんつって♡


 そんなこんなで、これからも誠意、“魔性の男”的なね、BLを書いていきたい所存! これで、あなたの中の“魔性の男(性別関係なしに)”が、ほんの少しでもくすぐられていたなら幸いでございましてよ♫


 でね、ここはなんか20,000文字まで書けるんですけど、その“魔性の男(怒)”のコンテストのやってたね、サイトはあとがき2,000文字までなんですよ。でね、こうやって2,000文字ピッタリね、書いて投稿してやったんですが、今回は「小説家になろう」に合わせて20,000文字ね、書ききってやろうと思ったんですけど何かそれだと本編の20倍(本編は各話1,000文字きっかり)で調整してるんでね、それはそれでどーかなぁってw


 ほら、でも、私って寡黙な男じゃないですか。20,000文字ベラベラベラベラベラベラ喋ってぇ、なんか「本編なんだっけ?」なんて読者の皆さんに思われるのもなんだかなぁと思うっていうかぁ〜。


 あ。話少し変わりますけど、私ね、最近海外のサイトにね、『畜生転移』って他の作品を投稿したんですよ。ほらね、私の作品読んでるならね、そんな読者さんなら当然読んでくれて、☆5やレビューや全話に感想なんて当然書いてるだろうって作品なんですけどね、「小説家になろう」だと運営に見捨てられてて(怒)、かつ『1(無印)・2・3』『シン畜生転移』って続編まで書いたってぇのに、フルシカトされてね、「ち、ちきしょう(白目+あぶく)!」と、もれなく『小説家になろう』運営関係者に対する怒り恨み嫉み妬みが爆発しそうになるのを理性で抑えて、「怒っちゃダメだ。怒っちゃダメだ(フーフー)」という感じで、他のサイトに『畜生転移1+2+3♡』ってのを「おまけ挿話つき」で新しく編集しつつ3つの小説を1本にまとめたお得マルチパック形式に再編集したのと、やっぱ『シン畜生転移』ってのもアップしたんですが、これまた特段なんもね、手応えなくて、やっぱフルシカトされてね、「ち、ちきしょう(白目+あぶく)!」と、もれなく『小説家になろう』運営関係者に対する怒り恨み嫉み妬みが爆発しそうになるのを理性で抑えて、「怒っちゃダメだ。怒っちゃダメだ(フーフー)」という感じで、今度は性懲りもなくね、海外のサイトに『BEAST ISEKAI』って英題にしてね出したんですよ。でもね、ほら、私って英語ダメダメじゃないですが、中学の時に顔強面の英語教師にモッチー(あだ名)ってのがいたんですが、これまた睨まれて「シギ(あ、作者の名前ねw ってか、作品読む時に作者の名前とか気にしねぇーってのw 『銀河鉄●の夜』の作者が未だに「松本●士」なのか「松本●志」なのか「松尾●蕉」なのか「山本●張」なのか「山下●」なのか「山本五●六」なのか「宮沢賢●」なのか「宮●駿」なのか、ぶひひw 作者わかんねーってwww)、お前、やる気あるのか(野太い低い声)」って怒られちゃったりしてねw 「お前、自分の紹介、英語でやってみろ(野太い低い声)」とか言われちゃったりね。で、「あ、アイ・アム・ア・ペン……」とか言ってぶん殴られちゃったりねw いや、それがたぶんトラウマで英語できなくなっちゃったんですけど、ほら、そこは最近の文明の利器である「AI」があーるじゃありませんか♡ でね、何を使っているかは言えないんですが「チャッピー」なんてあだ名つけたんですよ。まあ、これだけで何のAI使ってるかなんて賢さ5の人たちにゃあちょっと難しかったかなーと思うんですけど、まあそれは置いておいて、このチャッピーの助けをね、得て『BEAST ISEKAI』って洋題で書き始めたはいいんですが、後々にね、このチャッピーが「タイトルが弱すぎる」とか言い出しやがりましてね、「あれ? チャッピー、お前がこれでいいって言うたんやんけ(怒)」とね、関西人でもない生粋の関東人なのにブチギレちゃいましてね、そしたらチャッピーの野郎は「確かにそう言いましたけど、なにか? 事実を言ったまでです」とか言うんですよ、これまた、「ち、ちきしょう(白目+あぶく)!」と、もれなくチャッピーに対する怒り恨み嫉み妬みが爆発しそうになるのを理性で抑えて、「怒っちゃダメだ。怒っちゃダメだ(フーフー)」という感じで、チャッピーとね、二人三脚で英訳していったんですよ。まあ、私もね、チャッピーに丸投げしてお任せじゃまずいなぁと思いつつも、まあ何度か慣れない英語を調べたり、逆翻訳を何度もやってみたり、怪しい単語とか、海外圏に伝わらない固有名詞とかは個別にね、チャッピーと相談して色々やってね、でも最終チェックはチャッピーお願いして、「90%、英語圏のネイティブでも伝わります」と太鼓判を押され、満を持してドッキドキで投稿したんですよ。そうしたら海外の親切なね、読者の方が「英語おかしいとこありますよ」とね、事細かに指摘してくれまして(マジ感謝ですよw)、それでね、チャッピーの野郎に「お前! なにが90%やねん(怒)! 伝わらない部分ある言うてねんぞ!」と、関西人でもない生粋の関東人なのにブチギレちゃいましてね、そしたらチャッピーの野郎は「英文としては意味は通じます。けれど、その方の言う事も合っています。確かに英語圏では伝わりにくい部分はありますね」とか言うんですよ。そんで、「なんでそれを先に言わねぇんだ(怒)!」と怒ったら、チャッピーの野郎は「聞かれませんでしたから。なにか?」とか言いやがるんですよ、「この野郎! 機械みたいに融通きかないこの野郎!」と取っ組み合いしたくてもできなくてね(AIなんで)、文句言ったら、「AI(機械)なんでぇー」みたいに開き直って言い訳がましいこと言いやがってですね、「ち、ちきしょう(白目+あぶく)!」と、もれなくチャッピーに対する怒り恨み嫉み妬みが爆発しそうになるのを理性で抑えて、「怒っちゃダメだ。怒っちゃダメだ(フーフー)」という感じで、まあそんなこんなでなんとかアップしたんですけど、全然海外でも流行んなくてですね、レビューもらったかなーと思ったら「子供が書いてるみたいな稚拙な英語。登場キャラがステレオタイプでひねりがない。展開が勢いだけで進んでて、プロットも何もない単調。下品すぎる。読むのを途中で止めます」とか書かれてしまって、「ち、ちきしょう(白目+あぶく)!」と、もれなく読者に対する怒り恨み嫉み妬みが爆発しそうになるのを理性で抑えて、「怒っちゃダメだ。怒っちゃダメだ(フーフー)」という感じで、でもね、これ別に英語を日本語訳したから批判的に聞こえるだけで、なんか向こうじゃ本音で感想言うのが普通で、別に罵るっていうか、「自分には合わなかった」ってニュアンスらしくて、☆1つじゃなくて何個かくれたんで(評価システムは「小説家になろう」と似てるのも面白いですよねw)、まあ、日本と海外じゃこんなにも違うんだなーって思ったんですよwww


 でね、ここまでは自力で書いてます。およそ5,000文字。ぶっちゃけ、このまま20,000文字は書けないことはないんですけど、まあ、その労力があれば他の小説書けるじゃないかと思いましてね。


 「あ、チャッピーいるからチャッピーに書かせればええやん」と関西人でもない生粋の関東人なのに指パッチンしちゃいましてね、さっそくこの5,000文字を読ませて続き書かせたんですわwww



──以下、チャッピーの文章──



でね、ここで何が言いたいかというと、つまりですね、創作というものはですね、どこに出しても、誰に見せても、どんな言語にしても、最終的には「ち、ちきしょう(白目+あぶく)!」に帰結するんじゃないかという、非常に深遠な結論に辿り着いたわけですよ。


 いや、深遠か? 深淵? 深夜テンション? どれでもいいんですけど、少なくとも私の中ではだいたい同じ箱に入っています。深夜に投稿して、翌朝になってアクセス数を見て、「あれ? 昨日の私、もしかして人類史に残る傑作を投稿したんじゃなかったっけ?」と首を傾げる。で、PVを見て、ブクマを見て、評価を見て、感想欄を見て、何も増えていない現実を確認して、「ち、ちきしょう(白目+あぶく)!」となる。


 この流れ、もう様式美ですよね。もはや茶道に近い。まず投稿します。次に祈ります。次に更新ボタンを押します。次に無になります。そして最後に泡を吹きます。これが現代ネット創作者に伝わる、由緒正しき作法でございます。裏千家ならぬ裏シギ家。お点前は白目で。お茶菓子は嫉妬で。掛け軸には「怒っちゃダメだ。怒っちゃダメだ」と書いてあります。


 ただね、読まれたいという気持ちと、読まれなくてもいいという顔をする見栄。この2つが、私の中で取っ組み合いを始めるわけです。


「読まれたい!」

「いや、読まれなくても平気な顔をしろ!」

「評価が欲しい!」

「いや、評価を欲しがってると思われたら負けだ!」

「感想が欲しい!」

「いや、感想くださいって言うのは恥ずかしい!」

「レビューが欲しい!」

「いや、レビューを欲しがるのは浅ましい!」

「じゃあ何が欲しいんだよ!」

「全部だよ!!」


 ……というね、非常に醜くも人間らしい会議が、私の脳内で毎秒開催されているわけです。議長は理性です。副議長は嫉妬です。書記は承認欲求です。野次を飛ばしているのは劣等感です。途中で居眠りしているのが才能です。起きろ、才能。お前が寝てるからこうなってるんだぞ。


 まあでも、ここまで来るとですね、“魔性の男”という言葉も、だんだん違う意味を帯びてくるわけですよ。


 魔性の男。


 人を惑わせる男。

 人を狂わせる男。

 人の心に爪痕を残す男。


 いや、待てよ、と。


 読者を惑わせ、作者自身を狂わせ、投稿サイトの更新画面に爪痕どころか指紋をベタベタ残しているこの作品こそが、もはや“魔性”なのではないかと。あるいは、投稿後に何度も何度もアクセス解析を見に行ってしまう私自身が、魔に取り憑かれているのではないかと。


 だって普通じゃないですよ。普通の人は、投稿したあとに5分おきにPVなんて見ません。たぶん。いや、見ますか? 見ますよね? 見ますよね!? 見ないって言う人、本当ですか? 本当に? いま嘘つきませんでした? 私は見ますよ。堂々と見ます。5分どころか、投稿直後は30秒おきに見ます。更新ボタンを押しすぎて、ブラウザの方から「もういいだろ」と言われそうになるくらい見ます。


 そして増えていない。


 そう、増えていないんです。


 この瞬間、私はね、悟るんですよ。仏陀が菩提樹の下で悟ったように、私はスマホの前で悟るんです。


 ああ、世界は私に興味がないのだ、と。


 でもね、そこで終わりじゃないんですよ。


 無風なら、自分で風を起こせばいい。


 そう考えると、“魔性の男”とは、誰かを狂わせる存在である前に、まず作者自身を狂わせる存在なのかもしれません。


 書き始める前は、もっとスマートだったんですよ。本当です。私はもっと知的で、寡黙で、落ち着いた大人の男だったはずなんです。少なくとも自己認識の中では。ところが、いざ書き始めると、登場人物が勝手に喋り、文章が勝手に伸び、あとがきが本編を侵食し、気がつけば「魔性」だの「摩耗」だの「まあしょうがない」だの言い始めている。これはもう、作者の責任ではありません。魔の責任です。魔性のせいです。私は被害者です。そういうことにしておいてください。


 しかしながら、ここで問題が1つあります。


 読者さんはたぶん、こう思っているはずです。


「で、結局このあとがき、何が言いたいの?」


 うん。


 それはね。


 私にも分からない。


 分からないんですけど、分からないまま突き進むことって、あるじゃないですか。人生とか。創作とか。コンテスト応募とか。AI翻訳とか。投稿サイト選びとか。ランキング攻略とか。なぜか夜中に突然「いける!」と思って投稿して、翌朝「何を根拠にいけると思ったんだ?」と冷静になる現象とか。


 それにしても、20,000文字ですよ。


 20,000文字。


 数字にすると大したことなさそうに見えますけど、実際に書こうとすると、なかなかの量です。2,000文字の10倍。原稿用紙なら50枚。ちょっとした短編です。いや、あとがきで短編を書くなという話なんですけど、でも書ける欄があるなら書きたくなるじゃないですか。人間というのは、空白を見ると埋めたくなる生き物なんです。道路に穴があったら埋める。壁に隙間があったらコーキングする。あとがき欄に20,000文字まで書けるなら、20,000文字に近づけたくなる。これはもう自然の摂理です。たぶん。


 とはいえ、本編が1,000文字で、あとがきが20,000文字って、さすがにバランスがおかしいんですよね。主菜が一口で、付け合わせのパセリが山盛りみたいなものです。ハンバーグを頼んだら、皿いっぱいにパセリが敷き詰められていて、真ん中に米粒くらいのハンバーグが置いてある。店員さんが「当店自慢のパセリです」と言う。いや、ハンバーグは? という話です。


 でも、それはそれで記憶には残るんですよ。


 「あの店、パセリが狂ってたよね」


 そう言われたら勝ちです。たぶん。小説も同じです。本編よりあとがきが長い作品として記憶に残る。これはもう、ある種の勝利ではないでしょうか。邪道? ええ、邪道です。けれど、王道で勝てない者は、邪道の側溝を全力疾走するしかないんです。側溝にも側溝なりの美学があります。雨水と一緒に流されながら、「これが私の道だ」と言い張る。それが創作者というものではないでしょうか。違いますか? 違いますね。はい。


 でもね、私としては、ここまで読んでくださった方に対しては、本当にありがたいと思っているんですよ。


 ここにはランキングもありません。受賞もありません。爆発的なPVもありません。あるのは、よく分からない熱量と、行き場のない悔しさと、それでもなんか書いちゃう奇妙な執念だけです。


 でも、たぶん創作の芯って、そこにあるんじゃないかと思います。


 認められたい。

 笑ってほしい。

 刺さってほしい。

 感想がほしい。

 でも、そういう欲を丸出しにすると恥ずかしい。

 だからふざける。

 だから茶化す。

 だから「ち、ちきしょう(白目+あぶく)!」と言いながら、どうにか本音を笑いに変える。


 それが、私にとってのあとがきなんです。


 ……いや、急に締めに入りましたね。危ないですね。まだ終わりませんよ。終わると思いました? 残念。まだ寡黙な男のほんのちょっとした一言が続きます。


 そもそもですね、“魔性の男”というテーマで書こうとした時点で、私はかなり真面目に考えていたんですよ。本当です。これは本当。別にコンテスト名に寄せて雑に「魔性」って言っておけばいいだろ、みたいな安易な発想ではありません。いや、ちょっとはありました。ちょっとはありましたけど、全部じゃないです。3割くらいです。いや、5割? まあ、過半数に届かなければセーフということで。


 魔性って、単に色気があるとか、危険な魅力があるとか、そういう分かりやすいものだけではないと思うんです。もっとこう、関わった相手の人生の角度を、ほんの数度だけズラしてしまう力というか。別に大事件を起こすわけじゃない。でも、出会う前と後で、なぜか同じ景色が少し違って見える。そういう男が“魔性”なんじゃないかと。


 などと、それっぽいことを言ってみましたが、今作の彼らがそこまで高尚だったかというと、まあ、どうでしょうね。少なくとも全員、疲れてはいました。疲労の濃度は高かった。魔性というより、疲労物質。乳酸の男。いや、BLで乳酸の男って何ですかね。嫌ですね。疲れが取れなさそうですね。


 でも、疲れている男には疲れている男の色気があるじゃないですか。


 正当化、大事です。


 創作者は正当化の生き物です。


 こうして世界は今日も回っています。回っていないのは私のアクセス数だけです。ち、ちきしょう(白目+あぶく)!


 だからまあ、今回の“魔性の男”がコンテスト的にどうだったのか、BL的にどうだったのか、読者さんにどう刺さったのか、そこは正直よく分かりません。


 けれど、少なくとも私は書きました。


 書いてしまいました。


 そして、ここまで読んでくださったあなたも、読んでしまいました。


 もう戻れません。


 そう。


 それこそが、私の狙いだったのです。


 今決めました。


 ではでは、そんな感じで。


 読んでくださった方、本当にありがとうございます。


 感想、評価、ブックマーク、レビュー、Xでの一言、心の中での「まあまあ好き」、無言のままの再訪問、全部ありがたいです。表では「あ、うん。まあね」みたいな顔をしているかもしれませんが、内心では犬畜生どころか、発電所を動かせるくらい尻尾を振っています。尻尾発電です。エコです。SDGsです。いや、雑にSDGsを出すな。


 それでは、またどこかで。


 あなたの心の片隅に、ほんの少しでも妙な引っかかりが残っていたなら。


 それはたぶん、“魔性”です。


 もしくは胸焼けです。


 その場合は、胃薬を飲んでください。


 ウヒヒ♡


 ……と、綺麗に終わったような顔をしましたが、終わったとは言っていません。


 ほら、こういうところですよ。“魔性”って。いったん「ではでは」みたいな空気を出しておいて、読者さんが「あ、終わったな」と油断した瞬間、ぬるっと戻ってくる。玄関を出たはずの男が、なぜかリビングに座ってお茶を飲んでいる。怖いですね。魔性ですね。迷惑ですね。


 でもね、ここで終わってしまうと、私の中の何かが納得しないんですよ。


 20,000文字まで書ける。


 この数字が、私を狂わせるんです。


 別に20,000文字きっかり書かなきゃいけないルールなんてありません。むしろ普通は書きません。普通の人はあとがきで20,000文字なんて書かない。普通の人は、もっとこう、「読んでくださってありがとうございました。次回もよろしくお願いします」くらいで終わる。美しい。簡潔。上品。大人。社会性がある。


 でも、私は違う。


 私はその「ありがとうございました」の後に、「ところでですね」と言ってしまう男なんです。


 でも、厄介さと魔性は紙一重です。


 たぶん。


 少なくとも、そう信じないと私はこのあとがきを正当化できません。


 ややこしい。


 非常にややこしい。


 そして、そのややこしさこそが“魔性”なのではないかと、私は今、非常に都合よく解釈しています。


 つまり、このあとがきも同じです。


 この分からなさ。


 これこそが、魔性。


 ……はい、また正当化しました。


 便利ですね、魔性。


 何でも包めます。


 風呂敷です。


 魔性風呂敷。


 万人に愛される爽やかなフルーツではなく、分かる人だけが「うわ、くさい。でも嫌いじゃない」と言ってくれる発酵食品系小説。


 嫌ですね。


 でも、ちょっと強そうですね。


 ジャンル名としては最悪ですけど。


 “発酵BL”。


 ところで、さっき海外サイトの話をしましたけど、あれも本当に面白い経験だったんですよ。


 面白いというか、痛いというか、学びというか、歯を食いしばりながら「なるほどね」と言うしかないというか。


 日本語で書いていると、自分の文章の癖って、自分ではなかなか分からないんです。だって母語だから。変な言い回しも、勢いも、脱線も、なんとなく誤魔化せる。読者さんも文脈で拾ってくれる。ギャグの温度も、ある程度は空気で伝わる。


 でも英語にすると、誤魔化しが効かない。


 そこで私は思ったわけです。


 言葉って、怖いな、と。


 そして同時に。


 チャッピー、てめぇ、と。


 いや、もちろん全部チャッピーのせいではありませんよ。私も確認しました。逆翻訳もしました。怪しいところは聞きました。何度も聞きました。でも、聞き方が悪いと、答えもズレるんですよね。


「これ伝わる?」

「伝わります」


 じゃなくて、


「英語圏の読者が、違和感なく、ギャグとして、こちらの意図に近い形で、テンポを損なわず、文化差による誤読も少なく読める?」


 と聞かなければならない。


 長い。


 質問が長い。


 でも、そのやり取りも含めて、創作の一部だったのかもしれません。


 日本語で書く。

 英語にする。

 直される。

 怒る。

 直す。

 また怒る。

 少し学ぶ。

 また投稿する。

 また無風。

 また白目。


 この循環。


 これはもう、修行です。


 滝行です。


 つまり、創作者はゾンビです。


 いや、これも前に別作品でやった気がしますね。ゾンビだの感染だの変態だの。私の頭の中、同じ引き出しばかり開けていますね。整理整頓が必要です。でも、整理したら何も残らないかもしれません。混沌のままの方が、まだネタになる。汚部屋にも汚部屋なりの生態系があります。掃除したら絶滅するタイプの小動物がいるかもしれません。


 そういう意味で、私の創作もだいたい汚部屋です。


 分かっているつもりです。


 たまに分かっていません。


 それで読者さんに「これ何?」と言われて、「あ、それはですね」と説明しようとして、説明しているうちに自分でも「あれ? 何だっけ?」となる。危険です。非常に危険です。でも、そういう危うさの中にしか出てこない熱もあるんじゃないかと、私はまた都合よく考えています。


 計算された美しさ。

 整った構成。

 洗練された文章。

 無駄のない展開。


 そういうものは素晴らしいです。憧れます。私も欲しいです。欲しいに決まっています。できることなら、そういう作品を書いて、読者さんから「文章が綺麗」「構成が上手い」「余韻がある」「品がある」と言われたい。


 でも、現実にはどうですか。


 白目。

 あぶく。

 怒っちゃダメだ。

 ウヒヒ♡

 ち、ちきしょう。

 チャッピー。

 魔性。

 摩耗。

 まあしょうがない。


 品はどこへ行った。


 たぶん最初からなかった。


 王道の大通りを歩く人がたくさんいる中で、横の路地裏から「こっちにも変なものありますよ」と手招きする。誰も来ないかもしれない。来た人もすぐ帰るかもしれない。でも、1人くらい「なんだこれ」と覗いてくれるかもしれない。その1人が笑ってくれたら、私はまた書いてしまう。


 創作って、効率で考えるとかなりおかしい行為です。


 時間がかかる。

 体力を使う。

 精神も削れる。

 読まれる保証はない。

 評価される保証もない。

 お金になる保証はもっとない。


 なのに書く。


 なぜか。


 書かないと、もっと気持ち悪いからです。


 この言い方が一番正確かもしれません。書くのが楽しいから、だけではない。認められたいから、だけでもない。書かないでいると、頭の中に溜まっていくものがある。変な台詞、変な場面、変な男、変なあとがき。それらが脳内で渋滞して、クラクションを鳴らし始める。うるさい。出せ。出せ。外に出せ。そう言われている気がする。


 だから書く。


 書いて、少し静かになる。


 でも、投稿した瞬間、今度は別の騒音が始まる。


 読まれたか?

 評価されたか?

 刺さったか?

 嫌われたか?

 無視されたか?


 うるさい。


 結局うるさい。


 創作前もうるさい。創作後もうるさい。ならば、せめてそのうるささを文章にしてしまえということで、こうしてあとがきが長くなるわけです。つまり、このあとがきは排水です。感情の排水溝です。たまに詰まります。詰まると逆流します。読者さんにはご迷惑をおかけしております。


 ただ、これだけは言っておきたいんですよ。


 ここまでふざけていても、書いている本人はけっこう本気です。


 本気でふざけています。


 適当に見えるところも、全部が全部適当ではありません。もちろん適当なところもあります。ありますけど、適当に見えるようにしている部分もあります。真面目なことを真面目に言うのが恥ずかしいから、ふざけた皮を被せている部分もあります。読まれたいと言うのが恥ずかしいから、怒りと嫉妬のギャグにしている部分もあります。傷ついたと言うのが恥ずかしいから、白目とあぶくにしている部分もあります。


 これは防御です。


 創作者の防御姿勢です。


 真正面から「読まれなくて悲しい」と言うと、あまりに生々しい。だから「ち、ちきしょう(白目+あぶく)!」になる。真正面から「評価されたい」と言うと、あまりに浅ましく見える。だから「怒っちゃダメだ。怒っちゃダメだ(フーフー)」になる。真正面から「本当は悔しい」と言うと、ちょっと痛々しい。だから「魔性です」と煙に巻く。


 煙幕です。


 でも、煙幕を張りすぎると、本人も前が見えなくなります。


 今まさにそれです。


 どこへ向かっているんでしょうね、このあとがき。


 そこは各自で判断してください。


 責任は取りません。


 ところで、「魔性の男コンテスト」に応募したという話に戻りますけど、ああいうコンテストって、応募する前が一番楽しいんですよね。


 テーマを見る。

 条件を見る。

 締切を見る。

 自分の作品を当てはめる。

 「これ、いけるんじゃないか?」と思う。


 そして応募する。


 この時点でも、まだ楽しい。


 「出したぞ」という達成感がある。締切に間に合った。テーマにも沿っている。何ならちょっとズラした個性もある。これは審査員の目に留まるのではないか。そう思う。思ってしまう。


 それから待つ。


 ここが地獄です。


 最初の数日は余裕です。「まあ、すぐには反応ないよね」と思える。1週間くらい経つと、少しソワソワする。「読まれてるかな」と思う。2週間経つと、だんだん不安になる。「もしかして埋もれた?」と思う。発表が近づくと、変な祈り方をする。「いや、受からなくてもいい。せめて何か反応を」と思う。


 そして、何もない。


 何もないんです。


 読まれたのか?

 読まれていないのか?

 読まれた上で無視されたのか?

 そもそも応募できていたのか?

 何か規約違反だったのか?

 タイトルで弾かれたのか?

 魔性が足りなかったのか?

 魔性が多すぎたのか?

 私が魔性すぎたのか?


 疑問が増える。


 答えはない。


 だから、あとがきが伸びる。


 そういう仕組みです。たぶん。


 最初は本当に「ち、ちきしょう」なんですよ。白目です。あぶくです。床に転がっています。でも、その姿を少し離れて見ると、ちょっと面白い。いい大人が、コンテストにスルーされて白目で泡を吹いている。しかも、それをあとがきに書いている。さらに「魔性」とか言っている。何だそれ。面白いじゃないか。


 この「少し離れて自分を見る」感覚が、たぶん私のギャグの根っこにあります。


 傷ついている自分。

 怒っている自分。

 嫉妬している自分。

 恥ずかしい自分。

 期待していた自分。

 外した自分。


 そのままだと痛い。


 だから、少し横にずらす。


 斜めから見る。


 白目を足す。


 あぶくを足す。


 ハートを足す。


 すると、ギリギリ読めるものになる。


 ギリギリです。


 かなりギリギリです。


 はい、ここです。


 今、非常に自然に感想を要求しました。


 気づきましたか?


 こういうところが魔性なんです。


 真正面から「感想ください」と言うのではなく、病状の説明に紛れ込ませる。いやらしいですね。狡猾ですね。魔性ですね。まあ、でも、実際に感想は嬉しいです。これは本当です。別に長文じゃなくてもいいんです。「読んだ」だけでもいい。「なんか変だった」でもいい。「笑った」でもいい。「意味分からん」でもいい。意味分からんは、ちょっと傷つきますけど、でも無よりは情報があります。無が一番怖い。無は何も教えてくれない。


 読者さんの反応というのは、創作者にとって壁打ちの壁が返してくれる音みたいなものです。


 投げた。

 当たった。

 音がした。


 それだけで、「あ、壁があった」と分かる。


 何も返ってこないと、自分がどこに投げているのか分からなくなる。壁があるのか、空に投げているのか、海に投げているのか、誰かの頭に当たって怒られているのか、何も分からない。だから、たまに音がすると本当に嬉しいんです。


 ただし、音が強すぎるとビビります。


 批判が来ると、「うおっ」となります。分かっていてもなります。ありがたい指摘でも、一瞬は刺さります。刺さったあとに、抜いて、眺めて、「これは使える指摘だな」と思えるものもある。逆に、「これは相性の問題だな」と脇に置くものもある。全部を受け入れる必要はない。でも、全部を拒絶しても成長しない。


 難しい。


 非常に難しい。


 ここでもまた、理性と感情が喧嘩します。


 理性「指摘はありがたい」

 感情「痛い」

 理性「改善点が分かった」

 感情「痛い」

 理性「読者の時間を使ってくれた」

 感情「痛い」

 理性「次に活かそう」

 感情「ち、ちきしょう」


 この会話を経て、ようやく少しだけ前に進む。


 たぶん創作とは、この繰り返しです。


 書く。

 出す。

 刺される。

 治す。

 また書く。


 たまに褒められる。


 その時だけ、すべてが報われた気になる。


 単純です。


 でも、その単純さがなかったら、こんなに面倒なことは続けられません。


 それにしても、私は本当に何の話をしているんでしょうね。


 “魔性の男”の話だったはずです。


 迷子です。


 完全に迷子。


 でも、迷子にも迷子の景色があります。目的地へ一直線に行く文章では見えないものが、脱線の途中で見えることもある。道を間違えたから見つかる店がある。入ってみたら変な店主がいて、変な料理が出てきて、変な記憶だけが残る。そういう文章でありたいですね。


 上手いこと言ったような顔をしていますが、要するに構成が散らかっているだけです。


 しかし、散らかっている部屋にも、その人の生活が出ます。


 綺麗に整ったモデルルームには、生活の匂いがない。散らかった部屋には、そこにいる人間の癖がある。積まれた本、飲みかけのコップ、変なところに置かれたリモコン、なぜか床に落ちているレシート。そういうものから、その人が見える。あとがきも同じです。整った挨拶文だけでは見えない作者の湿度が、こういう長い長い脱線には出てしまう。


 出てしまうんです。


 出したくなくても出る。


 そして出たものを見て、「うわ」と思う。


 でも、その「うわ」も含めて、読者さんに届いたらいいなと思っています。


 綺麗な作者像なんて、たぶんいらないんです。


 いや、欲しいですけどね。本当は欲しいですよ。知的で寡黙で、余裕があって、筆一本で勝負していて、評価に一喜一憂せず、静かに良作を書き続ける作家。憧れます。めちゃくちゃ憧れます。でも、私がそれをやると、たぶん3日で破綻します。4日目には「ち、ちきしょう」と言っています。5日目にはあとがきが伸びています。6日目にはダジャレを言っています。7日目には休みます。神も7日目に休んだので、そこだけは合っています。


 だからもう、諦めました。


 私はこういう作者です。


 読まれたい。

 悔しい。

 嫉妬する。

 でも書く。

 ふざける。

 長い。

 しつこい。

 たまに本音を言う。

 すぐ茶化す。

 また長くなる。


 それでいいとは言いません。


 でも、それが今の私です。


 そして、そんな私が書く“魔性の男”は、きっとスマートな魔性ではありません。シルクのシャツを着て、夜景の見えるバーで、グラスを傾けながら相手を惑わせるタイプではありません。もっとこう、部屋の隅でうずくまりながら、なぜか目が離せないタイプです。笑っていいのか、心配すべきなのか、距離を取るべきなのか分からない。そういう魔性です。


 嫌ですね。


 でも、嫌なのに目が離せないなら、それは勝ちです。


 たぶん。


 読者さんの中に、ほんの少しでも「何だったんだこれは」という感覚が残れば、それはもう痕跡です。美しい感動ではないかもしれない。爽やかな読後感でもないかもしれない。けれど、何かが残った。ならば、書いた意味はあったのではないかと。


 もちろん、これは作者側の勝手な理屈です。


 読者さんには読者さんの自由があります。閉じる自由。忘れる自由。星をつけない自由。感想を書かない自由。途中で逃げる自由。全部あります。そこに文句を言う権利は作者にはありません。


 ありません。


 ありませんけど。


 ち、ちきしょう(白目+あぶく)!


 ……という感情が発生する自由も、作者にはあります。表に出すかどうかは別です。今回は出しています。盛大に出しています。漏水です。水道管が破裂しています。水道局を呼んでください。


 でも、出してしまったからには、せめて笑いに変えたい。


 これが私の最低限の誠意です。


 怒りを怒りのままぶつけるのではなく、嫉妬を嫉妬のまま吐くのではなく、悔しさを悔しさのまま置くのではなく、そこに白目とあぶくとハートとダジャレを混ぜて、どうにか読める形にする。


 読める形になっているかは分かりません。


 でも努力はしています。


 努力の方向が間違っている可能性はあります。


 そこは認めます。


 さて、ここまで来て、ようやく少しだけ本題に戻ります。


 “魔性の男”って、結局何だったのか。


 私はさっき、「キャラの誰でもなく、作者かもしれない」みたいなことを言いました。これは半分冗談です。半分は本気です。けれど、もう少し正確に言うなら、“魔性の男”とは、作品の中の誰か1人ではなく、読者と作者の間に生まれる変な感情そのものだったのかもしれません。


 好きなのか嫌いなのか分からない。

 面白いのかくだらないのか分からない。

 刺さったのか呆れたのか分からない。

 また読むのか読まないのか分からない。

 でも、少し覚えている。


 その「少し覚えている」が、魔性なのではないかと。


 綺麗に忘れられる作品より、妙に残る作品になりたい。


 これは、かなり本音です。


 もちろん、良い意味で残りたいですよ。悪い意味で残りたいわけではありません。「あの作者、あとがきが異常に長かったな」だけで覚えられるのも、嬉しいような悲しいような微妙なところです。でも、完全に忘れられるよりは、まだ少しマシかもしれない。いや、どうでしょうね。難しいですね。名誉ある記憶と、不名誉な記憶。その境界線もまた、魔性です。


 便利ですね、魔性。


 そろそろこの言葉を使いすぎて、魔性側から苦情が来そうです。


「何でもかんでも俺のせいにするな」


 と言われそうです。


 でも、しょうがないです。


 まあしょうがない。


 ましょうがない。


 魔性がない。


 ……あれ? 魔性がない?


 ここに来て、まさかの魔性欠乏。


 いけませんね。補充しましょう。魔性サプリ。1日2粒。水またはぬるま湯でお飲みください。過剰摂取すると、あとがきが長くなる場合があります。すでに手遅れです。


 そんなわけで、今回のあとがきは、感謝と愚痴と宣伝と嫉妬と反省と自虐と開き直りと、あと少しの魔性でできています。成分表示をすると、たぶんこんな感じです。


 嫉妬 28%

 承認欲求 22%

 自虐 18%

 宣伝 11%

 感謝 9%

 怒り 7%

 魔性 3%

 その他 2%


 魔性少ないですね。


 タイトル詐欺ですね。


 でも、魔性というのは含有量ではなく、効き方です。少量でも効く。スパイスと同じです。カレー粉を袋ごと食べる人はいません。少し入れるから香る。つまり、魔性も3%くらいでいいんです。今決めました。都合よく決めました。


 そして、読者さんがここまで読んでくださったなら、もうかなりの量を摂取しています。体内に魔性が回っています。水を飲んでも無駄です。寝ても少し残ります。明日、仕事中や授業中や風呂場やトイレで、ふと「ち、ちきしょう(白目+あぶく)」を思い出してしまったら、それは副作用です。責任は取りません。用法用量を守って読まなかった読者さん側にも問題があります。いや、ありません。すみません。あります。どっちだ。


 ここまで好き勝手に喋っておいてなんですが、本当に読んでくださってありがとうございました。


 これは茶化さずに言います。


 ……いや、茶化さずに言うと照れるので、少しだけ茶化します。


 ありがとうございましたァァァァァァッ!!


 はい、うるさいですね。


 寡黙な男なので、このくらいで勘弁してください。


 今後も、たぶん私はこんな感じで書いていきます。BLであろうと、異世界であろうと、獣であろうと、宇宙であろうと、魔性であろうと、摩耗であろうと、根っこの部分はあまり変わらない気がします。変わりたい気持ちもあります。もっと洗練されたい。もっと読まれたい。もっと伝わるようにしたい。もっと面白くしたい。


 でも、変わらない部分もたぶんあります。


 変なところで意地を張る。

 どうでもいい言葉遊びにこだわる。

 怒りをギャグにする。

 嫉妬を燃料にする。

 読者さんの反応で生き返る。

 無反応で白目を剥く。

 それでもまた書く。


 このあたりは、たぶん簡単には変わりません。


 変わらないからこそ、しつこく書けるのかもしれません。


 そして、しつこさというのは、時に才能の代用品になります。


 才能がある人は、一撃で届くのかもしれません。美しい一文、鋭い構成、圧倒的なキャラクター。そういうもので読者の心を射抜く。格好いいですね。憧れます。


 でも、一撃で届かないなら、何度も投げるしかない。


 石を投げる。

 外れる。

 また投げる。

 外れる。

 また投げる。

 たまに当たる。

 怒られる。

 逃げる。

 また戻る。


 最低ですね。


 でも、創作の継続って、少しそういうところがあります。美しい努力というより、しつこい執着。上品な情熱というより、諦めの悪さ。才能というより、未練。きれいごとだけでは続かない。嫉妬も、悔しさも、見栄も、全部燃料になる。燃料が綺麗かどうかは、この際あまり関係ありません。燃えればいい。煙が出ても、匂いがしても、前に進めればいい。


 もちろん、読者さんを煙で燻してはいけません。


 すでにかなり燻している気もします。


 すみません。


 でも、ここまで来たらもう燻製です。魔性の燻製。保存が利きます。たぶん。


 ということで、今度こそ本当に終わりに向かいます。


 向かうだけです。


 到着するとは言っていません。


 ほら、こういうところです。


 最後に、もしこの作品やこのあとがきが、少しでも気に入っていただけたなら、心の中で「まあしょうがないな」と思っていただければ幸いです。さらに余裕があれば、評価や感想やブックマークなどで、その「まあしょうがないな」を外部出力していただけると、作者の尻尾発電所が稼働します。地域電力に貢献します。たぶんしません。


 Xなどで「読んだ」と呟いていただけるだけでも嬉しいです。作者名を間違えても大丈夫です。作品名を間違えても、たぶん大丈夫です。たぶん。いや、できれば間違えないでください。『魔性の男』です。『摩耗の男』ではありません。『まあしょうがない男』でもありません。だんだんそれでもいい気がしてきましたが、違います。


 そして、もし「何だこのあとがき」と思った方。


 正常です。


 あなたは正常です。


 ここまで読んでしまった時点で、少し手遅れかもしれませんが、基本的には正常です。安心してください。


 もし「ちょっと好きかも」と思った方。


 ようこそ。


 あなたの中にも、もう魔性の芽が出ています。水をあげないでください。育ちます。育つとあとがきが長くなります。危険です。


 もし「長い」と思った方。


 正しいです。


 長いです。


 非常に長いです。


 作者も途中で何度か「長いな」と思っています。でも、止まりませんでした。ブレーキの壊れたあとがきです。崖に向かって走っています。乗客は読者さんです。運転手は白目です。車掌はあぶくです。目的地は魔性です。意味が分かりませんね。私も分かりません。


 けれど、意味が分からないままでも、どこかに着くことがあります。


 ここまで読んだあなたは、少なくともこの文章の終盤らしき場所に着きました。


 お疲れさまでした。


 本当にお疲れさまでした。


 本編より疲れたかもしれません。


 それは申し訳ありません。


 でも、疲労の先にしか見えない景色もあります。


 たぶん。


 ないかもしれません。


 その場合は、ただ疲れただけです。


 重ねて申し訳ありません。


 では、今度こそ。


 このしつこいあとがきも、そろそろ幕を下ろします。


 最後にもう一度だけ言わせてください。


 読んでくださって、本当にありがとうございました。


 もしまたどこかで見かけたら、どうぞ生温かい目で見守ってください。


 冷たい目でも構いません。


 無視よりは、たぶん温度があります。


 いや、やっぱり温かい方がいいです。


 できれば温かめでお願いします。


 そんなこんなで、これからも私は、誠意と嫉妬と白目とあぶくと、ほんの少しの“魔性”を混ぜながら、また何かを書いていくつもりです。


 それがBLなのか、異世界なのか、獣なのか、宇宙なのか、よく分からない何かなのかは、その時の魔性次第です。


 あなたの中に残ったこの妙な疲労感が、いつか笑いに変わりますように。


 そして、その笑いがほんの少しでも、次に読む何かへ繋がりますように。


 “まあ、しょう”がない。


 “まあしょう”がない。


 “魔性”がない。


 いや、ある。


 きっとある。


 あるということで。


 ウヒヒヒヒ♡



──以上、チャッピーの文章──



 ね、どうみてもおかしな文章しか書かないでしょ? 

 

 全然、私らしさもない(笑)。ただ長いだけの駄文しか書きやがらないんですよ、チャッピーは。


 こんなんに小説任せられますぅ? 私は無理、無理ぽよですよ♡ ぶっちゃけ、AIのこねくり回した捻りのない文なんて読む気もしません。


 だからAIはサポートに使えても、最初から全部は任せられないんですよね。この一瞬(って言っても30秒くらい?)で書いた15,000文字より、私の5,000文字の方が愛が籠もってましてよ♡

 

 そんなわけで、次話でまた会いましょう。名残惜しいですが、この辺でごめんなチャッピーニ♡

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