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彼らとの最初の出会い



中尉に案内され、アドリアンは施設の奥、かつては教室だった部屋へと足を踏み入れた。

そこには、制服を着た12歳から16歳ほどの少年少女たちが整然と並んでいた。

制服はどれも見たこともないものだった。サイズも適当ではなく体格に合わせられていた。

通常兵装よりは軽装に見えた。

動きやすさを考慮されてるものらしい。

何人かは上半身を覆うマントをつけている。

軍帽はほぼ正規のものに近かったがこれも少しデザインが異なっていた。

マントの内側にはいくつかの武器が隠されていた。

耐刃性もあることは後でわかった。


ふと彼らの目をみる。彼らの目には怯えも、感情もなかった。

まるで命令を待つ機械のような静けさ。


「彼らはある程度感情を制御する訓練を受けている。だが……一人ひとりは、戦争が普通の人生全てを奪った“普通の子ども”だ…」


ヴァイスナー中尉の声が小さくなった。

その目だけが、少しだけ寂しげだった。

随分と遠回しな言い方をする人だとアドリアンは思った。どう言いたかったのか、なにをいいたかったのか…

そのとき、一人の少年兵が視線を上げ、アドリアンと目を合わせた。


小さな体。といっても彼らの中では少し年長のようだった。

だがその目は、鋼のような硬さを持っていた。


アドリアンの心が、わずかに軋んだ。


「……俺はこの子供達と戦場に行くのか?」


彼は誰にともなく、そう呟いた。


執務室でアドリアンは中尉から部隊の詳細の説明を受けた。

アドリアンには護衛任務というのが少し引っかかっていた。

「お話うかがったところ攻撃地点まで護衛というのは分かります。後方でも部隊そのものを護衛するというのは…」

アドリアンはわざと聞いてみた。

中尉はどんな答えを出すのか。

中尉は背中を椅子に預けて話した。

「そんなことはわかってるだろ。戦場には敵も味方もない。狂気の世界だ。人を簡単に魔物に変える…昨日まで良心的だった一市民をだ…戦場とはそういうシステムだ…そこに子供を送り込むんだからな…」

中尉は少し不機嫌そうな言い方だった。

そんなことは聞くな。聞かなくても分かるだろ。と言いたげだった。

アドリアンもそれはわかっていた。

まだましだった。子供を守ろうとするかけらは、体裁かもしれないがあった。

子供を戦場に出すための言い訳程度だが。



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