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081話 総長、マッチポンプのラ・メール攻略【ゲーム世界編②:魔物の選別:高魔47士 結成】

<イツキ・ルノワール サイド>


「皆の楽園はたった今、消失したわ。不満なものは去りなさい」


魔物達にそういったのだけど、去るものは誰も居なかった。

私的には7割位の魔物が去ると思っていたのだけど。


「イツキの懐に一度でも入った者達は、その居心地の良さに去るなんて事、ありえないわ」

そう言っていたオーラル達の言う通りだった。

賭けに負けたので、後でオーラルと竜達にスイーツを大量に作らないと。

面倒だけど、悪い気分ではないのでたっぷりとサービスしようと思う・・主にカロリー超盛で。


「皆の気持ちは分かった。少し早いけど進化の第2段階に進むわ。ここで戦闘員と樹都じゅとオーラルの開拓民に振り分ける」

「「「????」」」

「樹都!?それって、以前話した私の理想都市!覚えてたの?イツキ」

そりゃエルフみたいに森の中に住むなんて聞かされたからね・・今の魔物達には意味が分からないでしょうけど。

「あの・・私も開拓民になる可能性が?」

「ドリー達幹部は戦闘員候補よ。それにあなた達は既に第二段階はクリアしているわ。第三段階に進むからね」

「「「はい!」」」


私は、手の平から小石サイズのスライムを生み出し、皆に見せる。

「まず、第2段階に進む皆には、この新種スライムを『うるるんスライムよ!』・・食べてもらうわ」

「オーラル、気軽に名付けしないで。神の名付けは解除が出来ないのよ!」

この新種スライム『うるるんスライム!』・・私の思考にまで介入しない!

ったく・・・このうるるんスライムは、魔物が体内に持つ魔石を包み込み、発氣を糧にして共生するスライムだ。


「この、可愛い魔物達と一緒に暮らしたい」

オーラルがそういうので、色々と想定して魔物達には手始めに発氣を教えたのよね。

(え?スライムばかりだって?確かにそうだけど、スライムの細胞って単純で放射線操作で色々と加工しやすいのよ。)

当初は魔物自身の魔力を餌に、と考えていたけど、それだと低位の魔物は生命維持に問題があったのだ。

うるるんスライムと共生する利点は、魔物特有の狂気を抑え、理性や知性をスキルの応用で付与する。

そして共生後、数年程度で性別や生殖機能(ここの魔物達は何故か無性※)を発達させる。

最終的に個性を確立して魔族という【亜人】に成長させ、オーラルの樹都民にする計画だ。

※幹部達は「性別があったらイツキ様はどっちがいい?」と聞かれ「女の子」と回答以後、女子扱いする事になった。


スキルの応用については、前のゲーム世界で床上手スキル【ヴィーナス】を成長・解析した成果だ。

そういえば、ゲーム世界が崩壊してからヴィーナスは行方不明なのよね。

そして、私の謎空間に行った際に意識体も居なくなった。

あの意識体が蓋だったようで、謎空間で意識体が消えてからは本当の?意識体が使えるようになった。

あれは何だったのか?いまだ不明だけど悪いものではないとは思うし、また会える気がする。


「狂気を削がれた者達は私の謎空間で開拓民に。狂気の代わりに闘争本能に目覚めた者達には戦闘民として選別するわ」

「「「「げぎゃーーー!!!」」」」

「私はイツキ様と一緒だよね?」

【黒の裂虎】もふわん(オーラル命名)が可愛い事を言ってくる。

名前については、【わん】じゃなく【にゃん】だろう。と、オーラルを問い詰めたが『インスピレーションが降臨したの!』と意味不明な理由で一蹴された。

「そうよ。もふわん達とは一緒よ」

「わーーーい!」

・・・まあ、性格は忠犬そのものなのよね、この娘は。

もふわんは、その能力により危機に陥ったことがないので基本のんびりやさんだ。

特殊能力のため、能力だけならドリーよりこの娘のほうが強い。

その能力とは【確定未来】。色々と制限はあるけど、思った通りの【コンマ数秒先】の未来実現を回数制限無く出来るのだ。

だから襲われても簡単に逃げられるし、獲物には牙を突き立てる直前の確定未来で簡単に狩りが出来る。

もふわんが本気になった場合、今の私では捕まえることは難しいだろう。


全員にうるるんスライムを与えて、狂気が抑えられた個体達は私の謎空間に送り、【3侯鬼】に師事してもらうことになっている。

狂気の代わり闘争本能が芽生えたのは計43体、弱い魔物達が進化したのは想定外だった。

なお、黒王と雷帝は知能は高いが、狂気も持ち合わせていた為、進化の第二段階を行った。

その2体を将軍として、更に2体を追加して戦闘集団【高魔47士】とした。

その内訳は・・・

 元帥x1 3つ首ドラゴン?

 将軍x3 黒王・雷帝・酒星シュセイ

 属性ゴブリン部隊x8

 重装甲隊(大型種)x13

 空挺隊(飛空特性)x8

 後方隊(遠距離攻撃・救急隊)x7

 暗殺隊x4 キングムナガノーシカ等

 偵察隊x3 エンシェント・タラカーン等


うんうん、少数精鋭とはこの事だろう。

予想外は、トカゲ系の仲良し魔物達が合体して3つ首のドラゴンみたいな種族になった事だ。

ティエとフィルが影で動いていたようだけど、知能と戦闘力を併せ持つトップにふさわしい存在の為、元帥にした。

それと、キングムナガノーシカとエンシェント・タラカーンはオーラルと一緒に子爵邸からついて来た古老のムカデとゴキブリだ。

黒王や雷帝の体毛の中でごちそう(寄生虫)三昧の優雅な生活で表にまったく出てこなかったので、その存在をすっかり忘れていた。

あと2体魔物がいれば47士になるのに・・と残念がっていたら2匹が立候補。

試しにぷるるんスライムを取り込ませたら急成長、今では巨大化もしている。

オーラルのお願いをこなす程度に知能は高かったけど、魔物だったんだね。


「そして、幹部達には・・・これよ!」

それは、イツキの無属性エネルギーを圧縮した高濃度エネルギーの魔石だった。

聖人を凌駕する程の莫大なエネルギーを内包したこの魔石は、もう神器といってもいいだろう。

「これほどのものを・・我らに?」

「このまま取り込むと100%こいつに飲み込まれるわ。自分のものにするために自分の色を付けなさい。取り込むのはそれからよ」

「・・・色?ですか」

「あなた達の魂の色に染めるのよ。しばらく身につけてじっくりと・・・え?」

「・・・余裕」

【幻想オロチ】リボンがパクリと魔石を咥えると、魔石は透明のままだったが感覚的にリボンの魔石と同一色になった事が分かった。

この娘、物質と同化する事に特化した【一切合切】という変なスキル持ちなのだけど、まさかこの魔石と同化出来るとは。

「頂戴!」

可愛くお願いされたので否はない。

リボンの頭の魔石に無属性魔石を近づけると、するっと吸い込まれた。

今は何も変わらないけど徐々に進化していく事だろう。


その融合時、ついでにリボンの魔石からエネルギーの異物を完全に排除した。

大気に紛れる一部のエネルギーには取り込むと身体が強化されるものがあるけど・・これ、どこか怪しいのよね。

私の謎空間でも、このエネルギーは異物として自動的に排除されている。

この怪しいエネルギーを、同化の得意なリボンは無意識に取り込んでいたようだ。

まあ、私の魔石を取り込んだから、もう侵入する事は出来ないけど。


「ドリー、もふわん、黒ブサ、焦っちゃ駄目よ。これはリボンのスキルだから」

見るからに焦りだしている3名に注意をする。今回の件はリボンが特殊すぎるのだ。

「「・・・はい」」

「ん?・・あれ?思わずその気になってたけど俺も魔物枠なのか?」

黒ブサが珍しく知能を使ってしまった。これ、言ってもいいかな?

・・・まあいいか、悩むのこいつだし。


「黒ブサにも魔石があるのよ、それもでっかいのが。父親の黒鬼には無いから母親が魔物だとか?まあ、それは黒鬼に聞きなさい」

「そういえば・・親父は実父じゃないって。どうでもいいから流してたけど。おおっ!?つまり俺って魔物とのハーフなのか!?なんか強そうだ」

結構ハードな事実と思うんだけど・・こいつのカチカチ脳筋には効果がないようだ。

やっぱり、こいつの心配などするだけ無駄よね。

「実際に強くなるわよ。鬼の強靭な体、黒鬼特有の闇属性、そして体内の魔石。すべてを順調に強化すればね。あとは同系統のドリーと二人で切磋琢磨し合いなさい。スペックは黒ブサのほうが高いけど、ドリーは戦闘特化スキルと戦闘視野の広さがあるわ。ドリーはその視野特性を使った巧みさを磨きなさい」

ちなみにドリーのスキルは【闘魔】だ。魔力・発氣・筋力をすべて強化するガチガチのパワータイプなのだが、天性の視野の広さと素晴らしい解析力を活用して、武道で言う【後の先】が得意なのだ。

「はい、分かりました」

「ほー、俺のほうが強いのか?ならドリー、俺を兄貴と呼べ」

そう言って調子に乗り出す黒ブサの頭をひっぱたく。

「調子に乗らない。今ならドリーのほうが格上よ。才能があっても奢りが足かせになるわ・・あと、そういうときは姉貴よ」

「くくく、そういうことだ、妹よ」

「ちぇ・・ドリーの姉貴、よろしくな」

すっかり居場所と仲間達を得て、とても楽しそうな黒ブサだった。


「ふふふ、イツキ殿に預けて正解でしたね」

「うむ、死んで心残りだったあの娘の・・笑顔を見て安心出来た」


だが、その光景を黒鬼父と魔王が微笑ましそうに見ている事に本人はまったく気づいてない。

ドリーは視野が広いから気づいているけど、からかうと面倒なので黙っている。

こういう微笑ましい昔話は、成長して地位が上がるほど受けるダメージが大きくなるのよ。

まだまだ修行が足りないわね。


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