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075話 総長、マッチポンプのラ・メール攻略【ゲーム世界編②:もふもふとの別れ】

<イツキ・ルノワール サイド>


「あなたとの子供が出来たわ!」


フィーネをしごいていると、いきなりぶっこんできた天狐のくーちゃん。

そして、脊髄反応で即座に呼応したのはオーラルだった。


「嫁入り前のくーちゃんに手を出したの!?イツキ!そんな娘に育てた覚えはないわよ!・・はあ〜っ、もう終わったことを責めても無駄よね。さあ!責任取るのよ。今すぐに祝言よ〜!」

うるさく騒ぎ立てるが、つい最近まで敵だったあなたに育ててもらった覚えはないわ。

そもそも、くーちゃんは精神生命体なので生殖行動など基本はしない。

「そういえば・・そうよね?」そう説明するとようやく落ち着いた。


「くーちゃん、端折らないで【き・ち・ん・と】説明してね」

「ひゃ!・・す、すまない、嬉しくてつい」

くーちゃんの話を纏めると、(くーちゃんの一方的な思考だけど)私というつがいを得て【次は二人の娘が欲しい】と想ったそうだ。

で、その翌日・・今朝ね。新たな生命の息吹がお腹に宿ったそうだ。

ん?・・・それって、私は全く関係なくね?

そう思ったけど、これから子供のために私の力を分け与えて欲しいとの事。

どうやらこれから関係があるようだ。

くーちゃんだけでは自身のクローンになってしまうらしく、私の力を混ぜる事で新たな生命体として確立するそうだ。

ちなみに、未来の娘は天狐とは全く異なる生命になるとの事。

精神生命体って・・・何でもありなのね。


そういうことなら現状のエネルギーを提供するけど、それだと平凡な生命になりそうね・・もっと根源的な力を与えたい。

・・・ねえ、意識体。未来のかわいいもふもふに力を貸さない?

そう心の中で問うと、嬉々とした雰囲気を感じた後に右手のひらに意識体のエネルギー、淡い赤色の光球が収束された。

あんたは本当にもふもふに全振りよね・・本当に私の意識体なのかしら?

じゃあ私も、放射能から得たエネルギーを左手のひらに収束させ、無色の光球を作る。

無色の光球を意識体から得た淡い赤色球に吸収させると、赤色が濃くなり輝きが増した。


「ほい出来た。くーちゃん、これをどうすればいいの?」

「お・・思った以上にすごいエネルギー。これはすごい娘になるわね。それを口に入れてくれればいいわ」

くーちゃんはそのままごっくんと飲み込んだけど・・・大丈夫かしら?

ん?なにかお腹の中から【ふぎゃぎゃーーー!!!】とか、断末魔の悲鳴のような思念がキンキンと飛んでくるんだけど?

「私の力を土台として、イツキがくれたエネルギーを腹の子が取り込み制御するか、膨大なエネルギーに飲み込まれ消滅するか?長い戦いになるのです。私はそれを見守るだけ」

え・・・あれと戦うの?良かれと思って意識体に協力を仰いだので周囲数十キロは消滅する程のエネルギー量だったけど・・ついでに私のも込めたし。

精神生命体は生まれる前からスパルタ教育なのね〜、がんばれ!未来の娘よ。


【ちゃしゅけつえーー!!】

「おお、我が娘も喜んでいます」

「”助けて”て聞こえるわよ?・・・絶対に違うと思う。生まれた娘に殺されないように気をつけてね」

「ふふふ、こんな小娘程度、数千年は負けませんよ」

「・・・ならいいけど」


その後、くーちゃんは子供を見守るために落ち着いた場所に行きたい、との事だったので私の固有空間に行って貰うことにした。

思念で座標を教えると、くーちゃんが早速ゲートを開いた。

ついでに心配しているであろうソフィアに言付けを・・あ、そうだ。土産にあれを作ろう。

両手だけ私の固有空間に入れて、膨大な魔力を使ってドラゴンデストロイヤーの装備品である剣とドレスタイプに修正した軽鎧を作成する。いずれも更なる上位品だ。

魔力はゲーム世界とは別の場所のものを、別の場所で使用するのだから違反にはならないだろう。


「くーちゃん、誰か見つけたら【私の紹介】といって、アリ型神獣のアリスの元に行ってね」

「アリスだな?分かった、ここ・・すごいわね。住みついてもいい?」

「無駄に広いし別にいいよ。あと、この鎧と剣をソフィアに渡してくれる?」

「ソフィア・・義妹への土産だな、分かったぞ」


ふと、視線を感じて右後方へ振り向くと、ボロボロと泣いているダリアちゃんがいた。

『イツキと別れる・・・寂しいけど、私もくーちゃんと行く!』

「まだグリフォン達が襲ってくるかもだし、そのほうがいいわね。そうね・・なら私の妹のソフィアの相棒になってくれるかしら?一緒に修行して強くなりなさい」

『ん・・・会って判断する』

「よろしくね、きっと気に入るわよ」

このようなやり取りの末に、くーちゃんとダリアちゃんは私の固有空間に移住していった。


のだけど・・・それまでの間、私の内面では大変な事になっており、それこそ苦行だった。

内なる意識体が「もふもふ・・いかないで!」と暴走寸前の大騒ぎだったからだ。

並列思考総動員で事情を説明したりなだめたりと、なんとか落ち着かせる事が出来たけど、意識体は拗ねてしまって何を言っても反応しなくなった。

ふうっ・・可愛いくてもふもふな仲間のゲットが最優先事項になりそうだわ。


だが、この意識体は精神が幼すぎる。この出来事でこの意識体は私のものではないのでは?

という疑念が確信になった。

だだ、私との適合性は完璧で全く関係のないものでもない。

こいつは何者なのか?今後は慎重に見極めていくつもりだ。

その意味で言えば、意識体が反応しなくなった事は解析が進むので幸いでもある。


しかし・・戦闘時の課題が増えてしまった。

爆発系統は強力すぎて使えず、意識体も駄目。相手を殺さないようにコントロール出来る力の獲得が急務なのに、困った状況である。

プラズマレーザーとかもやってみたけど、簡単に銀の山に穴を開けたし、プラズマファイヤなんて億に届く温度に。爆発系統の技よりヤバく使えなかった。

正直、【相手を殺せない】という縛りがここまで面倒とは思わなかった。


さらに困った事は【私の仲間も戦闘時に相手を殺せない】そうなのだ。

これはオーラルが「私、ゲームマスターに確認できるよ?エネルギー搾取でつながってるから」というので確認してもらったのだ。

そういうことなので、加減が出来ない黒王と雷帝は除外だろう。


まあ、いくつか考えはあるので色々と試してみようと思う。

魔王の領地まであと2日。黒ブサ達を実験だ・・鍛えながら、実践の中で最適な技を考えていこう。

やっぱり戦闘は楽しくないと駄目だからね!


だが、この「戦闘たのしー!」を推進するイツキに激怒する仲間が現れる。


「イ〜ツ〜キ〜?あなた私を解放するためのゲームだって事、忘れてないわよね?」

それは、長年ゲーム世界に拘束され、力を搾取され続けている存在、オーラルだ。

「・・・そういえば、そういう目的だったね。でもさ、ゲームなんだから遊ばないと」

そういったら噛みつかれた。イタタタ!なにするのよ〜!


「私はね、一刻も早く解放されたいの!だって、イツキの内面空間で私が住んでもいいんでしょ?言ったよね?なら、かわいい生物を集めた・・私の楽園を作るのよ!」

あー、そうえいばそんな事を言ったような。でも少しは遊んでもいいんじゃない?

「だめよ!それに戦闘方法が無いなんてのも嘘よね。相手を殺さずに【楽勝出来る戦闘】方法を既に考えているのは分かっているのよ!思考を共有した際にちらっと見えたんだから」


見えちゃったか・・まあ、それなら仕方がない。

オーラルの事は気に入っているし、私の内面謎空間の管理人にしようかとも思っているので、機嫌を損ねられるのは困る。

確かにこの方法を使えば負けることはほぼ無いだろう。先の魔王達程度なら問題ない。


「分かったわ、ならこの2日間で完璧に仕上げるわよ。オーラルの為だものね」

「・・・その言葉、1年前のゲーム開始早々に聞きたかったわ」

「いや、ウランが手に入ったから出来ることだから」

「そうなの?なら期待しているわよ〜、私も協力するからね!」

「いいの?結構大変なので躊躇してた面もあるのよ。じゃあオーラル達も頑張ってもらうよ」

「??? もちろんよ!言い出しっぺは私なんだから。どんこ来いだわ!」

「ふむ、オーラル殿のためなら」「そうだな。俺も賛成だ」


「「「勝つためには何でもするわ!」」」

「分かったわ。なら早速始めましょう・・・早く同調できないと死ぬかもだし」

「「「・・え!?」」」「ぐぉ?」「がああ?」

そしてイツキは【楽勝出来る戦闘】の力を解放する。


「「「「「ぐえべし!」」」」」


速攻で先の決意を後悔する事になるオーラル達だったが、魔王の国までの道のりを休憩無しの48時間訓練を、なんとか耐え抜くことが出来た。


「まあ、及第点ね。さあ行くわよ!」

「「「「「・・・・・」」」」」


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