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074話 総長、マッチポンプのラ・メール攻略【ゲーム世界編②:突然現れた2人の面談】

<イツキ・ルノワール サイド>


自分の深層意識である意識体とのきっかけは得ることが出来た。

異常な程のもふらー対策は思いつかないけど・・焦らず気長に対話していきましょう。


さて、さっきからうるさい宵闇剣デウスとドラゴンデストロイヤーの話を聞きますか。

「まずはデウスね。あなたは主のエネルギーを糧にするタイプよね?」

『おおっ!我が姿を見ただけで・・流石は我が主と見込んだ存在だ!』

だってねえ・・・こいつには剣というのに剣身がないもの。

デウスの姿は柄すらない真っ黒の持ち手だけなので、映画などで出てくるエネルギーソードを想像したけど正解みたい。

予想通りではあるが、それなりに興味が出てきたので早速デウスを掴んでエネルギーを送り込んでみる・・が、発動はしなかった。

「あれ?出てこないわよ」

『ふふふ、主よ、そんなにがっつくな・・至高なる我を求めるあまりの無粋な行動だろうが、それは愚行というものだぞ』

む、生意気ね・・・なんか捨てたくなってきた。

いえ、得難い武器になるかもだし、もう少し我慢して聞きましょう。


『我は、主の魂そのものを剣身にするのだ。だがな、それなりのリスクも存在する。それはだな・・』

説明が長そうなので勝手に使ってみよう。

将来敵になるかも知れない魂との接続は避けて、意識体の方で接続してみましょう。

意識体は私の意にはならないけど、強引に接続するくらいは既に出来る。


頭の中でもふもふをイメージすれば、嬉々としておびき出された意識体。

そこに強引にデウスを接続、そのまま発動させると美しい剣身が現れた。

根本は夕焼け色で徐々に青みがかかり、先端部は黒く染まっている。

へー、だから宵闇なのね。とても綺麗な剣身だわ。

だが、そのまま如意棒のごとくグングンと伸びていき、ついには空の彼方まで到達して何かを破壊したようだ。

エネルギーソードなのでこれだけ伸びても全く質量を感じない。使い方次第で役に立ちそうだわ。


この伸びた剣が自ずと出口に向かい・・ゲーム世界への入口【漆黒の門】の扉を破壊した。

「なんだこれは!?やばいぞ!生贄追加だ!」

ダメウウト達が発狂している状況は割愛する。


『こ、こら!我の話を聞かんで・・おおっ!・・これは!これが宵闇剣なのか!?・・ううぅ、うわ〜ん!』

うわっ、グリップから水が出てきたわ・・しかもヌルヌルするし、なんかばっちいわね。

何故にいきなり泣き出したの?思わず捨てたくなったが・・

『いいにおい・・これ、栄養満点だよ!おいしー!』

グリフォンのダリアちゃんが近づいてきて美味しそうに舐めだした。

いままでダリアちゃんに警戒(照れていただけ)されていたので、これ幸いとそのままダリアちゃんを抱え込んで羽モフを堪能しながら、ついでにデウスに泣いている理由を聞いてみた。


『ううう・・わが剣身を・・初めて・・見た』

「はぁあ?」

えらそーに講釈していたのに、今まで自身の剣身を出したことがないらしい。

まあ、剣身にする程の大きな魂を持つ存在が居なかったらしいので、仕方がない?のかな。

ちなみに、こいつを使用した過去の使い手達は、剣身を形成する前に魂をすべて引き出され、いずれも御臨終だったそうだ。

「理由は分かったけど・・天まで伸びた剣はどうすればいいのよ?」

『知らん、初めて見たのだからな。自分でなんとかしろ』

無責任な奴。だけど何かに引っかかっているようで動かないんだよね。


イツキがガコガコ動かしたことで、ゲーム世界への入口【漆黒の門】付近は阿鼻叫喚だったが・・割愛する。

なお、幸いにも世界をつなぐ門枠だけは壊れなかったようだ。


操作ね・・私の意識体はもふもふに忠実なんだから・・・これならどう?

もふもふ好きの理想の形、意識体が初めて飛びついた、くーちゃんの尻尾を想像してみたら・・うまく変化出来た。

ただ、宵闇色の尻尾に『おま!?なんじゃこりゃー!』宵闇剣デウスがご立腹なのはちょっと笑えた。

うるさいデウスには「文句があるならあなたが調整しなさい」って黙らせたよ。

これ、ふわふわの掛け布団として使えそうだわ。

意識体にも、もふもふソードが気に入られたようで発動も簡単になったし、デウス採用よ!


『ぐむむ、ちっとも嬉しくないぞ!主になってくれるのはありがたいが・・・いや、今は致し方なし。我も研鑽していくので、よろしく頼む』

「良い返答だわ。私もいつまでも掛け布団のままにはしないからね」

これで宵闇剣デウスの件は終了。さて次はドラゴンデストロイヤーね。


「フィーネだっけ?あなたは強くなりたいのよね」

「はい、更なる高みを目指して・・憎き金竜を抹殺するのです!」

金竜?なんか聞いたことあるけど・・まあ、今はどうでもいいわ。

しかし、フィーネの強さの停滞って・・簡単な理由なのに自分の事は分からないのね。

でも、自分で考えて答えを導き出す事も必要よね?

なら、ヒントを出して自分で解を出させましょう。


「いくつか質問するわよ。その鎧と剣はあなたの力を増幅させているのよね?」

「はい!我が国・・既に失われた国ではありますが、国宝でした!」

神器・・まではいかないけど、それぞれに意識が芽生えている事が分かる。

ソフィア用に欲しいくらいの名器だわ。


「武器防具は常時装着しているの?」

「はい、いつ金竜が来てもいいように!寝る時も装備してますし、お風呂も一緒に入っています」

ふむふむ、やっぱりね。名器なのにずいぶんとヘタれていると思っていたのよ。


「あなたは毎日きちんと鍛えているのかしら?」

「はい、暇さえあれば全身を鍛えています!おかげさまで最近はいくら鍛えてもまったく疲労しません!」

力を増幅させる鎧を装備したままだから、筋力なんて付くわけないのよね。


「これが最後の問よ。ここ数年、全力で戦ったことある?」

「・・・ないですね、私も成長しましたし。それに極悪なドラゴンって意外と少ないのです。普通の魔物は聖剣で軽く一撃ですから」

すべては武器防具任せ、頑張った気になっているだけ。これで強くなるわけないでしょうに。


「はあ・・どう?これで強くならない原因が分かったでしょう?」

「・・・・え?」

だめだわ、まったく理解していないわ。

『お主・・おつむは残念なのだな』

「頭ですか?頭の装備は見た目シンプルですが、国の至宝ですので防御は万全ですよ」

デウスにすら馬鹿にされてるし、しかも気付かないし。

元王女様という世間知らずで・・しかも脳筋。

あー、もう知能は諦めたわ。シンプルに体だけをビシビシ鍛えてあげるわ。


「強くなるためには・・フィーネ!脱ぎなさい!」

「え!?」

一瞬、驚愕したフィーネだが、何故かすぐにスケベな顔に変貌していった。

今回はフィーネの脳内思考を披露してみよう。


えっ!?まさか私の体が目当て・・でも、それはそれで、ありかも?

・・しかも師匠で幼女の属性付き。これ最高じゃん!?

いや、がっついては駄目よ、まだ早いわ!

まずは親愛を深めて、お風呂で肌をかさねてから・・ぢゅふふ・・ぎゃ!


だらしない顔のフィーネのおでこに電撃デコピンを食らわせた。

まったく・・眼の前の幼女(イツキは現在幼女姿)に対して、妄想で顔を緩ませているんじゃないわよ。

どうやら最近急に性に目覚めて、ここには居ない従者と色々と妄想を膨らませている最中で、ついつい妄想してしまったらしい。

いや、それを鼻を膨らませながら興奮して説明しなくてもいいんだよ、興味ないし。


「装備をすべて外して体を鍛えろってことよ!今すぐ走れーーー!」

「は、はい!」

性欲で体を持て余しているようなので、そんな事が考えられないようにいじめ抜いてあげましょう。

それと・・こっちもどうにかしないとね。

放射能から得られる潤沢なエネルギーをどう使おうか?と考えていたんだけど、いい案を思いついた。

まずは、右手の細胞を改造して各細胞から水を生成するようにする。

更に水の生産時に密度を高めたエネルギーを混合、仕上げに簡単な意識を植え付ける。

その結果、スライムのように粘性のある擬似生体になった。


「出来た!自律行動するエネルギータンクスライム・・・種族名はどうしようかしら?」

「モチモチ がいいわ!」・・オーラル、適当すぎじゃない?

しかし、神からの名付けなのでどうすることも出来ない。

こいつの種族名はモチモチスライムとなった。

ちなみにくーちゃん、ダリアちゃんも、本人確認もせずにオーラルが速攻で決めてしまった。


さて、このスライムの効果だけど・・・

「オーラル、ちょっとこのモチモチに体を入れてみて」

「・・・いたずらじゃないでしょうね?」

「私がそんな事・・今回はしません。治癒能力があるはずだから試してみて」

じっとりと疑惑の眼差しを向けてくるオーラルの圧に負けて正直に効能を話す。

オーラルは信じてくれたようで、尾からにょろにょろとモチモチスライムに入っていく。


「ほぅぁ・・・これは気持ちいいわ。治癒風呂ってところかしら?」

ふむふむ、想定通りだね。普通の人には絆創膏程度の効果だけど、力に満ちた存在は自然と外部から力を取り込めるので、このスライムの効能が高い。

しかも、命令をすれば主のそばをつかず離れずについてくるし、食事を取ればエネルギーに変換して自身の体内に貯蓄する。

そして、これは魔力を必要とする魔道具にも使えるのだ。

それなら私自身も魔力に変換して使えるのでは?と思われるだろう。

その通りなのだけど、ゲームの禁止事項に該当する可能性があるため使えないのだ。


さて、今のうちにフィーネの武具・防具を治療しておこう。

オーラルに「これは私のね!もっちー!よろしくね」と初号機スライムを取られたので、新たにモチモチスライムを作ってフィーネの鎧と聖剣を投入する。

「どう?力が満ちてくるでしょ?」

『・・・感・・謝・・・』

『フィーネ・・役・・立てる・・』

たどたどしい武器・防具の言葉を纏めると、本来は主の魔力を糧にするらしいが、国を滅ぼされた復讐のため、魔力の少ないフィーネの負担にならないよう自身の身を削りながら戦っていたそうだ。


「気持ちは分かるけど、ちゃんとフィーネにも話しなさいよ」

『・・否!・・我ら・・娘・・守護・・』

『かわいい娘・・フィーネ・・守る・・負担・・だめ!』

フィーネは赤子の頃から剣と防具に異常なほどの興味を示し、それこそぬいぐるみのようにいつも一緒にいたらしい。

金竜からの被害をまぬがれたのも、そばに居た剣と防具が守ったからだそうだ。

そのためか、今ではすっかり親気分になっているようだ。


「・・・もう、頑固ね〜。でも、その強き意志は嫌いじゃないわ」

フィーネはさておき、この鎧と剣のために力を貸そうと決めたイツキだった。


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