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062話 総長、マッチポンプのラ・メール攻略【ゲーム世界編:イツキ、ブチ切れる!(後編)】

<イツキ・ヴァーナム・エッセリウ サイド>


やっぱり力の限り戦えるのは楽しいわね。


前の体では手加減が難しかったけど、今の体はチャンネル設定のようにレベルが設定出来る様になった。

たとえば出力10%に設定すれば、全力戦闘しても10%の枠内で行うことが出来る。

私は強者との戦闘経験が少ない。強大な敵との戦闘で精神面の修行がしたいと、かねてより思っていたのだ。

これで相手より弱めに設定して戦闘で修行を楽しむ事が出来る。最高の能力を得ることが出来た。


だけど、今度は相手の強さを判定するのが難しいという問題が。

この天界太神も予想より弱かったし・・・まー、強くなったみたいなので、今度は劣勢を楽しみましょう。


ラースを手に持ち鞘に納め、強くなった天界太神に向かって【抜刀、神雷刃】を放つ。

抜刀から放たれた青と白の雷撃が天界太神をつらぬ・・けなかった。

天界太神が周囲に纏う神聖なるオーラによって霧散させられたのだ。


「ふふふ、言ったであろう。先の数十倍の力だと。既に世界神と並び立つ強さを得たのだ!」

「いや、聞いてないけど?」

「そうだったか?なら思い残すことはないだろう。神柱になれ!」


天界太神が瞬間転移と見紛う速度の移動で眼の前に現れ、神風のごとき左拳を振り下ろしてくる。

その左拳に幻魔刀ラースを抜刀で叩きつけるが、切れるどころかラースもろとも左拳を叩き込まれて吹き飛んだ。

吹き飛ばされて地面を転がってる所に上空からのドロップキックを叩き込まれて地面に埋まる。

そこから、むんずと体を掴まれて土中から引き出される。


「・・・がはっ!」

「弱い。弱いのう。最後だ、次期世界神の我を敬え、従え」

「・・・いやよ・・・生理的に無理・・・だもの」

「そうか。封印【送り碑捕びと】」


エンシェント・ドラゴンのフィルすら吐き気を催すような、膨大な神力が込められた神聖球体に飲み込まれたイツキは、収縮していく光の玉に飲み込まれた。

・・・なんてことはなく、逆にエネルギーイーターで光の玉をすべて飲み込んでしまった。

「な!?」

「天界太神・・今回は私の負けよ」

「うぇあ!?」


必勝の封印術を破られて動揺したところにイツキからは「私の負け」と言われ、ちんぷんかんぷんの天界太神。

混乱中の脳内を無理やり落ち着かせ、なんとか態勢を立て直す。

「つまり・・我に服従するという事か?」

「いえ・・手加減して劣勢の中で修行しようと思ったのよ。でもレベルを見誤って・・無様に殴られて・・ラースを壊されて・・ムカついたから、前言撤回して全力でぶっ潰すのよ!」

「ん?全力?・・・どういう事だ?」


つ・ま・り!イツキには最初から我慢など無理だったということだ。


ましてや、一方的に殴られるなんて・・絶対に無理!

どこかできちんと我慢の修行をしないとな〜、とは思いながらも、殴られ・・臭い足で踏み潰された・・この屈辱は・・怒りを抑えられないわ!

しかも、天界太神の初撃でラースがひん曲がってしまった。

天界太神のレベルを見誤った未熟さへの怒り、仲間を痛めつけられた怒りも加わり、劣勢を我慢できなかった怒りと、自分で負けを口にするほど全てに対してブチギレていた。


『なあ、やられて怒るなら始めから全力で戦えば良かったのでは?』

『お前など10%の力で・・ぐは、負けた!って、恥ずかしくないか?』

『あはは、考えちゃ駄目だよ。ご主人様は理解不能で理不尽、そしてひとつまみの優しさ(これが厄介なんだけど)。まずこれを覚えてね』

『『『・・面倒くさい』』』

頭がはてなに包まれていた天界太神が解を求め、遠くに居るフィルと鳥達との会話を拾う。


「うむ、あやつらの話を聞く限り、貴様の自業自得。我関係なくないか?」

そして、イツキの身勝手な怒りに正論という名のガソリンを放り込み、羞恥からの怒りも加わった。


「ふざけんじゃねーーーぞーーー!!!! この駄神がーーーー!!!」


今ここに、天界太神の力が霞む程の強大な神力を垂れ流す、ワガママで自分勝手な理不尽女神が降臨したのだった。


「おら!ラース。とっとと目覚めろ!」

イツキの神聖を込めた神力を、ラースの限界以上に濁流の如く注ぎ込む。

「らめー!そ、そこは〜!?ひょあーーー!!!」

神力は全身を巡り巡ってラースの大事な部分を侵食し飲み込んだ。するとその姿が変貌して光り輝くダイヤナックルに変化して右手に装着された。

そして、いつの間にか左拳にはブラックダイヤナックルが装着されていた。

「あなたの名前は【ペルセ】よ。ラースの番として作ったけど、嫌ならそれでもいいわ」

左拳に装着されたブラックダイヤナックルはラースと同等の存在、イツキに作られた上級神だ。


『はい、イツキ様。これから眷属神としてお仕えいたしますわ。ただ・・私を振り向かせたいならイツキ様に貢献することね、ラース様』

『ペルセ・・ちゃん!?(ぽっ)。(か、かわええ・・)いや、待て。番!?これは何なんだイツキよ!』

「聖であり氷結神ラース。肝心な時に怯える貴方が不安だったから貴方を参考に対の存在を作ってたのよ。闇であり炎滅神ペルセ、慈しみなさいね」

『怯・・・まあいい(ペルセちゃん、超絶かわええし。俺に嫁が!ありがとーイツキ〜!)。だが!後でペルセをしっかり紹介してくれよ(我のいいとこマシマシで喧伝してね!)』

「・・・分かったわ。でもペルセを籠絡するのは大変かもよ〜?」

『悪くはないけどまだまだね。そうね、イツキ様の役に立つ存在なら・・永遠に添い遂げますわよ。未来の旦那様?』

この言葉に・・この求愛?に、上級神ラースはナックルを真っ赤にしてあっさりと落ちた。

理想の妻(候補)を紹介されて、あっさりとイツキの軍門に下ったのだ。

今後はエロースとでも呼ぼうか。


『さあ、そこの小僧をボコしましょうぞ!くくく、イツキ様に我の真の力を奉納しますぞ(ちらちら、ペルセちゃん見てる〜?)』

『あらあらあら!ラース様、かっこいいわ〜♡』

・・・対のペルセもちょろかった。

自身の創造神イツキに貢献する、すなわちこれがラースからの求愛行動になるのだから。


さて、天界太神はといえば・・眼の前で繰り広げられるイツキ達の戦場に不釣り合いな会話をただ聞いていた訳ではない。

正確に言えば、全く耳に入ってこなかった。

イツキとやらからは我を上回る神力が漏れている・・そう、僅かに漏れている力すら既に天界太神の我を上回っているのだ。

しかもだ!上級神を創造したと言っている、我でも聖人クラスしか作れない・・効率が悪いので作らないが。

嘘と否定したいが、ペルセとイツキとやらとの確かな繋がりも感じる。明らかな証拠が眼の前に居るのだ。


なんなんだこいつは!?

可能ならこの隙に攻撃したのだが・・・体が動かない。喉がカラカラで声が出ないのに体中からは汗が吹き出している。意図していないのに体が小刻みに振動している。


こ・・これが恐怖か!?


「さあ、こいつをぶっ殺しましょうか!」

『おう!』『はい!』

ラースからは凍える透明な神聖力が、ペルセからは黒く燃え盛る漆黒蓮シッコクレンとでも言うのだろうか?暗黒力が、それぞれ迸る。

それを見た天界太神は、更なる恐怖が背筋を這い上がっていく。

ダイヤナックル部分のみに、神聖と暗黒が迸るならまだ分かる。

だが、イツキとやらの腕全体にそれぞれ神聖と暗黒のエネルギーが同居しているのだ。

これが神の理想・・神魔なのか?

いや、神器達で力をブーストしているので発展途上と言ったところか?


と思考したところで、衝撃で意識を失った。どうやら数発殴られたらしい。

で・・・天界太神が意識を取り戻した時には地面に転がっており、あまりのダメージに体が動かない。


「ふー、すっきりした〜!さて・・こいつはどうしましょうかね?そっちで引き取る?」

イツキが魔法陣に向かって声を掛けると、膨大な力を纏った光の塊が現れた。

『ほっほっほっ。気づいておりましたかイツキ殿。私はこやつらの世界の世界神を勤めておりますぞい』


こいつが世界神か?周囲の空間が歪んでいる。

すごい力だけど私より総容量は少なそう・・でも、こいつに戦闘で勝てる気がしない。

次元が違う?そう感じる。

うーん、私がこれから進む道筋はこの世界神のように・・やっぱりそういうことなのだろうか?

それに答えたのは世界神だった。


『うむ、イツキ殿の考えであっておりますぞい・・その答えの代わりに2つ程お願いをしてもよいかのう』

「やっぱり!いいよ、何かな?」

私に、強さの正道への道筋を教えてくれたのだ。そんな事でいいなら大歓迎だ。


『1つ目はそこの神々を回収したい。それぞれに義務あるのでリニューアルしてから再雇用したいのじゃ』

「うんいいよ、邪魔だし」

『助かりますぞ。2つ目は・・イツキ殿が内在する空間を見せていただきたい』

「ん?いいけど、どうやって見るの」

触れればいいらしいので、右手を差し出すと世界神が触れる感触があったので、私の空間への閲覧許可を与える。


『こ・・これは!?果てが見えない!?・・末恐ろしいですな』

先程、私の空間に入って確信したけど、あそこは私の魂のありかだ。

でも、普通はこんなに広くないらしく、この世界神が見た中では野球場位が最大らしい。

ちなみに、そこに転がっている天界太神の魂のありかは一軒家位の広さらしい。

『すぐにでも私より高位になりそうですな。ほっほっほっ、頼もしい限りじゃわい』

「私もとても参考になったよ。ありがとね!」


だが・・去り際に世界神の漏らした言葉に激怒することになる。


『ほっほっほっ、先にお詫びしておきますぞい』

「ん?何の事?」

『イツキ殿の力でガタついておりましたが・・私がこちらに来たことでトドメに。キャパオーバーですぞい・・つまりは、このゲーム空間は・・ほっほっほっ!崩壊じゃ〜!なんてな。でわの!』

世界神が去った瞬間に、魔法陣も粉々に崩壊した。


「おま!?ほっほっほっ崩壊じゃ!じゃねえよ!ふざけんなーーーーーー!!!!!」

これから帝国の侵略とか、プリンセス王国との前哨戦もあるのに・・どうしてくれるんだよ!


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