059話 総長、マッチポンプのラ・メール攻略【ゲーム世界編:イツキ死す?んなわけ無いね】
<イツキ・ヴァーナム・エッセリウ サイド>
とりあえず、私を汚物を見るような目で見ていたフィルを過去に戻って〆てっと。
ブルーサファイアカワウから一時的に強奪した【潜行】のスキル。
並列思考で解析してたら時間の流れにも潜航出来そうだったので改造してみた。
ただし、時間の流れが強烈で未来には潜行出来ず。
過去移動も障壁?に邪魔されて数分程しか移動出来なかった。
だけど過去への移動の際、出現時にゲートの様な事前兆候がまったくないのだから、その性能は素晴らしい。
「ぐべ!・・え!?ご主人様が二人!?あ、向こうのご主人様が消えた?で、なんで私の【神竜闘氣】をすり抜けてるんですか!?」
うわぁ・・お腹に穴を開けたのに流暢に喋るわね。
修復も始めてるし流石はエンシェントドラゴンの生命力。
「先日言ったでしょ。発氣を下地としてその外側に神竜闘氣を使いなさいって。そして闘気自身にも魔力と意思を込めなさいって」
「それは・・・使い慣れた闘氣の意識が強すぎて難しいのです。でもでも!それでもそんな簡単にすり抜けるなんて出来ないはずです!」
「貴方の【神竜闘氣】は低レベルだからね」
「て・・・ててて・・・低レベル!?上級神すら破れないのに?」
フィルの【神竜闘氣】は生まれた時から標準装備されていたスキルで、それ自体が強力なので鍛錬など皆無。
全く研鑽していないため、既にその能力を把握した私からしたらゆで卵の殻程度のものだ。
そう説明してからフィルの【神竜闘氣】をムンズと掴んですべて引っ剥がした。
「きゃ!?・・なんか恥ずかしいです」
これでようやく納得したようだけど、なんで恥ずかしがるの?
「ううう・・・言われた通り訓練します」
「鳥達もだけど、生まれたときから持ってる力も訓練次第で強化されるのよ」
まあ、そうはいっても鳥達には理解出来ていないようだから、ここは実演したほうがいいわね。
「ルビーペリカンの【フォトンレーザー】で実演しましょう」
先程ルビーペリカンから強奪して解析した【フォトンレーザー】これは魔力を神聖光に変えて放つ技だ。
その光の粒子で対象を粒子レベルで剥ぎ取る。こんなにも凄い技なのに私に向かってきた力は貧弱すぎ。
むやみに強化すれば反射しているパールハチドリも消滅してしまうが、パールハチドリも鍛えればいいのだ。
そう説明している最中、魔法陣から何かが飛び出してきた。そろそろ閉じたほうがいいのかな?
「鳥ども!こんなところに隠れていたか!」
「今日は援軍を呼んでいるぞ。お前らには過剰戦力だが上級神7名だ。更にはとっておきも用意している。さあ、大人しく奴隷になれ」
「唯々諾々と愛玩されていればいいものを」
「あら?ロビーナの言う通り素晴らしい宝石ね。誘いを受けて正解だったわ」
「そうでしょう?既に私の呪いでだいぶ弱っているから簡単よ。ふふふ、私はあのパールで衣服を作るの」
「「「「我らが7人!エレガンツ・セブンズゴッド、推参!」」」」
「・・・うっざ」「なに!?」
偉そうに腕を組んだ金髪碧眼のローマの神々のような簡素な出で立ちの男性5名、鳥達を華美な宝石を鑑定するように視線で舐め回す、純白のドレスに身を包む金髪碧眼の女性2名、計7名の神々、それも上級神のようだ。
上級神ね〜?そんなに強そうには見えないけど、しぶとそうではある。
「ちょうどいいわ【フォトンレーザー】」
「「「「ぎゃーーーー!!!」」」」
ペリカンとは段違いの宇宙戦艦からのビームを連想させる程の大出力・大口径のビームが神々を飲み込んだ。
「貴様、いきなり何をするのだ。偉大なる神々に対して不敬ぞ!」
いや、鳥達を奴隷や衣服にとか、既に敵対しているんだから事前通告などいらないでしょう。
「ね?ただのスキルではしょぼい神すら殺せないのよ」
「「「無視するな!」」」
「え!?あいつら既にボロボロですよ、あれで十分なのでは?・・・そもそも私にあんな高出力出ませんし」
ルビーペリカンの言葉に他の鳥達はうんうんと頷いているが、ぬるいわ!あの程度で神は壊れない。
「だめよ、あいつら殺しても死なないんだから。で、次は・・改良技【ダークマターレーザー】」
聖なる元素であるフォトンは神々と相性がいいので効果が低い、なら闇の元素であるダークマターなら?
「「「ぐぎゃーーーー!!!!」」」
ふふふ、いい声で泣いているわ。私の配下を装飾品にしようとした罪は・・・死刑よ!
効果を下げてじっくりこんがりいたぶる予定だったが、魔法陣から新たな神が現れて所持する盾で私のレーザーを霧散させた。
その姿はきらめく青髪を後ろに纏め、青い瞳を輝かせる身長5mの偉丈夫。
衣服は簡素だが右手には3mの紫紺の大剣を持ち、左手には土で固めた質素な4mの盾を持つ。
・・・こいつ、強いわね。天界神かしら?
「我が配下に狼藉を働く貴公は何者ぞ?」
「あら?貴方がこのクズどもの主なのね。なら、私の配下を装飾品にしようとした責任を取りなさい」
「否!神の意思こそ正道である!」
「なら私が正道ね。死になさい」
正体不明の神に向かい正面から迫り、その盾にフルスイングで右拳を叩き込む。
「・・・え!?」
その盾の感触は泥だった。そして勢いのまま肩まで沈み・・・固着された!?
いや、力を吸われたみたいね。
「抜けぬであろう?この盾の名は【abysse】。世界神より賜りし最強の防具である」
「そして、この剣は【Le coup de Dieu】。神力を最大限に引き出す最強の剣である」
その言葉の後、大剣が振り下ろされた。
なんとか左手に残存エネルギーを集めて弾いたが・・受けた左腕が粉砕してしまった。
「ぐうっ!」
その直後に拘束が解けたので後方に飛び退る。長時間拘束は出来ないようね。
「ぬ?もう拘束が解けたか。お主・・エネルギーコントロールは上級神をも超えるようだな」
ふむふむ、体感で5秒ほど拘束されたかしら?
拘束は泥が固着した訳ではなく、私の力を瞬時に抜き取られた事による肉体の一時的硬直のようだ。
私は知覚出来ない程のエネルギーを持つけど、それをすべて体に纏っている訳では無い。
それを一気に吸い取られて、体が動かなくなった為、固着に対抗出来なかったのだろう。
イツキの予想通り、この盾【abysse】は土属性で相手を拘束出来るが、その真の能力は接触した際に手足のエネルギーを瞬時に吸い取る事だ。当然相手はエネルギーの再補充まで一時的に行動不能になり拘束も容易になる。
ならば!と移動速度を上げて、盾と体の隙間に入り込む。
すると、盾の裏面から触手が出てきて拘束されて体が硬直する。
「しまった!」
「皆、そのように考えるのだ。対策は万全。死ね!」
最低限のエネルギーを全身に再分配して大上段から剣を突き下ろしてきた剣を右足で弾くが、右足は爆散し、更に右肩からざっくりと削られ粉砕した。
「うむ、既に対応してきているか・・・このセンスは惜しいな。我の配下になれば生かそうぞ」
「お断り。道具に依存した無能は不要よ」
「ならば死ね!」
まだ、拘束されているイツキの腹に剣が突き入れられると、そのままイツキは爆散した。
この剣、【Le coup de Dieu】は持ち手の神力を数倍に増加させて相手に叩きつける。上位の神が使用すればまさに「神罰」。天変地異クラスの力が発揮されるのだ。
「ふ、他愛もないな」
「そ、そんな」「せっかく主を得たのに・・・」
がっくりと崩れる鳥達。
「さあ、エレガンツ・セブンズゴッドwww 狩りを楽しむが良い」
「後ろの www はなんですか?グーデット様」
「まあ、いいわ。あのブルーサファイアの羽根。あれで帽子を作るの〜」
対象的にうかれる神々。
「「戦闘態勢!」」「で・・でも力が・・」
「待って鳥の皆さん。もう少し待てば大丈夫だから」
「「「へ?」」」
そこに割って入るエンシェント・ドラゴンのフィル。
この絶望的な状況になにか秘策でもあるのだろうか?
「貴様、エンシェント・ドラゴンだな?うむ、若い個体で・・美しいな。剥製に丁度よい」
イツキを撃退したこいつは、おそらく天界太神だろう。
ふふふ、こいつらは知らないのだ。イツキは非常にしぶとい事を。あの程度で死ぬわけがない。
フィルはイツキが負けたのは意図的だろうと思っている。
なぜなら少し前に・・・
「一度体を崩壊したいのよね。急に成長したから体が追いついていないのよ」
「は?崩壊?・・・何を言ってる?」
「でも、今の体も壊せる相手がいないのよね〜」
「だから意味が分からんぞ!」
服を脱ぎ捨てるように体を作り直すような話をしていた事をフィルは覚えていた。
何をするのかは分からないけど、これで終わる訳はないのだ。
それこそG以上に・・Gが比較されて恥ずかしくて逃げ出すほどに・・イツキはしぶといのだから。
「さあ!ご主人様!Gも泣いて逃げ出すそのしつこさとしぶとさで、こいつらを倒して下さい!」




