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052話 総長、マッチポンプのラ・メール攻略【ゲーム世界編:デュラハン侵攻と妊娠計画】

<第三神将シズク サイド>


北の森から報告のために首都へ最速で移動する。

その途中で餓狼達を順次見張りとして残しながら。

北門に到着して最後の餓狼、リーダーの(漆黒餓狼)メイを残して門を閉鎖する。


「北の森に瘴気のドームを観測した。そのドーム内になにか蠢くものがあったわ」

「瘴気の中で活動出来る魔物?Aランクの魔物ですか!?」

「それは分からないわ。騎士のようなものを見たけど確証ではないの。途中に餓狼を残してきたので詳細は・・・え!?」

「???どうされました?」

「・・・いま(神聖餓狼)テンから連絡があったのだけど、敵はデュラハン。およそ100体が騎乗兵としてブロンズ伯爵領の方向に移動しているって」


「「「はぁあ!?100体!」」」


ちなみに、シズクのスキル【共鳴】の影響で、シズク限定だが餓狼との通信が可能になっている。


デュラハン・・首を脇に抱えた騎士で、悪霊と言われているけど、闇の高位精霊とも言われている。

精霊ならば人への害意は低いはずなのだけど、あの瘴気の中に居たのだ。ろくでもない変化をしている可能性が高い。

そもそもデュラハン単体がAランクの存在なのに、馬に乗った騎兵ということはそれ以上の存在となるのだろう。


「こちらに害意は無さそうなので、餓狼達には撤退を指示しました。こちらに来たら門内に移動をお願いします」

「「「分かりました!」」」

「念の為、各門への報告を。別のデュラハンが現れるかもしれませんので」

「「「はい!」」」


私はイツキ様へ報告をするために発氣を使って全速力で王都内を駆け抜ける。

イツキ様は戦神教会の訓練場にて訓練中だったのだけど、その光景を見て呆然とする。

だって、黄金に輝く神々しい騎士が騎乗して子供達と戦闘訓練してるんだもの。

馬のほうは漆黒で毛艶がとても綺麗。


「あらシズク。見て、汚くて臭い野良デュラハンを外で拾ったの」

え!?それデュラハンなんですか?


「【オールクリーナー】では駄目だったので、馬共々風呂場で洗ったら綺麗になったわ」

いやいや、垢すりではそうはならんでしょ!

ん?もしや私達を洗い続けてレベルアップしてる?


「しかも、驚くことにこいつ幻獣なのよ。なので幻獣テイマーのミリーニャの配下にしたわ」


はぁ・・デュラハンに騒いでいた私達が馬鹿らしくなってきた。

あれ?もしかして100体のデュラハンを確保してミリーニャの配下にしたら、ものすごい戦力になるんじゃないの?

慌てて、瘴気ドームを含めた状況をイツキ様に報告する。


「分かったわ。みんな!標的はデュラハン達の捕縛、ミリーニャの戦力増強よ!いつでも出撃出来るように準備しておきなさい。ただし!浸透光氣を使えるもの限定よ。嫌なら出撃までに覚えなさい」

「「「はい!」」」

「あ、ミリーニャは参加したくばあれを習得しておいてね」

「はい!いよいよ私の時代が来ます。もう同い年のソフィアちゃんには負けませんよ!」


すぐに捕縛に向かわないのですね。即断即決のイツキ様には珍しい事です。

まあ、何か考えがあるのでしょう。私も準備しないと。


<イツキ・ヴァーナム・エッセリウ サイド>


「ブロンズ伯爵領へデュラハン百体が侵攻!?」

「進行速度は遅いみたいですので、決戦は早くても明日の夜でしょう」

「分かりました、早急に使者を送り支援の可否を聞きましょう」


あそこの領主って民からの評判が最悪なのよね。

そのせいでうちとは前公爵の時から犬猿の仲、そのせいであそこを通るときには通行料をがっつりとられるのよ。

だから私達の提案を断り最終的にデュラハンに攻め込まれて膠着状態になるだろう、と予想している。

天秤が傾いたときに私達が援軍を送り、救援活動も行えば、ブロンズ伯爵領の民心は得られる。

そして、最終的にブロンズ伯爵領を支配すればプリンセス王国が持つ港を完全掌握出来る。

伯爵領の港は漁業中心だが、王都への海産物入荷がストップするのは大打撃だろう。


ただ、ブロンズ伯爵領以外の王都を囲む貴族領地は統治が安定して武力も高い。

王都の周りの貴族領は軍事を司るエルマール公爵領が束ねており、公爵自身は国の大将軍で英雄。

民からの人気もあり、むやみに手を出すのは危険だ。

ブロンズ伯爵領もエルマール公爵派閥なので、デュラハンに簡単に侵攻されることはないだろう。


「さて、その話は終わりですね・・・では、イツキ様のお子様の話をしましょう、さあ、我らが厳選した釣書を見て下さい!」

うわ・・こいつら全く諦めてないわね。ですが、私にも秘策があるのですよ。

「私の後継なら良いのよね?」

「「「もちろんです」」」

「まず、私が子を成すことはないわ。これは不変の真理よ。で、代案なのだけど・・・」


私の提案は、擬似的な魂である宝玉【魂玩こんがん】を私の発氣と魔力を込めて、魂持ちの女性に取り込んでもらう事。

この宝玉は魂のないNPC達の核となり、徐々に強い力を纏い擬似的魂として機能する。

逆に、魂持ちが取り込んでも機能しない。それを子宮に導いて妊娠してもらう、という人工妊娠計画だ。


成功すれば宝玉は最低でも人族の寿命程度は稼働しつづける。死後に魂として転生するかは知らないけどね。

そして、宝玉で擬似的な魂を持てば発氣が使えることが実証(三侯鬼で実証済、だから逃げるの大変なのよ)されているので、会得すれば寿命が伸びるだろうし、聖人にでもなれば更に長生き出来るだろう。

あ、ちなみにこの宝玉の原型はこのゲーム世界に存在していたのよ。ゴーレム生成の派生技術みたい。

その原型技術を元に、自我が芽生えたスキルであるヴィーナス自身をヴィーナスと一緒に解析した技術を追加、実物は私の魔力で生成している。

まだ、よく分からない部分(魂とは何か?)も多いので現実世界でアリス達と解析する予定だ。


「それは神の領域を犯すものでは・・ああ、イツキ様は神でしたね」

「ですが女性にとっては実験になりますよね。それを承認してくれる女性がいるかどうか・・・」

「それについてはシンデレサが立候補したわ。妻として私の子を成したいそうよ。私との親和性も高いし」

先日の襲撃の際に、私の強烈な力の波動を自身の身体に迎合していたのを見て相談してみたら快諾された。


「プリンセス王国の王女を実験体に・・ですか?」

「快楽が無ければ、子作りも精子と卵子の適合実験みたいなものでしょう。何が違うの?」

「うぐ・・それは・・」

・・・勝ったわね。あとはゴリ押しよ。


「我が国の重鎮である三侯鬼といえど、これ以上の妥協は一切認めないわ!これは戦神としての決定よ!」

「「「・・・は!」」」

「まあ、イツキ様に似た可愛い子供が見れれば何でも良いですな」

「子守はよろしくね。私とシンデレサの子供なら相当やんちゃだと思うわよ?」

「「「・・・はい」」」

貴方達が熱望したんだから、責任は取りなさいよね。


<シンデレサ・ヴィシャール・プリンセス>


イツキ様との子供・・夢でも見ているのでしょうか?


昨日の夜は私一人を可愛がって頂き、知らぬ間に宝玉を仕込んで頂きました。

そして今朝、下腹に何かが宿ったような感覚があるのが分かります。

この感覚が、いずれイツキ様とのお子になるのですね。


嬉しくて、ずっと下腹をさすっていると・・お腹が空きましたね。

しかし、イツキ様と朝食を食べるも・・全くお腹に溜まった気がしませんわ。

事情を話してイツキ様に魔力で食事を作って頂いたところ、ようやく満足出来ました。

これは・・もしかして・・魔力不足なのかしら。


「おそらくその娘が魔力を欲しているのでしょうね。流石私達の子供ね」

このイツキ様の言葉で、ようやくお腹の子が現実なのだと実感しました。

ですがイツキ様?・・娘・・とはどういう事でしょうか?


「私の子供なのよ?男になる訳がないじゃない」

何故か・・・ものすごく説得力がありますね。


「名前は【言のコトノハ】・・人の中で成長して人々の大樹になって欲しいわ」

その瞬間、お腹が暖かく・・全身を心地よい何かが・・


ぐ〜〜〜〜〜ぅ!


イツキ様、食事をお願いします、5人前を魔力ギガ盛りで!

ちょっ!?またなの、みたいな顔をしないで下さい。子供が求めてるのですよ!


人工妊娠計画は無事に成功したようです。


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