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047話 総長、マッチポンプのラ・メール攻略【ゲーム世界編:ドラゴンに会いに行こう④】

<勇者アドルギア サイド>


「あ?エンシェント・ドラゴンだ〜?」


俺はオーラル教が選定した、いわゆる勇者というやつだ。

今日は俺の仲間達を奴隷にして可愛がる記念日なのに訳の分からん事態を持ち込むなよな。


「はい、例の公爵領で召喚魔法を使ったのですが・・まさかエンシェント・ドラゴンが現れるとは」

それを俺に尻拭いしろってか?まあ、俺ならドラゴン程度は容易く殺せるが。


「なら、公爵領は崩壊か。ドラゴンがプリンセス王国の王都に来たら俺の出番だな?」

「いえ・・それが・・その・・」

口ごもるこいつ(名前知らん)の話では、その時はすぐに逃げ出したが、何時まで経っても騒動の噂が聞こえてこなかったらしい。

それを不審に思い、数週間程して公爵領を再訪した際には何事もなかったような町並みだった。


「領内でも調査したんだろ?」

「はい、なんでも公爵令嬢のイツキ様が・・一撃で倒したと」

「ぶは!?何だよそのホラ話は!令嬢が!?ひー、おもしれー!」

「私共も何かしらの方法で召喚ホールに追い返したのでは?との見解です」

「ただ、妹のソフィア様は騎士十数騎を瞬時に倒した手練れ。イツキ様自身も【命を根こそぎ吸い取ると伝えられている】幻魔刀を使いこなしておりましたので、もしかしたら、と」

ふふふ、どちらにしても俺には聖剣がある。そして、どんな厳しい状況でも覆せる事が出来るのが勇者だ。


「よし、俺の仲間達・・今はもう奴隷だがな。皆を連れて俺がそのエセ英雄を滅ぼしてやる。なあ・・王女は味見くらいならいいだろ?」

「いえ、帝国に出荷するのです。わずかでも瑕疵があっては困ります」

「まあ、仕方がないな。俺は元仲間達を堪能することにするよ・・ああ、夜が楽しみだぜ」


さて、今日の夜のために栄養を付けないと。なんせ3人を相手しないといけないからな。

ちょっと興奮してきたな。とりあえず酒でも飲んで気持ちを落ち着けるか。


<元勇者パーティーメンバー サイド>


私は聖騎士、スターシュ・アレクサルン。人族女性の聖騎士である。

昨日までは勇者パーティーの一員であったが、教会と勇者に裏切られた。

勇者の「俺の女になれ」を拒み続けたのが原因だろう。

就寝中に麻痺の魔法を使われ、奴隷の首輪をつけられてしまった。

唯一の僥倖は、奴隷の首輪が完全に起動し体になじませるのに1日掛かることだ。


「はははは、その首輪が完全起動する明日の夜からは俺の性奴隷だ。俺の子供を孕むのを楽しみにしてろ」


私を見下ろし、おぞましい本性を表したのが勇者というのだから、もう笑うしかないな。

いけ好かない男だったが、教会の命令で仕方なく同行していた結果がこれだ。

もっと早くに事故に見せかけて殺してしまえばよかったな。


おそらくメンバーのヒーラーであるサヤカと魔道士のミコも私と同様の被害にあっているはずだ。

だが、お前の性癖は知っている。まず口でする時に命と引き換えにお前のち◯ぽを噛みちぎってやる!


戦意を燃やしてやつが来るのを待っていると、突然空間にゲートの扉が開き、麗しき少女が現れた。


「あなた、こんなところに来てはダメよ」

つい、そう声を掛けてしまったけど、ここは教会本部。

幾重にも障壁が張り巡らされて、ゲートなど不可能のはずだ。

安々とゲートを作るこの存在は。まさか・・魔王軍!?


「すごい闘氣を感じてスカウトに来ましたわ・・あら?拘束されてるの?」

「貴様は誰だ!魔王軍か!?」

「エッセリウ公爵領のものよ、あなたをスカウトに来たのだけど。素晴らしいタイミングだったようね?」


スカウト!?しかし、見た目と違いものすごい存在感を感じる・・人ではない何か。もしや教会内で噂のエンシェント・ドラゴン!?

まあ、もう神でも悪魔でもなんでもいい!みんなを助けてくれるなら。


「この状況の計3名をお救い頂ければ仲間になります!誓いますとも!」

「決まりね。ちなみに残り二人も女性よね?」


女性限定?もしや私達の体目的か!?でもまあ、あのクソに体を弄ばれる位ならこの少女のほうがマシ・・いえ、断然嬉しいです、ぜひ可愛がって欲しい・・って、私は何を考えているのだ!


「3人共女性です。ちなみに性奴隷にするなら私だけでお願いします」

「そんなことしないわよ。必要なのは飽くなき闘争心をもつ者達よ!神にすら立ち向かえる程の、ね。ただうちはレディースなので女性限定なのよ」


レディース?よくわからないがそれなら全く問題ない。これからオーラル教会を殲滅するので。

たとえ叶わずとも一撃食らわす。

にやり、と笑うと承諾と受け取ってもらえたようだ。


そして、その少女が右腕を一振すれば、拘束魔法も奴隷の首輪も弾け飛んだ。

す・・すごい!オーラル神の力が濃厚なこの地でここまで自由に力が使えるなんて!

新たにお仕えするエンシェント・ドラゴン様は最高だぜ!


「あと二人は両隣だね、壁と一緒にはいよっ!と」

両側の壁が砂のように崩れ落ち、サヤカとミコも無事に開放されたようだ。


「「スターシュ、無事!?」」

「ああ、エッセリウ公爵領に味方する条件で、開放していただいた」

「「ありがとうございます!」」

「うちも戦力増強で大歓迎よ。ところで、このまま公爵領へ行く?それとも、暴れまわって自分の足で行く?」


あー、この回答でエンシェント・ドラゴン様の私達の扱いが決まりそう。

だけど、そんなことは関係なく、今の正直な気持ちを表明する。


「教会本部で暴れまわってから公爵領に向かいます!流石に勇者には勝てないので、半壊位で逃げますよ」

「「私達も異議なし!」」

「え!?なに、勇者って居るんだ、名前は?」

「「「・・・・」」」

「なに?今更隠匿するの。それとも魔法で口封じされてる?」


「いや・・その・・実は・・今気づいたんですが」

「あら、もしかして淡い恋心でも抱いていたのかしら?」

「いえまったく。虫唾が走るほど大嫌いなので【勇者様】としか呼んだこと無くて・・名前、知らないです」

「そう言えば、私もそうね。何だっけ?あ〜なんとか?」

「いえ、お〜なんとかじゃ?」


「ふふふっ、なによそれ?それでも勇者なの?」


その微笑みは、人跡未踏の峡谷の奥地にひっそりと咲く花、見ただけで人の心を虜にする幻花だった。

エンシェント・ドラゴン様の微笑みを見て、瞬時に心奪われる3人だった。


「じゃあ、公爵領で待っているわよ」

「「「お任せを」」」


その後、大陸の中心にあるオーラル教会本部がある聖都オーラルは大混乱に見舞われる。

世界最強たる魔王を滅ぼす為に厳選された4人のうちの3人の反乱なのだ。当然だろう。

既に酔っ払っていた勇者は相手にならず、騎士共に無双するスターシュ。

数多の攻撃魔法で主要な建物を破壊する魔道士ミコ。

その二人を付与魔法と聖魔法で完璧にサポートするサヤカ。


この3人こそが元々のオーラル教会最強戦力!

勇者が加わった事で弱体化していたが、ようやく3人に戻り、久しぶりに最高戦力の実力を余すこと無く発揮する。


そして、魔道士ミコとヒーラーサヤカの合体魔法を置き土産として放った。

その名は、激甚災害魔法「聖級:豪雨」。聖都全土に豪雨をしかも一ヶ月ほど発動し続けるものだ。

当然ながら水害被害により、数カ月間に渡り聖都オーラルは機能を停止することになる。


【勇者パーティの瓦解と反乱】


それは全世界に知れ渡り、オーラル教会への不信感が増していくのだった。


<イツキ・ヴァーナム・エッセリウ サイド>


時を少し巻き戻し、イツキがスターシュ達の破壊の様子を聖都外より観察していた際の出来事。


「ついに見つけた。強者よ、私の願いを叶えてくれますか?」

その声に振り向くと、そこには齢60を超えたであろう老婆が立っていた。


「勇者ベローネと申します。強者よ、私が・・寿命を迎える私に・・最後に・・強さの高みをお見せ下さい」


常勝無敗の勇者ベローネ。と言ってもこのゲーム世界の勇者ではない。

侵攻してきた悪魔ダメウウトの挑発に乗ったさる愚王が、ベローネをゲームに参加させたのだ。

戦闘でベローネが楽勝で勝てる相手なのに、だ。

その愚痴を、お酒と料理まで振る舞ってくれたイツキに対し雨あられと吐き出していく。


「で、そのゲームがさ!幼少から剣だけで生きてきた私に【乙女ゲーム:裁縫の腕のみで平民から王妃に!?神級針子は突き進む】だよ。そんなゲームになんて勝てるわけないでしょーがー!!何よ裁縫なんて!私は切り刻むのが専門なのよ!分かるでしょ!?イツキ様」

「それはなんとも・・ならさ、私の元で働かない」

「ですが・・この体では私の寿命はあと数年」

「私に任せなさい。貴方なら数日で聖人になれるわ。そして、自慢じゃないけど私ってトラブルメーカーなのよ。戦闘は絶えないから飽きることはないわ」

その誘いに応じて、イツキにエッセリウ公爵領に連れて行かれるのだった。


「え?私がイツキ様の夜警ですか?」

「はい、1時間毎にイツキ様の寝姿を確認頂ければ。まあ、イツキ様を愛する者達の儀式のようなものです」


ナターシェさんからそう言われた。

確かにイツキ様には、その心の強靭さに密かな恋心を抱いてはいますけど、私はただのババアよ。

皆様が侍る様を羨ましくも感じていましたけど、流石にこんなおばあちゃんでは。


「ん〜?今日はベローネだけ〜?」

「はい、今日は夜警をつときゃ!?」

キス!?ぎゃ〜!こんなババアになんてことをするのです〜!

「うふふふ、色々付与して・・あげるよ〜・・朝まで・・じっくり・・ね」


「うっっきゃーーーー♡♡♡♡」

「ベローネ、か〜わ〜い〜い〜」

「か・・かわ!?うきゅ〜〜♡」


明け方、イツキが起床する前に昇天しすぎて気絶しているベローネを回収するナターシェ達。


「さすがイツキ様、ベローネは若返って・・既に聖人になってますね」

「残念ですが・・今日はイツキ様の顔だけ見て満足しましょう」

だが、気づけばイツキ(ヴィーナス)の濃密な魔力でサクッと9名全員が拘束されていた。


「だめ〜、みんな、逃さないよ〜」

「ですが時間が」「時魔法【遅延減速】」「「「え!?」」」

「た〜っぷり、可愛がって、あげるね〜」

「さ、最近凄すぎて、たまにはお休みを・・」

「・・・だめ」


「「「「うっっきゃーーーー♡♡♡♡」」」」

初参加のベローネはそのまま二周目に突入するのだった。



イツキが起床すると、布団の上には可愛いおしりが9つ並んでいた。

それを見て呆れながらも、朝の日課をこなすのだった。


「こんの淫乱共がーーー!!!」

スパパパパパパパパパン!

今日も清々しい一日になりそうです。


さて、エンシェント・ドラゴンを目指す人物たちが、どのような混乱を巻き起こすのでしょうか。


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