044話 総長、マッチポンプのラ・メール攻略【ゲーム世界編:ドラゴンに会いに行こう①】
<フィーネ・ラ・サールス サイド>
「・・・む?何だこれは!?エンシェント・ドラゴン級が3体もいるだと!」
そのものはドラゴンを討伐せしもの、ドラゴンデストロイヤーと呼ばれているものだ。
私はフィーネ・ラ・サールス。悪事を働く竜を滅するために王家の国宝だったドラゴンデストロイの武器・防具を装備して各世界を旅をしている。
悪竜退治の功績を積み上げた結果、女王だった私は今では聖人の位にまで上り詰めた。
すべては家族と婚約者を皆殺しにされ、最終的に我が国丸ごと滅ぼされたその恨み・・いえ、その怒りを晴らすべく犯人の金竜を更生して家族達の墓前で詫びさせるためだ。
もちろん、更生出来なければ殺す予定だ。
今回は、天界を滅ぼそうとしたという宿敵、金竜の噂を聞きつけ、はるばるこの世界の、この天界にやってきた。だったのだが・・・
「何言ってるの?それは197年も前の事だよ。ボケたのかい?あんた」
噂を聞きつけてやって来たが、手遅れだったようだ・・・だいぶね。
「・・・キルビーちゃん?どういうことかな〜?」
この恥ずかしさを良き相棒であり情報収集が得意の闇魔法使いのキルビーちゃんにぶつける。
「ま、待ってよ。他の世界の話だし、そもそも未確認と言ったでしょ!」
「・・・そうだよね。焦ったのは私だ、ごめん」
「いいって事よ!」あら男前。女の子だけどね。
しかし、この地に来て正解だったかも。
この天界で暴れた金竜は痛み分け、手足が欠損する程の重症だったと伝えられてる。
ならきっと、まだこの世界のどこかで養生しているはずだ。
この世界を放浪していれば・・・いつか!そのために強くならねば!
あとは、竜関連で気になることもあるんだ。
始祖竜王の話は聞いているのだけど、それ以外にも神聖竜と暗黒竜の匂いがするんだ。
暗黒竜はねぐらで引きこもっているだろうから後回し。まずは神聖竜を見つけてその凶暴性を確認せねばならない。
あいつらは他の種族でも思わず惚れてしまうほど美麗なのだが、とにかく凶暴なのだ。
G なる虫が体を這い回っただけで、その天界を神共々滅ぼしたことも有る。
この天界に竜の中でもクレイジードラゴンたる種族がいるのだ、放置もできまい。
その辺りを始祖竜王とやらに会って聞いてみようと始祖竜王が居る国へ向かった。
「ドラゴンデストロイヤー!俺と勝負だ!」
「いやいやいや!俺とだろ?」
「後生じゃ、このジジイと戦わせてくれ。冥土の土産に・・」
「じーさん、それイツキ様の時にも言ってたよな?」
「バカモン!老い先短いのはあってるじゃろが!」
「「「「はいはい、そうだね」」」」
・・・うっとうしい。
始祖竜王の国であるレオンハル王国の城門にて名乗ってからというもの、道行く民達が、戦え!とずっとこれなのだ。
それに、汗だくになりながら【強奪してきた聖櫃】なる荷物を数十人で担ぎ上げて、練り歩いている輩まで居る。
「その荷物・・強奪?なんでこんな名前なんだ?そもそも担ぐ意味は?」
「いえね、竜帝王様が命名して下さいまして。なんでもガイアとの国交回復後に露見したら宗教戦争になるとか?今から楽しみで!」
竜帝王!?その名を語る阿呆がいるとは!?何たる命知らず・・なやつは、神聖竜しかいないね。それと戦争はダメよ。
「これを毎日担ぐとスキルが取得できるんだ!」
だよね。よく見れば神聖属性物質の塊だもの。これほど属性の高いものに触れていたら何かしらの恩恵はあるだろう。
そして、ようやく王城についたのだが・・・なんと入口前に王族達が勢揃いしていた。
「これはこれはドラゴンデストロイヤー様、私が王のジラルディ・レオンハルと申します。ですが!レオンハル様に危ない輩をご紹介するわけには。そのために是非貴方の強さをお教え願います。いざ、お手合わせを!さあ!さあ!」
「あら?王自らなんてとんでもありませんわ!ここは女王の私が、さあ!さあ!」
「「「ずるいずるい」」」「「「ぜひ私と!」」」
もう、なんなんだよこの国は。次から次へと王族が戦えと・・うざい!それに何人子供居るんだよ!なんで皆戦闘好きなのさ!
え!?官僚達も相手しろ?・・いらんわ!早く始祖竜王を呼べ!でないと、滅龍剣インベイジョンを使用するよ?
「「ひ!お、お待ちを〜!」」
ふう・・やっと行ったよ。
「おおっ!素晴らしい剣ですな、さあ、お手合わせを!」
げ、国王だけは逃げずに留まっているよ。面倒くさいな〜もう!
「あなたは竜人族なのですから、この剣を受けたら死にます。それに貴方は国王なのですよ!私が王殺しの罪になりますから!」
「おおっ!素晴らしい剣ですな、さあ、お手合わせを!さあ!さあ!」
「貴様・・話を聞け!」
・・・こいつが国王でなければ、サクッと斬り殺しているのに!
「なにをしているのじゃ?」
そこに現れたのは身長1m程、オレンジの髪と瞳の可愛らしい幼女だった。
だが、ひと目見て分かった。この方が始祖竜王レオンハルだと。
挨拶もそこそこに王族に絡まれて迷惑していた件を話すと、国王達めっちゃ怒られてた。ざまー!
は〜、スッキリ~!この国唯一の常識人に出会ったよ。
その後、この天界に来た事情と神聖竜と暗黒竜の気配を感じた話をした。
「そうか。まず神聖竜と暗黒竜、その気配は一人の女神のものだ」
「・・・は?なぜ女神様が?いえ、高位竜なら当然か。それよりも神が神魔の最上位属性を両方持つなど信じられません!」
「世の中には例外があるものだ・・あと、意識を集中して竜を探してみよ。腰を抜かすなよ?」
レオンハルの言葉を受けて、意識を集中して竜を探す。
なにやら不思議な空間の中に竜の気配を・・・ん?こ、これは!?
「・・・む?何だこれは!?エンシェント・ドラゴン級が3体もいるだと!」
「ほう、流石はドラゴンデストロイヤーだ。気づけたか。我も先程気づいて恐怖しておるのだ・・それこそチビリそう」
分かる、分かりますとも!エンシェント・ドラゴン1体だけでも、怒らせたら何も出来ずに死ぬ自信がありますから。
まあ、エンシェント・ドラゴンは理知的で凶暴性は低いので、一番怖いのはクレイジードラゴンたる神聖竜ですけどね。
ですが、これはチャンスかも!?最近全く成長しなくなっていたので、このぶ厚き壁を打破したいと思っていた。
エンシェント・ドラゴンに乞えば、何か得られるものがあるかもしれません。
「私が話した女神はおそらくその1体の反応じゃぞ。興味あるなら行ってみい」
「分かりました!早速行ってみます」
「はぁ?何を好き好んでエンシェント・ドラゴン級が3体もいる場所に行くのじゃ?我は冗談で言ったのじゃぞ」
「エンシェント・ドラゴンは知識の宝庫です。金竜のいろんな情報と出来れば強くなる秘訣を聞いてみたいのです」
「確かに。エンシェント・ドラゴンは永遠なる時を生きる叡智の存在でもある」
「分かった。行ってくるがよい・・ついでだが、この天界で暴れないようお願いしておいてくれ」
「???それでしたらそちらも使者を立てたほうが良いのではないですか?おざなりにされたとお怒りになる可能性も」
「おお、流石はドラゴンデストロイヤー様!私が行きますぞ。くくく、エンシェント・ドラゴンに喧嘩を売るのが楽しみだ!」
そう、言葉を発した瞬間、国王は私とレオンハルに殴り飛ばされていた。
いくら理知的なドラゴンでも国王自ら喧嘩を売ったら国が無くなりますよ。
「・・・分かったのじゃ。他のものでは危うい、我も同行しよう。女神にいじめられて本調子じゃないのだが」
「懸命なご判断です。てか、あれをきちんと教育して下さい!」
あ〜、良かった。レオンハルが来ないと国王が付いてきそうだったんだよね。あいつ絶対喧嘩売るもの。
「・・・じゃあ、私はお留守番で」
「もちろんキルビーちゃんも同行するんですよ!」
「え〜〜〜!!!」
さて、強さの秘訣と・・ついでに金竜の情報が得られると良いのだけど。




