042話 総長、マッチポンプのラ・メール攻略【ゲーム世界編:2体目のエンシェント・ドラゴン】
<イツキ・ヴァーナム・エッセリウ サイド>
建国宣言から1ヶ月、戦神教会は来たる戦争に向けて日々鍛えている。
それは私についても同様で、それはもうきっつい修行を行っていますわ。
「お姉ちゃ〜ん!」「おやつちょうだ〜い」
「く、(イツキ!我慢よ)・・駄目よ。甘いものを食べ過ぎるのは体に毒なのよ」
「「えっ・・・だめ・・なの?」」
上目遣いでうるうると瞳を揺らす二人の幼女に、あっさりと敗北した。
「・・・やっぱりだめだわ。お菓子ね、今日はポッ◯ーが良いかしら?」
「やったー!」「大好き〜!」
私の足に引っ付いてくる二人がまた・・可愛い!
「かはっ!・・かわええな〜、私の膝に乗って食べましょうね〜」
きっつい修行とは?イツキは幼女への耐性向上の修行中だった。
この強くなりすぎた女神は、一体どこに向かっているのだろうか?
「・・・この一ヶ月、何も進歩しておりませんね?」
スズナの冷たい視線が痛いわ。
実は、ティエが夜も日中も可愛がられて・・ずるいわ!という嫉妬の視線なのだが、鈍感女神様は気づかない。
「この件は解決できる目処が立たないわ、方針転換よ!」
「まさかイツキ様がロリコンの変態だとは」
「ミランジュリ、言い方!同性の幼女限定だし、変態とか言われたくない。
ティエを可愛がっている事で、メイド達の当りもキツめだ。
「私は毎日お姉様と遊べて大満足ですよ!ティエとも遊べるし」
「私も旦那様といつも一緒、ソフィアとも一緒、楽しいです!」
ティエはあれから幼女化を自由自在に出来るようになった。
それを悔しげにみていたソフィアも発氣「身体変化」なる技術を習得して幼児化に成功している。
発氣「身体変化」での幼女化は私にも出来ないし、どうやったらそうなるのか私にも分からないのよね。
ソフィアは発氣の化身といってもいい存在だわ!さすが私の妹ね。
そして、孤児の幼女を含めた数人が徒党を組んで毎日私に強烈な攻撃を加えてくるのよ。幼女ハーレムでもう毎日が幸せ!
でも、流石に敵方にこんな可愛い娘がいたら大変だ!と耐性を上げようしたのだけど、無理だと分かったわ。
もし、遭遇したら積極的に、それこそ洗脳してでも私の陣営に勧誘する方針に変更するわ。
「それはそうとティエ、貴方にお客様が来ているわよ」
「む、戦神教会のみんな以外に知り合いなどいないぞ?ずっと一人だったし」
おう・・ごめんよティエ。
「では、周囲をうろついている強そうな竜の気配は【竜帝王の資格者】の関係かしら?」
その瞬間、ガリーーン!と私の結界が破壊された音がした。
へえ、私の聖属性結界を破壊するなんて、やるじゃない!
「アイ・ラブ・ユー!神聖竜ちゃーーん!」
・・・私の客だったわ。とりあえず凍らせてみようかしら。
ガギィーーン!と凍結に成功したかに見えたが、すぐに破壊された。
敵の周囲に見える力、あれは発氣?いえ違うわね。迂闊な力では返り討ちにあいそうだわ。
上空から舞い降りたのはエンシェント・ドラゴンと思われる女性型。
容姿は、フワッっとした髪質で輝くような緑髪に、エメラルドのごとく輝く瞳。
どことなくティエに似たゴージャスボディの美女でした。
美麗な容姿と反比例して、身にまとう闘氣?は危険な存在と認識させる。
瞬時に発氣に属性を付加【暗黒闘氣】を纏い突進、手始めに数発のジャブを叩き込むが、避けられた。
「うほ〜!危ない危ない、それ暗黒属性?聞いていた通り神聖竜ちゃんはやんちゃだね〜?・・って、なんで暗黒属性を使えるの?」
無駄話をしている女性の背後に回り込み、蹴りを叩き込むがこれも避けられた。
「ちょ!?話を聞いてくれても・・私はそこまで優しくない。そっちがその気なら本気で行くよ!」
なら、こちらも2段階ギアを上げて攻撃しましょう。
更に速度を上げ、立体機動を使ってのジャブと蹴りの連打で翻弄するも、いなされてしまう。
「中々やるね。じゃあ今度はこちらから【神竜闘氣】!」
緑のオーラのようなものに包まれた状態で、私と同等のスピードで迫ってくる。
しかし、パンチや蹴りの振りが大きいので、避けるのは簡単だった。
やはり自分より強いものに出会ったことのない強者は隙が多いわね。
速度は私が少し不利だけど、向こうの動きが洗練していないので、総合的に互角かな。
さーて、じゃあこの状況で、魔法も加えたらどうかしらね?
立体機動で敵の上空に移動したところで、重力魔法を発動!どう?動きがそが・・緑のオーラに弾かれた!?
「無駄だよ【神竜闘氣】には魔法は効かない」
・・・その割には暗黒闘氣には過剰に反応しているわよね。
よし、暗黒闘氣の属性を更に強化して、そろそろ身体強化も使おうかしら。
身体強化&属性強化して、神速の域に到達した速度で翻弄してみる。
「はやっ!更に速度が上がるって、まじかよ」
やはりこの速度には付いてこれないみたいね。さて、これからが本番よ。
速度を維持したまま、すれ違いざまに暗黒闘気で緑のオーラを削り取る。
予想通り、先程の魔法のように阻害はされない。
やはり・・上位魔法の神聖と暗黒を阻害するまでのオーラではないようね。
「く・・オーラが削られる!ま、まずい」
ある程度オーラを削りきり、魔法で雷を浴びせると女性の体がグラついた。
チャンス到来!足払い蹴りを放ち「うあぅ!」竜の足を刈り取る。
そして、竜が倒れ込むところに上段から闘氣を集束した膝蹴りを腹部に「ぐふぅ!」叩き込む。
暗黒闘氣は相手の体を破壊する技よ。上位の竜といえども効果が高いはず。
そして、倒れた女性にマウントを取ってからの「げほっ!」ついでに闘氣で拳を2本生成してからの「私のまけ・・」計4本での拳の嵐3000連打!
「あがあああひあいちょしはこえはなしをひいいえ〜まおあいいるますたーー!」
強敵に無駄な会話は不要。それに結界を壊したんだから、とりあえず〆ておかないとね。
「ふう、スッキリしたわ。さあ、話を聞いて差し上げますわ!」
「・・・イツキ様、既に失神しています」
これだけやって死なないなんて・・素晴らしいサンドバックだわ。
「そう?ならこの十字架に縛り付けて、汚水でも掛けておきなさい」
「かしこまりました、風呂の水でも掛けておきます」
ばしゃー!と風呂の水を掛けたら目が覚めたようだ。
「う〜ん、はっ!?この水に神聖竜ちゃんのエキスが入ってるぞ!ペロペロ、美味しーーー!」
「うわっ、きも!・・ティエ、こいつ殺しなさい」
「はい、セクハラ野郎?は即死刑でしたね。死ねーーー!!!」
ティエのブレスでこんがり焦がしたけど・・まだ生きてるわ。流石は高位の竜ね。
私の発氣と魔力で作った特性十字架に張り付けたまま、尋問を開始する。
「あの〜?とりあえず開放してくれませんか?体中が痛くて・・」
「まずは目的を話しなさい。殺すか、幽閉するか、下僕にするかはそれから決めるわ」
「え〜と・・・開放の選択肢は?」
「貴方がオス竜なら死一択でしたが・・ちなみに開放とは私が下僕として貴方を飼うことよ。だいたい無様に負けといて、わがままが許されると思っているの?」
「確かに!・・なら貴方が私の御主人様ですね」
ちょろ!・・ティエに聞きましたが竜は負けると相手に従順になるようですので。ゴリ押しで正解でしたね。
それにこの娘、戦って分かったけどティエと血筋が近しいわ、動きも雰囲気もそっくりなのよ。
ただ、戦闘技能と竜に冠する知識はこの娘のほうが高そう。
鍛え方がよく分からないドラゴンのティエ育成に役に立つのでは?と思っている。
まずは、この娘が結界を壊してまでここに来た理由の聴取を始める。
「ここに来た目的はなに?ティエが持つ【竜帝王の資格者】狙い?」
「ティエ?・・もしかして君がゴーティエなの?ようやく見つけた!」
「いえ、こっちの娘がゴーティエですけど、それがどうしたの?」
「実はさ、そこのゴーティエを探していたんだ」
この娘、ゴーフィルの話では、卵から生まれた時に双生児だったらしく、その片割れがティエだった。
しかし、双子を気味悪がった母親が、色味の悪いゴーティエを名付けの後に捨てたそうだ。
それでよく生きてたな?と思いましたが、超強いドラゴンは名付けの時点で自我と強大な力が芽生えるらしく、敵が神や同族でも無い限り、ほぼ無敵らしい。
独立の際に母親に話を聞いて、まだ見ぬ半身を探してずっと放浪していたそうです。
そして、この近くを移動していた際に強烈な神聖竜の波動を感じて、とりあえず嫁にしようと現れたとのこと。
お前・・ここに来たのはティエはまったく関係ないじゃないの!
<ゴーフィル・エリック・アントニン(メス)>
種族:始祖:聖神竜の直系(竜帝王の資格者)
職業:怠惰
戦闘力:52879
防御力:66209
魔力:170002
好感度:331
スキル:【不可侵結界】【聖神竜のブレス】
称号:【破壊神】【災厄の竜王】【神を殺すもの】
ふむ、嘘ではないようね。ミドルネームが同じだし、スキルも称号も一緒、職業すらも一緒だわ。
しかし、この娘達の母親は、何を見て差別したのかしら?
フィルが髪と瞳が緑、ティエが髪が金で瞳が赤。色が単色でないから?
まあ、いいわ。戦闘力と防御力はこの娘のほうが高い、こちらを姉にしましょう。
「決めたわ!フィルが姉、ティエが妹にしましょう」
「「えっ!?」」
「フィル、貴方暇なんでしょ。なら私の仲間になりなさい」
「仲間!?下僕ではなく?・・はわわわっ、仲間にしてくれるの!うわ~~~ん、ご主人様、しゅきーー!!!」
ティエと同様に生まれたときから超強く、生まれて1年で母親から独り立ちして以降、ずっと一人だったフィルにも【仲間】は未知であり憧れの言葉だった。
・・・なにか既視感があるわね、この場面?
抱きついたフィルをよしよししながらも、その既視感に首をひねるのだった。




