039話 総長、マッチポンプのラ・メール攻略【ゲーム世界編:オーラル教会の聖女に会う】
<イツキ・ヴァーナム・エッセリウ サイド>
第一王女側と数日交渉をした結果、シンデレサが仮初の妻になることに決まった。
「シンデレサ、貴方本当に良いの?」
「はい、是非私を妻にして下さい(出来れば永遠に!)。お互い利益がありますので」
シンデレサの許可を得たので、周辺国並びにプリンセス王国内にも国として独立した事情説明の書簡を送付した。
内容の概要は下記のとおりだ。
プリンセス王国の国王並びに王太子は以下の罪を犯した。
・多勢の男性を引き連れて、無断で婚約者の寝室に侵入した暴行未遂。
・それを抗議した両親と兄を冤罪で殺害。
・次期国王の対抗馬である第一王女への冤罪による殺害未遂。
プリンセス王国側の上記の蛮行を攻め立て、数多の悲劇をこれ以上起こさない事を誓う。
プリンセス王国の正常化のために、王族で唯一瑕疵のない第一王女シンデレサをプリンセス王国女王にすることを誓う。
暫定的に私を王女の王配として、女王となる王女の守護国家「エッセリウ 戦神凰国」建国を宣言する。
これに周辺国からの賛同を得た。私達が勝てばより一層の友好を、負ければ第一王女と私を妾として引き取る算段らしい。
理由はどうあれ邪魔されなければいいのよ。
ただ・・そう簡単にはいかなそうですわ。
周辺国の賛同から一ヶ月が経過した頃、ジブリール伯爵が慌てて駆け込んで来た。
「してやられました!海を隔てた大国「ジブランドルーラ帝国」皇太子とシンデレサ様の婚姻が成立しました!」
「あら、全く問題ないわよ」
「で、ですが!既に10万の軍勢を乗せる船団が出港準備中との情報が!早くて3ヶ月後には攻めてきますぞ」
「ふふふ、なぜここが戦神の名を冠する国なのか?その身に刻んで頂きましょう」
その迫力にジブリール伯爵は息を飲む、叶わぬ願いを心に秘めながら。
(エンシェント・ドラゴンを一撃で下し、今度は10万も殺したら・・姫様(イツキの事)の嫁の貰い手が無くなる!どうか姫様がやりすぎませんように。私は貴方のお子が見たいのです)
ふむ、ということは時期を合わせてプリンセス王国軍も攻めてきそうね。
あそこは第一王女大好きな兵が多いので、士気は最低でしょうけど。
いずれにせよ戦神の名を汚そうとする賊共には死を与えましょう。それこそが抑止力!
ジブリール爺のその切なる願いはイツキには全く届かないのだ。
しかし、この時には別の強大な国家が戦争に参加するとは、夢にも思ってなかったわ。
・・・私にとっては有象無象なのだけど、驚きはしたわ。
今日は、シオリナの冒険者チーム【夢花】のメンバーを紹介してもらう事になっている。
「うちのメンバーは戦争でも使えますよ」
ということらしい。正直うちの娘達で十分かな?とは思うけど、シオリナの仲間にも興味があります・・とくに治癒術士が。
夢花のメンバーは、シオリナも含めて4名。少数精鋭だ。
攻撃の要 【拳王】拳闘士デウナス(男)ランクA
守勢の要 【焦土姫】盾剣士シオリナ(女)ランクA
遊撃の要 【剣魔王子】魔法騎士サンシェス(男)ランクB
そして・・私がとっても興味のある女性
治癒の要 【聖姫】オーラル教会3聖人、治癒術師ミランジュリ(女)ランクA
「イツキ様は治癒術士が気になるのですか?」
「オーラル教会の聖人ってところがね」
「あー、でも彼女いわく『教会には興味ない』そうですよ。冒険者の仕事で教会優先で断られたことないですし」
そうなのよね。エドモンド枢機卿・・今のシフォン教皇に聞いても『彼女は教会には興味ない』と言うのよね。
「あと、王とか姫とか・・シオリナも夢見る乙女なのね?」
「おとっ!?・・ち、違いますーっ!勝手に付けられたんです。二つ名なんてそんなものです!」
まずは冒険者ギルドに行き、私の冒険者登録を済ませてから夢花が貸し切っている宿に向かう。
「ではイツキ様のランクを決めますので、ステータスをお見せ下さい」
<イツキ・ヴァーナム・エッセリウ(偽装)>
種族:聖人(女神)
職業:戦神の鳳聖女(戦神)
戦闘力:2189(測定不能)
防御力:1992(測定不能)
魔 力:12064(測定不能)
好感度:62 ⇒ 2131
スキル:【ヴィーナス Lv 37】
称号:【暴虐令嬢】【戦神の巫女】【孤児達のお姉ちゃん】New【竜帝王の資格者】
「うげぇ・・イツキ様はSランク冒険者です。はい、冒険者最高位のプラチナカードです」
うげぇ?随分とぞんざいですわね・・この感じ、この娘もナターシェと同じゲーム運営者ね。
「そこの貴方!」
「うひぅぃ!ななな、何でしょうか!?」
「今後ともよろしく。私に逆らったら食べちゃいますからね?」
いつもより多めにフェロモンをこの娘の周りだけに滞留させる。
「うふふふ、何もしなくても食べちゃおうかしら。今夜はお暇かしら?」
彼女の手を両手で持ち上げ撫で回し、その手の甲をぺろりと舐める。
「ひーーーーっ!!!私はノーマルです!今日は残業がありますので!」
「そう、残念ね(やはり運営側ね、効果が無いわ)」
ならこちらで・・今度は神威を放ちながらひと睨みすると、受付嬢はピシリ!と固まった。
「そう、そうやって運営は黙って監視していればいいのよ。分かるわよね?」
「・・・・は・・・い・・・」
「では、ごきげんよう」
これで変な介入はしてこないでしょう。ナターシェなんてチュートリアルで私を殺そうとしましたから。
「イツキ様、登録はお済みですか?」
「ええ、丁度終わったところよ」
「でしたらデウナスがこちらに居たのでご挨拶を。それから一緒に宿屋まで行きましょう」
「は・・初めまして鳳聖女イツキ様。ドラゴンキラーの御身の前ではお恥ずかしい限りですが【拳王】の二つ名で呼ばれております。拳闘士のデウナスと申します」
「へえ・・中々筋は良さそうね。どう?戦争に参加する気は?」
「私は冒険者です。ギルドに依頼がございましたら参加致します」
「つまりは・・不参加。ということね。いずれにしても手合わせは後で致しますので」
「は・・・はい(す、すごい威圧だ)」
冒険者ギルドは、公平を保つ組織なので特定の国を支援することになる「戦争に参加」などの依頼は絶対にしない。
参加するなら、あくまでも【自主的に】なのですよ。まあ、強制するつもりもありませんし。
うちの妹のように『お姉様〜、戦争が待ちきれません。100名は殺しますよ!』
そう言う位の猛者でないと興味がありませんわ。
まだ10歳で、かわいい盛りのはずのソフィアが・・姉にそっくりの戦闘脳筋にすくすく育っているようだ。
宿屋までの移動中にデウナスと会話を交わす。
「貴方とミランジュリはお付き合いしているのですよね?」
「はい、もう1年になりますが・・それが何か?」
「いえ、男の影すら見えないシオリナが心配で『イツキ様!?』」
「あー、こいつの場合は声を掛けてきた男をとりあえず殴るので、今では誰も近づきません」
「あら?私が声をかけた時は、顔を真赤にして『イツキ様!?』可愛らしかったですよ」
「へー、お前そっちのしゅ『ぐしゃ!』・・拳の・・フルスイングは・・やめて」
さて、宿屋に入ると・・朝から盛っている声が聞こえてきますわ。あれ?でも・・ここは?
「ねえ、シオリナ。この宿は貴方達の貸し切りなのよねえ」
「はい、そうですけど?」
「私の耳は高性能なのだけど、朝から盛っている声が2階から聞こえるのよね」
「「えっ!?」」
「『サンシェス!そこよ〜!』とか、『くっ!すごい締付けだ。ミランジュリ、そろそろ・・』とか?・・・これってNTR?」
その瞬間、デウナスがダッシュで階段を駆け上がり(私も同行)、バーーーン!とドアを破壊すると、そこにはあられもない姿の二人が組んずほぐれずアマレスの最中でした。
「お前達何やってるんだーーーー!!!」
「「何って・・S◯Xを楽しんでますが?」」
「腰振るのやめろーーー!!!」
「もう少しでイクのに」「はぁ?この早漏が!」
NTR?寝取られ?修羅場?相手が開き直って居るので修羅場かな。
大変面白くなってきました!・・シオリナ?なに真っ白になっているの?




