036話 総長、マッチポンプのラ・メール攻略【ゲーム世界編:第一王女ゲットと古竜登場】
<イツキ・ヴァーナム・エッセリウ サイド>
さて、ゴミは片付きましたね。
血だらけではしゃぐ犬ころ状態のソフィアに【オールクリーナー】を使う。
そして抱き上げ、頭を撫で、クッキーを数枚食べさせてから最後にご褒美の黒糖飴を食べさせる。
「ソフィア、すごいわ!ここ2ヶ月の成果を実戦でも問題なく出せたわね」
「お姉様の次に強いのは私、この位置は誰にも譲らないよ!」
エルフの森から戻ってから対戦形式で序列を決めるようにしたのよ。
何度も負けることで、それからソフィアのやる気が加速、今では強さが群を抜いている。
クソゲーなゲーム世界をぶっ壊そうか、とちょっと思ったけど、ソフィア達の成長が楽しみでそのまま続けている。
力を完全に取り戻した私には勝てないけど、今では序列対象外のスズナと互角の戦闘が出来る程なのよ。
しかし、スズナって四六時中私のそばで使えているのに、着実に強くなっているのよね。
<スズナ・シモンゲーダ>
種族:聖人(シモンゲーダ男爵家、長女)
職業:イツキ専属メイド
戦闘力:73 ⇒ 105
防御力:55 ⇒ 99
魔力:95 ⇒ 198
好感度:37 ※イツキへの好感度:限界突破99999999
スキル:【雲隠れ】【王家暗殺術(上級)】New【怒髪】
称号:【イツキの愛子】【女神イツキの神徒】【発氣開眼】
しかも、いつの間にか聖人になっているし。本人に秘訣を聞いてみたのだけど。
「イツキ様のおかげです。その・・深夜に・・毎日欠かさず・・ぽっ♡」
詳細は教えてくれないけど、人知れずに鍛えているのだろう。
能力を完全開放した女神イツキが毎日寵愛しているのだ。人としての格が上がるのも当然だろう。
スズナに触発されたのか、シオリナとイリーニャもガンガン強くなっている。
ナターシェだけは運営側の為、ステータスは存在していないのよ。
いい方法なら孤児達にも広めたいのだけど、みんな「イツキ様のおかげです♡」としか言わないのよね〜
流石に・・・最年長で15歳の孤児達にするのは倫理的にも駄目だろう。
さて、第一王女に訪問理由を聞きましょうかね。
「王女の従者達を休ませてあげて。王女は私が直接応対いたします」
「「「は!」」」
「鳳聖女様、私は近衛騎士団長、ミハイル・フリューガーと申します。私は同行致します」
「分かりましたわ」
王女のもとに向かい「きゃ!」お姫様抱っこをして屋敷に向かう。
ただ抱き上げるだけではなく、腕の周囲に発氣を展開して、まふっと体にフィットさせる
「ほわ〜っ・・あ、も、申し訳ありません」
ふふふ、気に入っていただけたようです。
「では、可愛らしい王女様「かわ!?」到着まで体の力を抜いておくつろぎ下さい」
「は・・はい」
魂持ちの確認のためフェロモンを強めに流してみたら・・びくっ!と反応あり、近衛騎士団長も・・同様ね。
ん?王女様、襟足まで真っ赤になってるけど・・少し撒きすぎたかしら?
「疲れてるでしょ?そのまま眠ってもいいわよ」
「あ、ありがとうございます!でも、大丈夫です!」
「あら?王女様の可愛い寝顔を見ながら歩きたかったのに・・残念」
「えええっーーーー!!!」
「・・・鳳聖女様、うちのお嬢は箱入りなのでお手柔らかに願います」
「(貴方達の突然の来訪で国民がピリピリしているのよ。貴方達にはまだここは敵地、茶番に付き合いなさい)」
「(そうでした。ご配慮痛み入ります)」
「見れば見るほど可愛らしいわ。今夜は一緒に寝ましょうね」
「うきゃ!?しょいね!そそそそそれは・・どういう?」
「(私の噂はご存知でしょ?こんなに美味しそうなんだもの・・今夜は寝かさないわよ)」
そして、その額に軽くキスをすると・・・
「(しゅ〜)ぼん!きゅ〜〜〜〜〜〜〜〜」
あら、気絶してしまったわ。でもここまで見せれば・・・
「あーあー、ほんとイツキ様は女の子好きだよな〜」
「もしかして新しい妾さん?」
「バカ!王女様よ。賊に追われてたみたいよ」
「賊は討伐済み。俺見てきた。ソフィア様すごかったぜ!」
「それをいうならイツキ様の魔刀。初めてみたぜ」
「「「みたかった!」」」
「英雄色を好むか。王女様も毒牙に・・ソフィア様は健全に育ってほしいね」
好意的な噂になりましたね。しかし、私の女好き設定浸透し過ぎでは?
<シンデレサ・ヴィシャール・プリンセス サイド>
お父様と弟は何を考えているのでしょうか?
まさか、エッセリウ公爵を捕縛するとは。
話を聞く限り、弟は無断で屋敷に押し入り、婚約者とはいえ就寝中の令嬢の部屋に無断で押し入った。しかも複数の男性陣で。
もし、私が被害にあっていたら、該当者全員が処刑される事態です。
もちろん私も抗議に行きましたが、聞く耳持たずで追い返されました。
ただでさえ公爵領は国の最重要地域ですし、公爵不在でも3名伯や最近噂のイツキ様がいらっしゃる。
諜報部隊の調査では、戦神教会を立ち上げて孤児達を兵士として育成、イツキ様とソフィア様も大変な実力者のようです。
食料備蓄も充実、金銭的にも潤沢で、良港を持ち、他国へも伝があり、3名伯という有能人材。
そして・・イツキ様により武力まで兼ね揃えた領地なのです。敵対は絶対に駄目です。
だというのに・・釈放運動中に公爵達は処刑されてしまい、謀反を企てた公爵の共犯者として私にも魔の手が。
幸い第一騎士団長カールの密告で、なんとか王都から脱出、一縷の望みで敵地となったエッセリウ公爵へ向かいました。
追手を差し向けられましたが、イツキ様のご判断で無事に領内に入れて頂き、ご助力も頂きました。
初めてお会いしたイツキ様は武人たる佇まいと凛とした表情ですのに、包みこまれるような優しさもお持ちのよう。
妹のソフィア様の武威にも驚きましたが、神々しい公爵家の伝説の宝刀使いこなして悪漢を切り捨てるそのお姿にキュンとしてしまいました。
この方が男性でしたら・・・いえ女性でも構いません。私は・・・
しかもしかも!私のもとに向かってきてお姫様抱っこを!きゃー!
ガタイの良い騎士の方に抱っこされた際は、心の高揚もなく、体中が痛くなりましたが、イツキ様のお姫様抱っこは、心臓がバクバクと叫び、まふっと体にフィットするのです。
「ほわ〜っ・・あ、も、申し訳ありません」
その後もイツキ様から可愛いと言われ、夜のお誘いまで・・・
決めましたわ!どうせ王位など無くなるのです。教養もあり、料理も掃除も出来るので、メイドになります!
イツキ様の専属メイドとして、いと久しくお側にお使え致します!・・そして、時折ご寵愛を・・・きゃ!私はしたない。
イツキの腕に抱かれで、小娘のようにはしゃぐ第一王女シンデレサ。
弟の無能に呆れ、自身も次期国王を目指した。
「行き遅れ」「跳ね返り」と罵られながらも「国の未来のため」と婚姻を避け続け、政務に励んだ20歳。
ついに、人生を共に歩める相手に巡り合ったのである。
<オーラル教会 暗殺武隊サイド>
「王太子の武隊は全滅か・・まあいい」
しかし、イツキ、ソフィア、あの二人は異常だ。我らでは太刀打ちできん。
だが策はある。本当は王女の武隊が血祭りにあった後に使う予定だったが・・結果は変わらん。
「増援部隊を警戒して門扉は閉じたままだな。おい、あの条件で例の魔法は可能か?」
「生贄数人でいけますので、発動条件問題なし」
「よし、ならば【魔神の息吹】を全投入だ!」
商人に偽装した幌馬車をのんびり走らせて、惨劇のあった場所で爆散させた。
すると、真っ黒なヘドロのような液体が周囲に飛び散り、どろり、と流れ出した。
それが周囲にあふれる血に触れると反応して瘴気を大量に放出しだした。
「詠唱開始!」
「「「ປະຕູຂອງ hell, ເບີກບານໃນໂລກນີ້」」」
呪文をつむぐと【魔神の息吹】を撒いた場所に真っ黒で巨大な穴が開く。イツキのゲートに似ている。
「こい!おぞましい強さの魔物よ!」
その掛け声に呼応したのか?その穴から にゅ、と巨大な顔が現れる。
「ん?何だここは?悪臭がするので来てみれば・・んんん?匂う、匂うぞ!これは神聖竜ちゃんの匂い!」
「ついに、ついに俺に相応しき相手を見つけた。エンシェント・ドラゴンたる我にこそ!妻には竜のアイドルがふさわしい」
「俺の嫁!生まれてから1万と300年、どう・・大賢者から新たな扉を開くのだ!」
「おおおおっ!滾ってきた〜!!!待っててね、俺の嫁!」
なんとも残念な咆哮だが、エンシェント・ドラゴンの咆哮だ。それだけで周囲のものを萎縮させる。
「お、おおお!まさか・・エンシェント・ドラゴン!?」
まさかこんな大当たりを引くとは・・でも、これ。いずれ王都も被害受けるんじゃ?
「これは・・おい、逃げるぞ。急ぎ教皇様に報告しないと」
「「「「「は、はい!」」」」」




