表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

36/83

035話 総長、マッチポンプのラ・メール攻略【ゲーム世界編:国家建国と建前探し】

<ソフィア・ヴァーナム・エッセリウ サイド>


家族が亡くなった。まあ、私は家族には違和感を感じていたので特に悲しくもない。


正直、お姉様や戦神教会のみんながいればそれでいいのです。

ですが・・・お姉様は激おこでした「私の大事な実験台を〜!」と。

訃報を聞いたその日は、誰も近づくことが出来ない程。

あの殺気の中でいつもと変わらずに嬉々として身の回りのお世話をするナターシェやスズナがどうかしてるのでしょう。


そして、いつの間にかお姉様のお側に桃色の髪色の小柄で可愛らしい女性が仕えており、それが元エドモンド枢機卿と聞いてびっくり!

今はシフォン教皇という可愛らしいお名前に・・いや、今でも信じられませんけどね。

スズナなんか「女の私より可愛い!?だと!」と落ち込んでお姉様に慰められてました。


「不思議よね。体重が三分の一になってるわ。残りのお肉はどこに行ったのかしら?」

・・・お姉様のその感想は、とても的はずれだと思います。


そして、訃報から3日後。今日は父である公爵の訃報に伴う緊急会議です。

お姉様と私を含め、配下の貴族を集めて今後の方針を決めるものです。

まず、お姉様が両親達の訃報までの経緯を説明しました。そして・・・


「私が公爵を継ぐことは絶対にありません!」

お姉様がそう宣言すると、周囲がざわめきました。


「イツキ様!公爵様の無念をそのままにするおつもりですか!?戦いましょう!」

そう叫んだのは、シオリナさんの父であるジュリーナ伯爵、うちの将軍であり脳筋一家でもあります。


「珍しくあなたと意見が合うとは。ろくでなしの王家などに忠誠心はございません」

同意したのは、我が領地の宰相ジブリール伯爵です。


「くふふふ、良港を持つ貿易の拠点であり王国一の穀倉地帯だからこそ公爵家が管理しているのです。自らの首を締めるとは・・王家はお馬鹿ですな」

同じく同意したのは、我が領地の財政を預かるコーポジール伯爵です。


「ふふふ、流石は父上が信頼する【3名伯】です。そのお言葉に感謝いたしますわ」

「「「おおっ!」」・・では!」

「イツキ・ヴィシャール・エッセリウが宣言します。ただ今よりくそったれな王国から独立することを!」

「「「おおおっー!!!」」ですがイツキ様。汚いお言葉はお控え下さい」


「新たな国名は【エッセリウ 戦神凰国せんしんほうこく】。元首は戦神の巫女が努めることに致します」

「そして、初代 鳳聖女ほうせいじょとして、この私が、イツキ・ヴァーナム・エッセリウとして、戦神に成り代わりこの国を統治いたします」

「「「おおおっー!!!」」・・王族の血を引く証であるミドルネームも捨てますか」


「それと、貴方達はこれを飲みなさい」

「こ・・これは・・例の?」

「そう、何故か貴方達は思考力が高く、自身がNPCであることも理解出来ました。これを飲めば擬似的な魂を得られ世界に縛られる事が軽減されます。ゲーム世界はもちろん、現実世界でも頼りにしているわよ」

「「「はは〜っ!ラ・メール王国とやらの立て直しもお任せ下さい」」」

「そうそう、副次的効果で夜は・・あれがビンビンになるわよ」


「「「むしろ嬉しいです!」」」

「ふふふ、これからの子孫繁栄も大歓迎よ」


後でお姉様に聞いたら、あの宝玉はヴィーナスを解析して作り出したものらしいです。

なおヴィーナスについては「18禁な存在」らしく教えてくれませんでした。

ただ、ラ・メール王国については教えてもらいました。

現実世界で吟遊詩人の鉄板ネタになる程のバカ王が居る国で、メリッサさんのために立て直す予定だとか?バカ王見てみたいです。


「これより一週間、戦神に成り代わりすべての国民のあらゆる怪我・病気を治癒いたします。貴族でもスラムの住人でも関係ありませんわ。我が屋敷に集いなさい!」

「それは民も喜ぶでしょう」

「奇跡を目にすれば、この鳳国も安泰ですな!」


「「「早速招集してまいります」」」


ちなみに、公爵領のNPC達はどんどん精度があがって、それぞれ独自性を出してきている。

その理由はイツキが垂れ流している混沌の魔力にある。

ここは混沌の魔力濃度が一番濃い爆心地であり、更にはNPC家族への実験が魔力を伝って全国民に伝搬しているためだ。


「ですが・・・親殺しだけでは独立の理由が弱いわ。もう一つ、何かが欲しいですわね」

「はい、うちが王族の血筋とはいえ周辺国からは、自分勝手に謀反した公爵領、と認識される可能性は高いかと」

「それを理由に輸出入を止められ、不利な取引を受けざる得なくなる、それでは困るわ」


堂々と独立するための明瞭な建前を思いつくこともなく会議は終了しました。

しかし、その理由を・・なんと王国自らがもたらしてくれたのです。

バカ王ってこんな感じなのでしょうか?え!?もっと酷いのですか!


<イツキ・ヴァーナム・エッセリウ サイド>


国民達への治療が終わり、私への求心力は最高潮に達している。

衆人環視の中で、手足を生やしたり、重病患者を回復させたりと、ついでに女性のアンチエイジングから精力増強まで。それはもう奇跡の大盤振る舞いでしたので、当然の結果でしょう。

その結果、教皇主導でオーラル教会は解体され、現在は戦神教会の祈祷所を建設中です。


建国が順調に進む中で、後に判明する朗報が突然舞い込んだ。

「鳳聖女様!正体不明の騎士集団が数騎、第一王女の紋章です!更に後方からは別の一群!王太子の紋章です。どうやら追われているようです」

「即時、閉門!小門のみ開放して第一王女を保護。後は私達が向かうまで閉門して。手出しは無用ですよ」

「「「はっ!」」」

「ソフィア、出迎えに行くわよ」「はい!」


南門に到着すると、追われていた騎士達がへたり込んで水を浴びるように飲んでいた。

その中に、ボロを来ているがひときわ目立つ存在。この娘が第一王女だろう。


「貴方が第一王女シンデレサですわね。私はこの国の元首であり鳳聖女、イツキ・ヴァーナム・エッセリウよ」

第一王女?の下に向かうと、確かに見たことがある顔・・そう!お母様を20年若くしたらこんな感じになりそうなのよね。うーん、血縁だけはあるわ。


「ヴァーナム・・では、やはり!」

「当然でしょう?家族を殺した王国に仕える程、無能ではありませんわ」

「むしろ逆です。ここに賭けて良かった・・鳳聖女イツキ様、我らをお救い下さい!」

「相わかったわ!」「・・・よろしいので?」

「説明は後、ソフィア。外のゴミを歓迎してあげなさい」

「もちろん・・「ミンチの刑で!!」」


「かいもーーーん!みなもうちの妹の勇姿を見ていきなさい」

「ただし・・血に弱いものは閲覧禁止よ!」


開門と同時に、砲弾のごとく突っ走るソフィア。

いち早く気づいた騎士の1団がクロスボウで射撃を行うが、既にゴーイング・マイ・ウェイを会得しているソフィアには、直撃しても紙ゴミ程度の効果もない。


「「な・・なんだあれは!?」」

「見ましたか。これが戦神の加護ですわ!(実際には違うけどね)」

そしてすれ違いざまに次々と騎乗の兵士を一撃でミンチに変えていく・・あー、血まみれ肉まみれのお馬さんが可愛そうね。


しかし、十数騎の中の3騎だけは被害をまぬがれて、そのまま突進してくる。

あら、可愛い妹ね。私のために残してくれるなんて。


「い、イツキ様危険です!」第一王女様はお優しいこと。


一人目はそこらの小石を拾って・・・「ほい!」馬上の兵士が爆散した。


二人目は氷の魔法で・・・「えい!」ギャッギーーン!と凄い音がして敵の上半身が凍結、崩壊。


三人目はこの駄刀で良いかしら?すれ違いざまに・・「そりゃ!」居合い切りで右肩から左の腰までの上半身をバッサリ。


切れ味鋭く血油もつかないこの刀は、元首になってから帯剣している家の家宝・・ぶっちゃけ日本刀なんだけどね。

切りたいものだけを切る【幻魔刀】って言うらしいわ。

これ、魔刀ってだけあって滅茶苦茶魔力を喰うの。

帯刀してるだけで毎時100も魔力を消費して、使うともっと消費するのよ。

まあ、相手を切るとその魔力が貰えるそうなのだけど・・切ったこいつの魔力、報酬はわずか魔力12。

割に合わないし、こんなの私以外に誰も使えないのよね。それに・・・


『おうおう!誰も使えないとか、この上級神ラース様を侮辱するのか!私が容易く使えるわけがないだろう、我は神剣ぞ!』

「・・・しっかりと使ってますわよ」

『あ!?・・もしや我って・・小娘ごときが使える程度の剣なの?・・いや待て、お前が大剣豪だったり剣聖だったり・・しないよね。だって聖女でしょ?なんで剣神とかじゃないのさ、お前は!』


しかも、位の高い神の実体が刀なのだそう・・メンテいらずだけど、魔力を馬鹿食いして、うるさい剣なのよ。

ただ・・刀身すべてがダイヤで、どんな精巧なカットを施しているのか?刀身すべてがギランギランなのよ。だから・・・


「おい・・あれ!」

「ああ、公爵領で伝説になってる魔刀じゃないか!?」

「持ち手が数百年現れていないという・・あの魔刀!?それを鳳聖女様が」

「鳳聖女イツキ様!ソフィア様!ばんざーーーい!」

とーーーっても目立つ事だけは、役に立っているのよ。つまり儀礼刀ね。


『おい!いちいち失礼だな、お前!』

「だまりなさい!魔力供給止めるわよ!」

『ちょ!?それはずるいぞ!久しぶりに目覚めたのに!・・また泣くぞ、泣いちゃうぞ!?嫌なら神を敬え〜』


一度、うるさくて宝物庫に放り込んだら、シクシク泣き続けて「公爵様の亡霊が!」って大騒ぎになったのよ。

ああ、もう・・・エネルギーイーターで食べちゃおうかしら?


『くくく、王国随一の家宝が行方不明になったら宝物管理職全員のクビ飛ぶね〜無実のクビが〜たーくさんwww』

・・・こいつ!本当にムカつくわね。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ