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023話 総長、マッチポンプのラ・メール攻略戦⑤(王都襲撃戦:シルちゃん争奪戦!?)

暗黒竜ドッペルゲンガーサイド>


暗黒竜姿の私は、王都の郊外に降り立つ。

予定では王都へ直接襲撃を行うつもりで、タイミングを合わせるために本体達と通信していた。

だが、いつの間にか話題が変わり・・・


『シルちゃんかわいいよね!』

『あ〜、1日中可愛がりたい!』

『甘味を食べたときの顔が・・また可愛い!』

『いや、寝ているときの顔も・・』


本体の聖女帝からの動画や画像提供もあり、そんな話しで大いに盛り上がっていた。


仕方ないよね、あんなに可愛いんだもん。

そのうち、本体の聖女帝だけが可愛がっているのがずるい!

となり、最終的に王都襲撃前にシルちゃんとの一日デート権を賭けての勝負となった訳よ。

何故そうなる?と聞かれても困る。強いて言えばなんとなくだ。


「あなた達、今日は女神様の復権を賭けた大勝負なんでしょう?一体何を・・何も考えてないのよね。伊月が何人そろっても伊月だもの」


立花の言葉は最もながら、西都、東都の住民の女神信仰回帰を確認出来た。

正直、もうここの民衆ってどうでもいいのよね。

せめて冒険者ギルドへの登録の際に状況に変化があれば良かったのだけど。

それーに、王都を真面目に襲撃する別勢力も居るみたいだし・・しばらくはあっちにお任せ。

数多の命を賭けた大決戦に対しても自由人はお気楽な思考のようです。


そんな状況なんだけど、何故か異物が居るんだよね。

「・・・なぜ、お前がいる?」


本体の聖女帝、ドッペルの暗黒竜の私、同じくドッペルの黒騎士の3すくみのはずなのに?

くっさい瘴気を撒き散らす、闇の神キュレィムも参加していた。


「それは・・お前達に報復するためだ!」

「「「・・・お前なんて知らねーよ?」」」

「ぐぬぬぬ・・・ならこれを見ろ!」

闇の神キュレィムから瘴気の火球が飛び出してきて自己紹介を始める。


「私はマーキュリーの姉神!キュレィムちゃんでーーす!お初〜!ちなみに新生:七冥魔将しちめいましょう最後の一人!なのです」


まあ、それはいいのよ。正直、姉神には驚いたけど元々二人いる感じはしてたし。

問題は瘴気が取れたもうひとりの人物だった。


「おらー!この顔見忘れたとは言わせねーぞ!」

そこにはもう一人の伊月、ドッペルゲンガーの伊月がいたのだ。

「おっ、繋がった・・お前、メリッサのスキルで飛ばした奴か!?」


聖女帝本体の話ではメリッサが得たスキル【ランダムトラベル】をドッペルで試したそうだ。

で、その結果はドッペルの消失、繋がりも切れて行方不明に。効果が不明のためそのスキルは封印したそうだ。


「あのスキルで2年前に飛ばされたんだぞ!」

どうやらランダムで時間移動が出来るみたいだ。面白そう!戦後に私も試したい。


「やめておいたほうがいい。普通は死ぬから」

飛ばされたあと力が枯渇したらしく、キュレィムに出会わなければそのまま消滅していたそうだ。


「エネルギーイーターの本体ならいざ知らず、あのスキルでは神でも無理」

「本体の私の時は発動しなかったんだよね。戦国時代とか行きたかったのに・・・残念」

「あなた試したの!?いきなり消えて心配かけておいて何考え・・はぁ、考えてないのよね」

ひどいぞ立花、確かに私達は何も考えていないがな。


「ならメリッサが負けそうな敵に使えば良いんじゃない」

「「それはありだね」早速連絡しておこう」「?」

さあ、雑談も終わったところで・・・


「【シルちゃん可愛がり権】取得の戦闘を始めようか!」

「「おう!」」「へ?シルちゃん?」

だが、そんなアホな戦闘を許さない存在が現れる。


「私を可愛がる?・・・伊月ちゃん、どういう事かな?」

怒れるシルビー・メントレームが立ちふさがった。


「私はお姉ちゃんだって・・ひっく・・何度言わせるの〜!!!うぎゃーーん!」


そしての大号泣!どこがお姉ちゃん?と思うほどの幼児のギャン泣きだった、流石は幼児族。

4人の伊月が慌てて駆け寄り、総動員であやし出す大騒動になった。

幸いにも聖女帝本体が魔法で用意した甘口カレーにシルビーはご満悦で、皆がホッとする。

同時に口の周りをカレーだらけにしながら泣き笑い顔で頬張るシルビーに皆がメロメロになった。


「ねえ伊月、この娘本当に24歳ですの?なんて可愛らしい」

「伊月ちゃん。私、妹欲しかったの・・副総長にしましょう!」

立花とこのは、四天王の2名の推薦があれば問題なし!


「よし、シルビー・メントレーム。貴方をレディース【同盟】のマスコット・・じゃなくて副総長に任じます!」

「・・・ふへ?」

カレーを頬張りながら、きょとんとする顔もまた可愛い!

でも、レディと言うならもう少し綺麗に食べましょうね、とつぶやきながら、聖女帝本体がお口を拭いてあげている。


ん?気配が3つ現れた・・敵襲、これはなかなかの相手だね。


「さあて、何故か別勢力主力がこっちに攻めてきたので戦闘を開始しようか」

その瞬間、各種魔法が雨あられと降り注いできたので、殲滅光で薙ぎ払う。


魔法を防いだ事に驚きもせず敵対勢力の3名が現れた。挨拶程度の攻撃だったのだろう。

「ふむ、まさか暗黒竜が居るとは。我ら3名で来たのは正解でしたね」

グレーのスーツを着た、真面目そうだが悪魔らしい容姿の存在が空中に佇んでいる。

額に1本側頭部に2本、計3本の漆黒の角があり、皮膚は灰色だ。


「きゃはは!楽しそう。攻めていい?殺していい?」

悪魔の右隣には真っ白な翼を持つ天使と思われる存在が嬉しそうに騒いでいる。

服は上下デニムで、白黒の仮面を装着している。


「・・戦闘・・楽しい・・殺し・・待ち遠しい・・」

悪魔の左隣には金髪碧眼の筋肉ダルマがブツブツと呟いているが・・全裸なのはなんでだ?


だが、登場からの余裕の表情など長くは続く訳はない。

何故ならここには、こわ~い存在が4体も居るのだ。


「うちのシルちゃんに何見せとんじゃーーー!!!」

「ぐぎゃーーーー!!!」

刹那の時間に金髪肉だるまのぴーー!を握り潰して引き千切った悪鬼羅刹、聖女帝伊月の姿がそこにあった。地面に落ちたぴーは闇の神が消滅させた。

一歩遅れて黒騎士がそのクビを、そして私が殲滅光で存在を消し去り、聖女帝がトドメとその魂を喰らい尽くす。

下級神といえ神とは不滅の存在。だがその魂まで喰われればその理から外れるのだ。

唯一、出番が遅れた闇の神は憮然としていたが、まだシルちゃんへの愛が足りないから仕方がない。


「・・・おい、覚悟は出来てるんだろうな?」

「あ・・あの、せめて自己紹介と能力説明くらいは聞いて下さい。ご興味のありそうなスキルありますので」

リーダーと思われる悪魔が何やらほざいている。


「だったら粗末なものを見せるな。今後はきちんと服を着て連れて来い!初見は大事なんだぞ」

「はい・・・すみませんでした!」

「あいつ、言う事を全く聞かないので放置してました」

「お前も女神なら異性のだらしない姿を注意しとけ!」

「ひぃ!」「・・・あ?」「はははい!」

「シルちゃんに土下座で・・やっぱり普通に頭を下げて詫びろ」


「「汚物を見せて申し訳ありません!」」

「・・・ふへ?」


なお、カレーに夢中のシルちゃんは気づいてもいませんでした。

聖女帝は仕方がないな〜、と頬についたご飯粒をちゅーで取ってあげた。


「へ?はにゃ〜〜〜〜〜・・ふにゅぅぅぅ」

「「「「あ!ずるい!私もーー!!!」」」」


流石は本体、と関心はしたが、やはり先を越されてしまった事が悔しかった。

・・・あとちゅーは私もするぞ。

え!?竜の口が怖い?タツキは良いのに?誰か私と変わって〜


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