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012話 総長、気まぐれでレオンハル王国に行く

<伊月サイド>


翌日・・・教会入口前に簀巻きにされた女性が発見された。


「私はザラデタン侯爵の長女ミリエールだ!あんの黒騎士め!私の求婚を断り簀巻きに・・・ぶっ殺す!」


話を聞いたところ、黒騎士の魔物に誘拐された挙げ句、意味不明なんだけどその誘拐犯に求婚したらしい。


それを呆気なく断られて

「やっぱりイラネ、教会で淑女修行でもしてもらえ」

と我が教会に捨てられたそうだ。


とりあえず貴族のようだし、メリッサにおまかせしよう。


「あなたは①強くなる②強者と結婚する、どちらを優先されるのですか?」

「もちろん①自分が強くなることだ!②は親が嫁に行けとうるさいのでどうせならって感じだな。第一候補は黒騎士だったけど天才美少女の私を袖にしたんだ、あいつはもう殺す!」

「ならば女神マーキュリー様に身を委ねるのです。お強くなれますよ」

「は!?女神だ〜?ボロ・・・あ、いえ・・強くなれるのでしたら・・検討を・・はい」


女神への蔑視で有名なのが【ボロ雑巾】という隠語だ。

こいつもその悪口を言いそうになったが、うちの凶暴な神徒からの威圧を敏感に感じ取ってシドロモドロになりながらも回避した。

センスは良さそうだが所詮お嬢様だ、すぐにボロが出るだろう。


「よし、ミリエールとやら。うちの神徒に揉まれて見ろ。それで気に入らんなら出ていけ」


<ステータス>

名前:ミリエール・ザラデタン

年齢:15歳

性別:女性

種族:人族

存在値:レベル25

スキル:【ダブルアップデート】

称号:戦闘狂


ふむ、戦闘狂か。だいぶ有望な娘だね。しかし、スキル【ダブルアップデート】って何だろうな?とても興味深い。

なお、この時点ではドッペルは解除されていないので伊月はミリエールのことは知らない。ただ自作自演の件は百合香からの連絡で知っている。

さて、模擬戦の神徒代表としてリサが相手をすることになった。

リサは存在レベル21だけど問題ないだろう。


<ステータス>

名前:リサ【封印:・山本(自称)】

年齢:17歳

性別:女

種族:人族【封印:ムースと一緒の神獣(自称)】

存在値:レベル21⇒27

スキル:【封印拒絶】ムースの守護者(目標)、付与魔法(聖・火属性)

称号:きずなの主【封印:ムースのつがい(予定)、伊月の義娘(予定)】


封印?アリスの仕業か。

どうやらリサは意識を司る神獣であるアリスと劣勢ながらも善戦しているみたいだ。

負けていたら削除されているはずだからね。

本当に面白いなリサは。

それ以外は順調に成長しているようだ。

レベルは結果的にアリスのおかげ、付与魔法に聖が追加されているのは昨日の私のブレスの効果だね。


「先手必勝!【ダブルアップデート】」


お?こいつ発氣を使えるのか。

しかも・・魔法でも身体強化!?そんなコントロールが難しい事を最適値の状態でやってのけている。

ふむふむ、つまり身体強化を2重に掛け、しかも現在のコンディションの最適・最高値に整える。それでダブルアップデートなのか。

まてよ・・ダブルアップデートって身体強化だけなのか。

違う使い方もあるんじゃ?この娘も面白そうな存在だ。


このスキルでミリエールの存在レベルは25⇒37に上昇した。

まあ、それでもリサには勝てないけどな。

スキル任せ、力任せに暴れるミリエールに対して、体の使い方を教え込んで無駄のない動き方が出来るリサには相手にもならない。

結果は予想通り、ミリエールの数度の打拳と蹴りを軽く避けて、顎への一撃で脳を揺らして倒していた。


「うぎゃーー!!!なんで!なんで!雑巾女神の信者に・・なんで私が負けるのよーーー!!!」

「・・・弱いからに決まってるだろ?」

早速ボロ出したけど、カッチーンときてしまった。


ミリエール両頬を捕まえてこっちに振り向かせる。

そして視線を合わせて、瞳にじわじわと神威を増やしていく。


「これが神の力だ。うちの女神がボロ雑巾ならお前はなんだ?・・・さあ!言ってみろ!」

「・・・あ・・・あ・・・あ・・あ・あ・ああああああああ!!!」


ち、お漏らしして気絶しやがったか。

女神の苦労も知らずに無能が言いたい放題、自身で金竜を討伐してから文句を言えってんだよね。


「メリッサ、調教は任せたぞ・・強めにな」

「ようやくですね、腕がなりますわ〜!もちろん!手加減無用ですわ」


こんなゴミ共をいちいち相手にするのもいい加減うぜーな。

今後はドッペルの自作自演を支援して促進べきだろうか。

てか、私も積極的に参加すれば良いストレス発散になりそうだ。


「神聖属性竜、永遠とわなる聖淨せいじょう


さて、神聖はどんな鎧に・・・って、なんだコレ?6枚羽の光り輝く天使になってる。

これは流石にひねりがないんじゃないか?まあ、いいか。


「気分転換にちょっと魔族領に侵攻してくるね〜」

「「「「えっ!?」」」」「自由過ぎるでしょ!?」


いざ、外に出ると

「そうえいば、この島にどんな国があるのか?まだ詳しく知らないんだよね」

と、思い立ち島内一周をしてみることにした。


自由人極まれりだ。


シャイネリアからは各国の大まかな情報は聞いているけど、一度確認しておきたい。

まずは、この国の北にあるシャイネリアの国、レオンハル王国だ。

トンボ・・百合香のスキルを見たことで私も超高速飛行が出来るので、サクッと到着する。


「ここがレオンハル王国か。国民の数は少ないと聞いていたけど。王都しかないんだねこの国」


この国は、ラ・メール王国みたいに家が地中に埋もれているわけではなく、2〜3階建ての建物が立ち並んでいる。

都市には城壁も有り、王城(邸宅)もそれなりに立派である。

ただ、アニメの城でよくある尖塔のようなものはない。

あんなの意味ないからね。

しかし、戦闘民族って聞いたけどその通りだね。

すぐに上空にいるのを発見されて槍による投擲や弩弓、魔法なんかをガンガンを浴びせられてるんだけど。

普通、まずは警告じゃないの?

そっちが遠慮無用なら、ちょっと嫌がらせしてやるか。


城壁の正門ある場所の1km程手前に降り立ち、光の聖鎧を纏ってから王城まで一直線に歩く。

兵士共が正門から出てきて、剣や槍、魔法などで攻撃してくるが、そのすべてを聖鎧が弾く。

数多の兵士にワラワラと集られたら、その羽根で吹き飛ばす。

ついでに正門を吹き飛ばしてやった。


都市内に入ると、今度は民衆たちも攻撃に加わり出した。

ひょろい男も、可愛らしい少女も、ふとったおばさまも、しなびた老夫婦も、何度跳ね飛ばそうが目をギラつかせて嬉々として戦闘に加わってくる。


「嬉しそうね。まるでお祭りみたいだ」

「「「沸き立つ血潮、これこそ我らが求めるものだ!ようこそ化け物!」」」


こいつらなら布教簡単そうだな。

周囲にいる有象無象を大きく弾き飛ばしてから等身大女神マーキュリー像を乗せたお神輿を即興で作った。

発氣と神聖魔力で練り固めたものだ。

竜の因子を持つこいつらなら発氣に触れていたら力の芽生えがあるはず。

しかも神聖付きならより効果も高い。

神聖が人気あるのって【芽生え】を促す事も大きいんだろうね。

能力開花もそのひとつ。暗黒は【阻害】の力みたいなところがあるから不人気なんだろう。


「お前達、強くなりたいなら女神マーキュリー様に祈れ。この神輿は贈り物だ。毎日交代で女神様に祈りながら都市内を担いで周れ。力の開花を促すぞ」

「な!?こんなものでか?」

「でも、すげー力を感じる」

「うん、確かに」

「まずは、担げたらな?」


「「「はぁ!?持てるぞ!」」」


神輿は無茶苦茶重くして作ってやった。

50人集まっても持ち上げられないだろう。

ニヤニヤしながら私が一人で持ち上げてやったら興味が私から持ち上げられない神輿(私からの挑戦と感じたみたい)に移ったので、そのまま王城に向かう。


その後も兵士や民衆を弾き飛しながら進むと、王城前にムッキムキのごっついおっさんがいた。

その隣にはお色気美女がいる、顔は美女のほうが怖い。


「我こそは、レオンハル王国序列1位、国王でもあるジラルディ・レオンハルである」

「私は女神マーキュリー様の神徒、【聖女帝】伊月・山本だ・・お前が序列1位?王城の最奥にもっと強いのが5人いるだろ」

「!?お分かりになりますか・・ってか、我はまだ長老達には及びませぬか」


すげーがっかりしているぞ、この筋肉ダルマ

「しっかりしなさい!」

バッチーーーン!「ぐわっ!」

隣の奥さんも強そうだ。


「その5人を治療してやるから、案内しろ」

「は!」


上空から眺めるだけにするつもりだったんだけど、弱っているけど聖人レベルの気配を感じたんだよね。

しかも5人もだよ!もったいないので治療してみようかなって。


その前に、旦那を突き飛ばした奥さんから「ぜひ戦闘を!」とせがまれたので、シャイネリアと同じ事をしてあげたら「私は弱い!滾ってきたー!」たいそう喜ばれた。

そして「ずるい!我にも!」寝転んで駄々っ子のように泣き叫ぶ国王にも同じことをする羽目になった。


後ろの大臣や近衛兵達もキラキラした目で見つめてくるが・・無視だ。


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