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001話 総長、異世界転移する?

白く輝く巨大な文様(これって魔法陣?)が描かれている敷物が敷かれている薄暗い部屋。

気がつくと、その敷物の魔法陣?の中心部にぽつんと佇んでいた。

敷物は分厚いカーペットのようだけど、質が悪いのか感触はいまいちだ。

そして、役目を終えたように文様の輝きが消えていく。大好きなラノベで散々読んだよね、こういうの。


部屋は家具等は一切なく30畳程と広い。人の気配を感じるが、文様の輝きが消えると更に暗くなり顔の判別は難しそうだ。

ならばと発氣による視力強化と併せて、発氣を周囲に放出して部屋内を完全掌握する。発氣放出は最低限の鑑定も兼ねるので戦闘時には必須だ。

その結果、周りにはローブ姿で杖を持った中年男性5名(鑑定:魔法使い)、高価な身なりの中年男性が2名(高位貴族)、軽鎧の若い男性3名(騎士)・・・天井裏には男女2名(暗殺者)か。

そのうちのローブ姿の男性達は重要任務を終えたようで、既に疲労困憊で座り込んでおり、気絶しているものも居た。

その衣類や所持品すべてが中世を思わせる状況だ。もう少しひねりが欲しいところだけど、もうこれは間違いない!


【異世界転移】からの【勇者召喚】か【聖女召喚】だろう。

流石に聖女はないだろう。なんせ私は武闘派なんだから!やっぱり勇者召喚かな?

その証拠についさっきまで武装兵と戦闘中だったんだよ・・・あの結末の結果がこれなんだよね。



今日は生理が酷く、薬も切らしていたのでショッピングモール内にあるドラッグストアに買い物に来てたんだ。

そしたらさ、テロ組織?の武装兵がわらわらと現れてショッピングモールをあっという間に占拠。人質まで取り出した。

そのテロ組織?の要求がなんとも言えない内容で。


「現人神たる玉藻親王による天皇政権の樹立!錦の御旗を掲げての世界戦争により新世界秩序の構築」


とか、時代錯誤で「明治維新かよ!」って、ツッコミたくなったよ。

既に、皇太子は女系の斎宮内親王に決まってるのに、男子直系うんぬんとうるさい輩が時折湧き出すのだ。

大体、玉藻親王は姉の斎宮内親王にべったりのガチなシスコンだからね。そんな要求は通らないと思うよ!


斎宮内親王、宮ちゃんとは友達なんだけど、遊びに行くと必ずシスコン親王が付属品のようにいるんだよ。

幼児ならまだしも、シスコン親王は既に16歳なんだよ。気持ち悪いでしょ!

でも、皇族は公務などで忙しいはず。なんでいつも居るのか?疑問に思って聞いてみたらあいつ能力者だったんだ。

姉と離れたくない一心で得た能力は【ドッペルゲンガー】。一人は公務、もう一人は姉の秘書というストーカー

ガチキモだけど・・有用な能力なので私も教えてもらったよ。

おっと、溜まりに溜まったシスコン親王への愚痴が終わらない・・とりあえずここまでね。


はあっ、本当にめんどうだ。アリスやタツキは自宅に置いてきたので助力はなし。

体、だるいんだけど・・・仕方ないか!生理痛もきついので早めに殲滅しましょうかね。

監視の薄い階段を一気駆け上がり、最上階から順番に武装兵の鎮圧と人質の解放を順調にコンプリート。

残りは一階の吹き抜けフロアに陣取る、テロ組織?のリーダー集団のみとなった。

そこでも無事に人質を解放、戦闘も難なくこなし、精鋭と思われるリーダー他数名を追い詰めたところで、こいつらが・・・なんと眼の前で自爆したのだ!


「あ、これ人生終わった」


「発氣」使いの私にとっては、健康体であればこの程度の爆発は余裕で耐えられるんだけど・・・

氣を練る作業は丹田で行っている為か生理の際は丹田も悪影響を受けてしまい、氣を練る能力が大幅に低下するんだよね。

それに、最近は発氣とは違う正体不明の力が丹田辺りで蠢いて、発氣使用時はかなりピーキーなコントロールが必要になってたんだよ。

なんとも間の悪いことだよね〜


まあ、それは私が弱いからであって、仕方がない事だ。

そろそろ走馬灯でも見える?と思っていたら、いつの間にやら知らない部屋にいた。 ← いまここね。


あっ!そういえば自己紹介がまだでしたね。私の名前は山本伊月やまもといつき、18歳です。

卒業間近の高校三年でレディースチーム【同盟】の最強総長などを嗜んでおりますわ、おほほほ!

 

発氣については3歳時に突然髪が銀髪、瞳が銀瞳になって力が発現したんだ。

その後は訓練を欠かさず、今では世界一の発氣使い&世界最強を自認しているよ。

レディース仲間には内緒にしているけど発氣の弟子も数名いて、その弟子たちが道場を開いている、らしい。

らしいというのは、弟子一号から


「イツキちゃんを、道場の正体不明の代表Xに仕立てたから!」


と、聞いたことあるんだけど参加すらしたこともないし、そもそも道場名すら知らないんだよね。

どこかの町で小規模にひっそりと運営しているみたいだからバックマージンすらもない。

道場?こっちはそんなん知らんがな!状態ですよ。


力の発現は悪いこともあった。容姿の変化と氣の発現、それがきっかけで元々好かれていなかった両親からは憎悪された。

そして、急な容姿変更に周囲からは気味悪がられ嫌悪の対象になった。親が憎悪を率先していたから広まるのも早かった。

特に男性からの嫌悪がひどく、何人かに理由を拷も・・・んんっ、優しく問うたところ、答えはみな一様だった。


「見てるだけで嫌悪感が湧く」


だそうで。当時は全く意味が分からなかったので、男に対しては嫌悪しかなかった。

まあ、後にその理由が【私の周りに瘴気が渦巻いていたから】だと分かったけど。

瘴気の影響は男性のほうが圧倒的に大きいらしい、理由は知らんけど。

女性は嫌悪寄りの中立だったけど、男性側の嫌悪がひどくて遠巻きに私を見ていたって感じ。


しかし、中学に入ると男性陣は嫌悪から一転、今度は発情したストーカーとして湧き出てきて、更に嫌悪感が増長された。

ふふふ、これでも銀髪の美人で、ネット記事にもなる程の全国規模の有名人(戦闘面でも有名人です!)なのだ!

まあ、盗撮なども日常茶飯事で・・・こっちは、いい迷惑だけど。

おかげさまで、今では真正の男嫌いになったよ。

どれくらい嫌いかというとゴキ並みに嫌い。1匹見たら30匹は殺せるよ・・法律が許せばだけど。

法律がなければストーカーにはタヒを与えられる(まあ実際、〇害したこともあるし、それ以外でも他国の暗殺部隊を〇害したりしてるけど、なんも感じないよ)といえば嫌悪のレベルが分かっていただけるだろう。

さて、自己紹介なんて現実逃避は止めて状況確認だね。


あれ?・・・んあっ!?

今までは丹田で蠢動していただけの「発氣」とは違う力が体の内から湧き上がって来る。

なんだろうね、これ?

ここに来て、ようやく出口を見つけて表に出てこようとしている感じだ。

やはり湧き上がる力は「発氣」とは別系統のようだけど・・・正体不明の力は発氣と同じ丹田から発生している。

とりあえず解析は後回しだ、理由の分からない力は一時保留、はいはい、中に戻って大人しくしてね〜っと。

そして、発生源の周囲に薄ーーく「氣」を纏って力の隠蔽。まずは情報収集を優先しよう。


テロ組織のアジトの可能性は0。現状不明なことが多すぎる。まずはか弱い女性と思わせて(居たのアリス!?笑い過ぎだよ)従順に応対しよう。

そして相手を油断させて情報を得ることにしよう。やばくなったら大暴れ(ぶち殺す)すればいい。


さあ!何が来てもやり過ごす自信はある!勇者召喚ならサクッと魔王を倒して帰ればいいよね!


このときの私は、この事件が永遠なる人生への大転換になるきっかけだったなんて、微塵も思ってなかったよ。


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