デザイナーズメモ アルカディア構想
これは読まなくてもいい話です。アルカディア構想が気になる人だけ読んでいただければ幸いです。
1. 『アルカディア構想』概要
・アルカディアは、従来の『民主主義』・『社会主義』・『資本主義国家』とは異なる分権型国家モデル。
・中央の『統合政府』と、自治運営を行う『ギルド(準国家単位)』による二層構造で構成される。
・統合政府は、インフラ・外交・軍事・刑罰・教育などの基盤かつ基幹的な国家機能を担う。
・ギルドは『国家』と『企業』の中間的立ち位置に該当し、一部の『民法』『福祉』など日常の社会制度を代替・運用する。
・市民は自由にギルドを選択・加入し、各ギルドの制度と責任を受け入れる。
・ギルドに加入できない・属せない人々のために、国家が『Job Guarantee Program(JGP)』を運用し、最低限の生活と労働の保障を担う。
・また、ギルドに所属していない人々は、国家が基準とする『基礎法律』の法律に則る。
2. 『統合政府の役割』
・統合政府は、ギルドの上位に位置する中央統治機構であり、国家秩序の基盤を担う。
・その機能は以下を担う。
1インフラ管理
・電力、水道、通信、交通、国家エネルギーの維持運用。
2 教育制度の直接運営
・義務教育〜高等教育に至る国家教育を標準化し、『思想的分断』を防ぐ基盤を形成。
・ギルド独自の教育は『私立』として運営可能だが、国家教育水準を下回ってはならない。
3 軍事・外交・災害管理
・対外防衛、外交交渉、大規模災害対応などを担当。
・国境警備、治安維持部隊(政府軍)を保有。
4司法およびAI裁判所の運用
・重大犯罪に対する刑法を統一的に管轄。
・迅速に裁判を行うために、『AI14体+AI1体(主審)』による裁判制度を導入。
・異議申し立ては最大2回まで可能。
3. 『ギルドシステム』
・ギルドは、準国家的な自治団体であり、国家から認可された上で以下の機能を担う:
1ギルドの自由と責任
・独自の民法(労働・婚姻・契約など)を設定できる。(労働基準はTier1に最低が定められている)。
・教育、福祉、医療、治安などを自主的に運営可能(国家の水準以上を求められる)。
・自由市場・価値観に応じた「多様な社会」を形成。
・国家の示す『基礎法律』に違反してはならない。
2ギルドの義務
・法人税と納税義務。
・ギルド内治安の維持(ギルド警察の設置)。
・Job Guarantee Programに対する就労的協力。
3ギルドの設立
・ギルドは1名から設立可能。(最低限の行政申請と、デジタル署名が必要)
・設立された時点で人数に応じた課税と人数に応じた補助金が渡される。
4ギルドの解体
・Tier1に違反or基本的人権侵害。または、賞金首かくまった場合、即時解散とギルド所有の全財産没収。代表者は刑罰対処に課される。
・1年間活動されていないギルドは、警告の後に解体される。
5納税と給付金
・ギルドは最低の課税と、人数に応じた累進課税がなされる。
・詳しくは7『経済と税制』を参照。
4. 『法律の統治構造』
・改変可能な法と不可侵法の区分
1アーキコードの種類と説明。
改変可能法
・民法の一部(結婚制度や相続方法など)
・内部契約の一部(労働時間や報酬形態。福利厚生や労働契約など)
・教育制度(教育カリキュラムについて一部の変更を許可)
・社会保障(年金制度や厚生年金など)(公的医療保険に関しては、全額国が担保)
・文化・祝祭・宗教(休日、宗教的な儀式、服装規定、伝統的行事は、ギルドで改定可能)
改変不能法
・刑法
・通貨法
・AI裁判制度
・防衛・軍事関連法
・対外国関係に関わる法
・遺伝子改変・人体実験に関する法
・市場統制関連法
2市民憲章(Citizen Charter)
・ギルドは以下の人権をいかなる場合でも侵害してはならない。
人権
第1条:生命・身体の自由
市民は、いかなるギルド・団体によっても生命を奪われず、不当な拘束・拷問・強制労働を受けない権利を有する。
第2条:信教・思想・表現の自由
市民は、宗教・思想・表現・言論の自由を妨げられない。ギルドは、これらを抑圧するいかなる規則も設けてはならない。
第3条:法の下の平等
性別・年齢・出自・宗教・種族・身体的特性・信条に関わらず、すべての市民は同等の法的保護を受ける。
第4条:教育と知識へのアクセス権
市民は、国家が提供する標準教育への無償アクセス権を持つ。ギルドはこの権利を妨げてはならない。
第5条:医療と健康へのアクセス権
市民は、国家水準の基本医療サービスを受ける権利を持ち、ギルドはこれを拒否することはできない。
第6条:移動・所属の自由
市民は、任意のギルドへ加入・離脱し、居住・移動を制限されない自由を持つ。ただし刑法上の制限は例外とする。
第7条:結社と労働の自由
市民は、労働内容を選択し、平等な待遇と適正な報酬を受ける権利を有する。強制労働は禁止される。
第8条:裁判を受ける権利と異議申立ての権利
市民は、AI裁判制度に基づき、公正かつ迅速な裁判を受け、異議申し立てを2回まで行う権利を持つ。
第9条:プライバシーと個人情報保護の権利
市民は、個人の医療情報、生活履歴、思想・信条に関わる記録を不当に収集・利用・公開されない権利を持つ。国家・ギルドはいかなる場合でも、必要性と合法性に基づかない監視・追跡・記録を行ってはならない。
3アーキコードランク
・上記の改変可能法において、Tier制度を導入。
Tier制度
・Tier1:改変不能法の全て
・Tier2:要提出で改変可能なモノ
・Tier3:自由に改変可能なモノ
追記
・Tier2に関する法律は、AI裁判で審議される。
5. 『司法と刑罰制度』
1刑罰制度の原則
・アルカディアでは『懲役』を原則廃止し、『罰金』と『社会的ポイント』制度を主軸としている。
・ギルドは自前の『警察』で『アーキコード範囲内』の犯罪であれば処理できるが、重大犯罪は国家が引き取る。
2ポイント制度
・市民には『社会貢献ポイント』が付与され、犯罪・違法行為によって減少し、社会福祉や納税によって上昇する。(非納税にはポイント減少無し)
・ポイントがゼロまたはマイナスになった場合、国家ID凍結・財産没収・権利消失(=社会からの実質的追放)がなされる。
3賞金首制度
・極めて危険な重大犯罪者かつ、高位の冒険者の場合、『国家による討伐許可(バウンティ制度)』が開始される。
・ギルドは情報提供、協力によって謝礼金を貰うことが出来る。
・賞金首の討伐には、国家公安的組織との連携の元おこなわれる。
・ギルド単独での討伐は不許可。
・賞金首に設定された人物を、かくまったギルドにも連帯責任が課され、解体措置が課される場合がある。
4社会貢献ポイント復活制度(SPRS)
・処罰レベルが2等級までの犯罪者が対象。
・社会貢献活動(JGPを含む)に従事した場合、一定期間でポイントを再取得可能。
・そしてポイントがプラスになった時点でAI審査が可能となり、誠意と継続性が確認された場合、国家IDが再登録される。(没収された財産は戻ってこない)
5処罰レベル
・1等級:現代において懲役が20年以上
・2等級:現代において懲役が20年未満
・3等級:現代において懲役が10年未満
・4等級:現代において懲役が5年未満
・5等級:現代において懲役が1年未満
6. 『軍事と治安の分担』
・アルカディアの治安および軍事体制は、政府とギルドで役割分担されている。
1管理体系
国防・対外治安:政府軍
・国境防衛、国際犯罪、災害対応、大規模暴動鎮圧
内部治安:ギルドと政府治安機構
・日常犯罪の処理、内部治安の維持
2武力行使の制限
・ギルドでの限定的武力行使(例:賞金首対応)は政府の許可制により合法。
・ギルド間の武力衝突は禁止。違反した場合は、政府軍が介入し、ギルドは強制解体・資産没収。
7. 『経済と税制』
1通貨と徴税制度。
・国家通貨は仮想通貨『D.pay』(ダンジョンコイン兼用)。
・納税はすべてD.payで実施(他通貨不可)。
・D.payの価値は「納税義務」そのもので裏付けられている(租税貨幣論モデル)。
2スマートコントラクト税制
・税金はブロックチェーン上のスマートコントラクトで自動徴収。
・脱税・改ざんは事実上不可能。
・累進課税の上限撤廃。
・超高所得者への累進課税は100%に到達可能(収入に応じて)。
・金額水準は様々な観点からAIによって自動設定。
3財源配分
・国家は各ギルドに対して、納税額と所属人数に応じた無金利・無担保支援金を配布。
・ギルドはこの資金を福祉・開発・教育に再投資。
4経済的癒着と不均衡に対する対策
・複数ギルドが同じ『中核資本ファンド』に属している場合、独占的価格設定をブロックチェーン上で正当化されるリスクを避けるために以下の事を実行する。
対策
・『経済競争透明委員会(ECTC)』のような物を設置しAIによって随時監視される。
・ECTCはブロックチェーン上の大規模ギルド間の資金フローをリやるタイムで解析する。
・規模によっては、一部取引を事前開示を義務化。
5補足
・国家IDは1人1つまでのものであり、ブロックチェーンと連動しています。
8. 『社会福祉・JGP制度』
1Job Guarantee Program(JGP)
・国家が直接雇用する「最低限労働保証制度」。
・ギルドに所属できない/追放された者にも生活と尊厳を保証。
提供される仕事の一例
・災害復旧/清掃/育児支援/高齢者補助/教育アシスタント
・ギルド間連絡支援、公共記録のアノテーション
3社会福祉制度
・基本福祉(医療、教育、生活支援)は国家が責任を持って運営。
・ギルドは付加価値として独自の医療・福祉制度を提供可能(私立扱い)。
9. 『信仰・セイント制度』
・アルカディアは宗教的シンボルを持つ国家だが、信教の自由は完全保障。
・セイント(象徴指導者)は政治権限を持たず、民意と精神性を代表する存在。
・政策はAIと人間官僚の協働により設計・運用される。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
専門用語やこの話独自の言葉が出て来たと思うのですが、ある程度「あーこんな感じね」程度の理解でも十分です。これは、あくまで作者のマスタベーションであり、自己満足の範囲内の話なので……。
ちなみに、これは余談なのですが、このデザイナーズメモを書くためにめちゃくちゃ調べものをして、チャットGPTと話し合い、結果として合計2週間以上の時間を取られ、10回以上も書き直しました。
そのうえで、作者は経済学者はもとより、経済学専攻でもなく、ましてや大学生でもありません。もっと言うのであれば、普通に中学校は不登校でしたし、高校はN高だったので、これらが正しい物とは考えないでください。
しかし、ここまで時間が掛かるのは……どうなの?