プロローグ
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風の音が聞こえる。
俺は風が大好きだ。
理由はない。
風は生まれて、また消えてを繰り返してできている。
俺は風のそういうところが好きなのかもしれない。
......
ちょっとキザみたいで嫌だな。
『下』を見下ろすと、きれいなイルミネーションとともに歩く人々が必然的に視界に入ってくる。
それぞれがいろいろな顔をしているが、幸せそうな顔が大半だった。
「くそっ。クリスマスだからって浮かれやがって」
ぼそぼそと愚痴を言っている男は、東京タワーよりも少し小さい塔の上にいた。
風が強くなってきた。
「ここからやつを探すのって、ものすごく無意味じゃないか?人が多すぎる」
男は横にいる女性に話しかける。
「何を言ってるの?私たちはべつに探すためにここに来たわけじゃないわよ?」
女性は男のほうを見ながら首を傾げた。
「じゃ、俺らは何しにここへ来たんだ?」
女性は、斜め上のほうに顔を向けると、足を段差の上の乗せて言った。
「別にここに来たことに意味はないわ。ただただ、『かっこいい』からよ」
男は言葉を失った。
まさか自分の『相棒』がこんな奴だなんて......
「あなたもかっこいいとは思わない?現在の時刻はちょうど9時。人々がクリスマスだと浮かれている時に、裏では激しい戦いが起こっている......!あなたも子供のころに憧れたことはない?」
......
怪盗みたいだな。
「激しい戦いは起こっていないけどな。だが、かっこよさを求める気持ちは多少わかる。俺も子供の時はそういう存在に憧れていた。だが、今の年齢で憧れるほど幼稚ではない」
「あら?私が幼稚だっていうn......へぶしっ!?」
転んだ。
それはもう盛大に。
「ふっ。幼稚だな」
男は、勝ち誇った笑みを浮かべると女性に手を出した。
「く、くうぅぅぅぅぅ......」
女性は、悔しそうな声を出すと、男の手は取らずにゆっくりと立ち上がった。
「今のは油断しただけよ。忘れなさい」
女性は冷静な顔をして言った。
顔をよく見ると、頬が赤くなっている。だが、恥ずかしくて赤くなっているのか、寒さで赤くなっているのかはわからない。
「かっこいいことができたから満足だわ。犯人を捜しに行くわよ」
女性は後ろを向きドアのほうへ歩いて行った。
「はーい。幼稚な探偵さん」
「幼稚じゃない!!かっこいい探偵さんよ!!」
女性は探偵だった。
女性が探偵ということは、男は助手ということになる。
そう。探偵のはずなのに、怪盗のようなことをしていたのだ。
男は深いため息をついた。
「俺はいったいどこで道を間違えてしまったのだろう......」
助手は探偵の方向を向くと、探偵の後を追っていった。
風がやむ気配は一向にない。
読んでくださりありがとうございました!次回もお楽しみに!