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家族

あれから7年、今日で13歳、いよいよ成人か!

こちらの世界ではこの年齢で成人とみなされるらしい。


父と母が成人を祝う準備をしている。


俺は家の外で空を眺めながら考え事をしていた。

思えばあっという間だったな~

父とふたりで狩りに出かけた時、オークの群れに遭遇し、命がけで俺を護ってくれた。

母は俺が謎の高熱で寝込んだ時、2日間寝ずに看病してくれた。

3人で近くの湖へ釣りに出かけた時、溺れた俺をふたりで助けてくれた。

頼りになる父、優しい母~他にも色々な思い出が・・・

本当に両親には感謝している。でも・・・


 父親:ラーウェル


 母親:ラーウェル

 

 俺:はーい、今行くよ!


扉を開き、家の中に入る。


 父母:ラーウェル、成人おめでとう!


 俺:父上、母上ありがとうございます。

   無事に成人できたのもふたりのおかげです。

   本当に感謝しています!!


 母親:ラーウェル、そんなに硬くならなくていいのよ!

    成人の儀は、あなたが大人の仲間入りした事を

    祝う嬉しい事なのですから~


 父親:そうだぞ!ラーウェル、成人しても

    俺の子供である事に変わりないし、

    なあリーティア!ははは~

    変わるのはお酒が飲める様になる事と

    自分の人生をどうするか「決める」くらいかな~


 母親:クアバルド!!


怖い顔で母が父を睨んでいる・・・


 母親:ラーウェル!!

    自分の人生をどうするかなんて、

    直ぐに決める必要はないのですよ!

    今日は楽しく祝いましょう!?     


 俺:母上、ありがとう!


俺はこの世界に来て、初めてアルコールを口にした。

ビールとワインを混ぜた様な不思議な味だった。

お祝いは夜中まで続いた・・・


 母親:そろそろ寝ましょうか?


 父親:俺はまだ酔ってなんかいないぞ!!

     

いえいえ、もう完全にただの酔っぱらっているでしょう!

先ほどから同じ話を繰り返しているし・・・

俺は悩んだ末、この場で話をする事にした。


 俺:父上、母上、聞いてください。


 父親:なんだなんだ、ラーウェル!まだ飲みたいのか?


 母親:どうしたの急に・・・


 俺:自分の人生についてですが・・・「冒険家」になりたいんです!!

 

 父母:!!


 父親:どどどうしたんだ、急に・・・


 母親:・・・


俺は両親からこの世界の事をふたりが知る限りのことを教えてくれた。

世界の半分は魔物に支配されていること。

だから父と母以外の人を見かける事がなかったこと。

人と魔物は長きに渡り、戦い続けていること。

人、魔族、エルフ、ドワーフなど多種多様な種族が暮らしていること。

魔法が存在すること。

他にも沢山のことを・・・。

ううう・・・


 俺:父さん、母さん・・・


ふたりは何も言わず、駆け寄り俺を抱きしめてくれた。

そのまま寝てしまったのだろうか・・・ 

気付くとベットの中にいた。


あのまま寝てしまったのか・・・

部屋の外から話し声が聞こえる!


 父親:そんなに怒る事ないだろ!


 母親:いいえ!あなたがそそのかしたとしか考えられない!!


 父親:本当に何も話していないぞ!


 母親:本当に?


 父親:ああ!神に誓ってもいい!


 母親:でも・・・

    あの約束は!?    


 父親:・・・

    仕方がないか・・・


 母親:クアバルド!ありがとう!大好き!!


 父親:明日の朝話をしよう!!


 父母:おやすみ!・・・チュッ!?  


なんだ?今の会話は・・・

俺が「冒険家」になりたいと言ったとき、ふたりは驚きはしたが

反対はしなかったな・・・

予知していたのか?それとも何か他に理由があるのか?


そう言えば、なぜ父と母がこんな山奥でひっそりと暮らしているのだろう?

それに定期的に強い魔物が我が家を襲いに来るのだろうか?

そんなことを考えていると、又いつの間にか寝てしまった!!


 母親:ラーウェルいつまで寝ているの!?

    起きなさい!


 俺:おおはよう!母さん


 母親:えっ!母さんってまた言ってくれたの?

    嬉しい!!

    私は、母上より母さんって呼ばれる方が嬉しい!!


 俺:ははは!!なんか照れくさいな~


 母親:ほら、早く起きて!

    朝ごはん食べて!

    大切な話があるんだから!


もしかして、夜中ふたりが話していな内容か? 

身支度を整え、顔を洗いに井戸まで走る


 俺:父さんおはよう!!


 父親:・・・

    ラーウェル!いい意味で、成人して変わったな!

    

 俺:そうかな?あまり変わらない気がするけど・・・

   まー無理するのは、やめたんだ~


 父親:そうか!朝食食べたら大切な話があるからな!


 俺:はい!


そして、家族で最後になるかも知れない

朝食を・・・食べ始めた・・・


 母親:ラーウェル!

    そんな暗い顔で食べないの!


 父親:せっかく母さんが、腕によりをかけて作ってくれた

    朝食なんだから、美味しそうに食べろよ!

 

 母親:あなた!美味しそうに食べろって?どういう意味?


 父親:いいや!?べべっつに・・・


 俺:ふたりともありがとう・・・


 父母:とにかく食べ終わったら、大切な話があるから!


なんとなく、ふたりからとてつもなく威圧感を感じた・・・

食事が終わり、ふたりから話がはじまった。


 父親:ラーウェル!母さんとふたりで話した結果「冒険者」になる事を認めることにした!


 俺:本当に!!ありがとうふたりとも!!


 母親:ラーウェル!但し条件があるの


 俺:条件って?


 母親:あなたひとりでは心配だから、私たちとパーティを組む事が条件よ! 


 俺:私たちって?父さんと母さんと?


 父母:そうよ!!


おいおい!まてまて!

どうしたものか?


 父親:ラーウェル!夜に狩りに出かけていたことは知っているぞ!?


 母親:私たちが知らなかったとでも思っているの?


 俺:・・・


 父親:実はふたりとも、元冒険者だから周囲の動きには敏感なんだよ!

    以前おまえと母さんがレットドラゴンに襲われた時、

    母さんは気が動転して、実力を出せていなかったが

    母さんならレットドラゴン如き一撃だぞ!!


 俺:・・・


 父親:と言うわけだから、決まりな!!


 母親:と言うわけだから、決まりね!!

 

 俺:まって!!それじゃ!?

   そもそも、なぜこんな山奥でひっそりと暮らしているの?


 父親:意外と有名な冒険者だったからな、街にいると迷惑だから


 母親:そうね!?街に色々と迷惑が掛かるから山奥に住むことにしたの


 俺:それじゃ?定期的に魔物が襲ってくるのはなぜ?


 父親:奴らがふたりをさがしていて、たまたまだと思うぞ!?

 

俺はかなり強くなったと思っていたが・・・

もしかして、ふたりより弱いのか!?


そして俺は目的を果たすべく、家を出るはずが「家族」みんなで冒険の旅にでる羽目になった!


冒険者の道は険しい・・・!!



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