成長
こんなにも時間が経過するのって遅いものなのだろうか!?
俺が赤ん坊だと気付いてから何日たったのか見当もつかない。
ただ言えることは、寝て起きて栄養補給!?してを繰り返している・・・
今すぐにでも次の行動を起こしたいのに体が動かない。
しかも排泄は意志とは関係なく行われるし・・・
早く大人になりたい・・・ぐすっ・・・寝る。
気持ち良く寝ていると、何かが爆発したような
とても大きな音が聞こえた!!
バーン・・・!?
次の瞬間、母親が俺を抱きかかえて走って逃げる!?
なんだ!!
何が起きている?
何かの鳴き声だろうか?ギャー・・・
その鳴き声は俺の体の芯まで響いてきた。
明らかに危険な気がする!
母親が突然走るのを止めた。
どうしたのでろう?
ギャー・・・
鳴き声が聞こえた方向に目を向けると
そこには、とてつもなく大きな赤いドラゴンが・・・
母親が俺をギュッと強く抱きしめているのがわかる。
待て!待て!!
この状況って、どう考えてもヤバいよな?
転生して、赤ん坊のまま終了って、おかしいよね!?
次の瞬間、ドラゴンの口から炎が・・・
母親:「ごめんね!ラーウェル」
誰の事?もしかして俺?
母親は泣いている!
これって・・・思えば短い人生だったな!
毎日、寝て起きて栄養補給の繰り返し・・・
走馬灯の様に思い出すって、今日の出来事じゃん!
その時、ん!?どこからか声が聞こえた!
オートモード展開中
オートモードにより、適切な魔法を選択します!
氷魔法を選択、周囲に氷の壁を形成
炎の攻撃から防御に成功!?
オートモードにより、反撃指示を選択
目標、レットドラゴンに反撃
攻撃魔法を選択、氷アロー連射を撃破まで実行!
なんなんだー
あっという間にドラゴンが横たわったている
今のはいったい・・・!?
母親は泣いたまま動けずにいる様だった。
遠くから大きな声の主が近づいてくる!?
謎の声:大丈夫か!?リーティア!!
俺:どこかで聞いたような?
もしかして父親か!?
父親:リーティア、ラーウェル 二人とも無事で本当に良かった!
母親:クアバルド!クアバルド!わーんわーん!!(泣き続けている)
俺:父の名がクアバルドで母の名がリーティア、そして俺がラーウェルか
まーとにかく無事で良かったが、さっきのはいったい・・・
父親:それにしても、狩りの途中で家の方角にレットドラゴンが
向かっている事に気づき急いで帰って来たのだが、どうして
レットドラゴンは倒れているんだ?
リーティア!何か知っているか?
母親:私は何も・・・大きな音と鳴き声がして、逃げようとしたら
目の前にレットドラゴンがいて、怖くてただ泣いていただけ
そして気付いたらレットドラゴンが倒れていたの!?
父親が俺の事をジッーと見ている
父親:まさかな・・・ありえないか!?
まー助かった理由はわからないが、とにかく本当良かった!
それにしても、先ほどの声?どこかで聞いたような?
んー、そうだ思い出した。
俺の部屋で聞こえた声と同じ様な・・・?
俺:「ばぶばー」(誰かいますか!?)
俺:・・・
そもそも言葉になってないよね・・・悲しい~
俺:もしかして?
「ばぶぶばーぶ」(オープンステータスなっちゃって!)
次の瞬間!!
目の前に大きな画面が表示された!
マジ! ステータスボード きた~
【ステータスボード】
名前:ラーウェル
職業:赤ちゃん
レベル:22
経験値:168800
HP:2500
MP:2600
所持金:0
スキル1:オートモード(AI機能付き)
スキル2:【封印中】
持ち物:なし
赤ちゃんって職業なのだろうか?
レベル22って普通なのだろうか?
経験値って、生きてると自動で増えるのか?
HPとMPって・・・?高いのか低いのか、基準がわからない・・・
えっー!
さっさっきの「オートモード」って、やっぱり俺が発動したのか?
もしかして、倒したのが俺ならレベルも経験値も上がったのか?
などと考えていたが、やはり赤ん坊は寝るのが職業だよな・・・
気付いたら寝ていた。
あれから、6年の月日が流れ俺は、6歳になった!
父上~今日も稽古をお願いします。
父親:ラーウェルは本当に剣術の才能があるんだな!?
父は嬉しいぞ~
俺:いいえ!才能ではなく努力です!!
父親:ははは~母さんそっくりだな!
その負けず嫌いと言うか努力で何とかしようと
頑張るところ。
俺:努力は裏切らないと思います。
いつか世界一の剣士になってみせます!!
父親:ははは~頼んだぞ、我が家の剣士!!
それでは、今日の稽古をはじめるぞ~
俺:はーい、父上
父との稽古は、夕方まで続いた・・・
俺はこの時はまだ気づいていなかった。
なぜ父と母がこんな山奥でひっそりと暮らしているのか!?
なぜ定期的に魔物が我が家を襲いに来るのか?
なぜ今まで父と母以外の人を見かけた事がないのか?
クアバルド:今日はこれくらいで終わりにしよう!
俺:はい、父上
家に帰ると、母親が食事の支度をしている最中であった。
母親:二人ともお帰り!
俺:ただいま、母上
母親:ラーウェルはほんとに貴族みたいな感じね!
その礼儀正しいところ!?
誰に似たのかしら、うふふ~
俺;・・・
こんな何気ないやり取りが幸せなんだろうな~
食事を終えて、寝床に入る。
ひと眠りしておくか・・・
両親が寝静まった頃に目を覚ました。
よーし、今日も行ってくるか!?
最近の日課は、夜に魔物狩りをする事にしている
日中だと父親の前で実力を出すわけには行かないからな~
ステータスオープン!
【ステータスボード】
名前:ラーウェル
職業:剣士
レベル:216
経験値:3216880
HP:31628
MP:29655
所持金:568995
スキル1:オートモード(AI機能付き)
スキル2:【封印中】
持ち物:非表示
それにしても、結構強くなったよな!
無理して夜中、魔物を倒し続けてきたおかげで6年でここまで強くなる事ができた!、
こんなに嬉しいと感じた事はって、どこかで聞いたような!?
前世の頃の話か・・・
あとどれくらいレベル上げたら良いのだろうか?
ふと自分がこのDエリアと呼ばれる場所を訪れた理由を思い出す。
まだまだだな~
そして更に7年の月日が流れ俺は、更に「成長」した!
いよいよだな!!