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007 HEROは服を着る①


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



ゴクゴクゴク…



「ぷはーーーっ!美味しい!」



エリスは噴水の湧き水を飲み干した後、汗だくになった体を洗い流し始めた。先程の魔力操作により真っ赤に染まった天女の羽衣は『自動クリーニング』スキルの影響か、自動的に拭いてもすぐに乾いてくれてる様だ。



スキルって凄い…こんなに便利なんだ。

熱量を増やせばお湯を沸かしたり出来そう。

今夜のお風呂までに色々実験しなくちゃ。



瞑想でイメージする事で魔力操作できた事を思い出す。生まれて初めてスキルとやらを使えた。フィギュアスケートで初めて1回転ジャンプが出来た時の様な達成感があった。



しかも、『魔法:オーラ』まで習得出来てしまったのは大きな一歩なのではないかと自分で自分を褒めてあげたいエリスだった。もっと色々と試してみたいと思った。



…『スキル一覧』とか見れないのかな。



と思った瞬間に、ナイスタイミングでヘスティアからのアナウンスが浮かび上がった。



--- テロレロリン ♪ ---

[ヘスティア]の加護により、下記情報にアクセスすることができます。


【閲覧可能】

①ステータス一覧

②スキル一覧

③アイテム一覧


【閲覧制限】

④×××

⑤×××

⑥××x


---



さ、さすがヘスティア様ッ!!!

ありがとうございます!!!



エリスはさっそく頭の中で、ラノベでありがちな合言葉『ステータスオープン』と唱えてみた。その瞬間に、周りのざわめきが無くなり、風によって揺れていた木々や草花がピタリと動きを止めた。



えっ?何コレ!?時間が止まってる!

凄い!!!



すると何処からともなく、目の前に半透明の石版が浮かび上がった。石版には日本語で文字が書かれており、ゲームのステータス一覧の様に画面をスクロールできる様だった。スマホよりも大きいタブレット程の大きさなのに、驚くほど軽くて頑丈そうなものだった。



す、すっごぃ!

この世界の技術…いや魔術?ってどうなってるんだろう。電話とかできちゃったりするのかな??



恐る恐るエリスは石版に手を触れる。

その瞬間にアナウンスが流れた。



--- テロレロリン ♪ ---

[ヘスティア]の加護により、情報が簡略化・統合化されました。ヘスティアの魔力行使による異空間タイムストップは[15分]です。


【名前】

前世:天野美月 16歳

現世:エリス・ロヴェラ 16歳 (Lv 1)


【ユニークスキル】

・オーラ (Lv 1)

身体強化、物理防御、魔法防御、炎特性、炎耐性


【装備スキル】

・天女の羽衣 (Lv 1)

[スキル:魔力操作 LV.1]

[スキル:色彩変化 LV.1]

[スキル:伸縮自在 LV.1]

[スキル:形状記憶 LV.1]

[スキル:自動クリーニング LV.1]

[スキル:オートロック LV.1]

[スキル:空中浮遊 LV.0]


---



ヘスティア様…って凄い。

アテナ様も凄かったけど…やっぱり女神様達は偉大な人達だったんだ。(…アテナ様はドSだけど)



これって15分はゆっくり見れるってことだよね?どこにいらっしゃるのか分からないけど、お会い出来る時に感謝します!



私が『火』をイメージしたから炎特性?炎耐性がついたってことかな…フムフム。なるほどね。途中から熱さを感じなくなったのもオーラの魔法が守ってくれたのかも。



ゲームみたいに『HP』や『MP』がある訳じゃないのか。あんまり疲れてないから、まだまだできる感じなのかなぁ??



試せてないのは『伸縮自在』と『形状記憶』と『オートロック』?

オートロックって何だろう??

『空中浮遊』が1番気になるんだけど、LV.0ってことはまだ使えないってことよね。きっと。



とりあえず…



今一番足りてなくて、困ってることと言えば…



服が欲しい!!!!!



えっ!?



考えがある程度まとまった頃、[15分]が経過してしまったらしい。エリスの周りの半径5m付近の空間そのものがサイレンの様に赤く点滅し、30秒ほど点滅した後に、周りの景色が動き始めた。



そっか。もう15分経ったってことね…



「よーーっし、次は服にチャレンジしよ♪」



エリスは赤い羽衣を体に巻き付けて、再び瞑想を行った。



最初だし、イメージしやすそうな洋服で、私が欲しい服のイメージが『アレ』だから、感覚を忘れないうちに、もう一度『色彩変化』を試してみよう!



白いもの、白いもの…

真っ白な雪?白いネコ?…ウーン、雪にしとこう。小さい雪の欠片が沢山降り積もるイメージ!



エリスは羽衣に意識を集中させながら、頭のキャンバスに、真っ白な雪をイメージする。



初めは小さな雪の結晶を。ダイヤモンドの様にキレイな輝く真っ白な雪の結晶を。1つ1つ、結晶の細かい形まで描いて行く。やっぱり前世の頃よりも、細かい描写までスラスラとイメージできてしまう。



今度は細かく描いた雪の結晶を、ダイヤモンドをイメージして、塊を描写して行く。その塊を一つ一つ丁寧に結合させていく。



うん、いい感じ!



作られた塊をどんどん複写していき、やっと『雪』が1つ完成した。その雪は、空からフワフワと浮かび落ち、地面に落ちると土の表面温度によって、液体の水となり、溶けていった。



…溶けた!?



…ってことは温度もイメージできたのかな。

雪って確か0度以下だったよね。



エリスは注意深く、構築した雪を観察しては、何回も作り直していく。何度も試行錯誤するうちに、徐々に雪の再構築にも時間が掛からなくなって行った。



イメージした雪を空中に浮かべてみる。1つ、2つと浮かべる数を増やして行く。空からフワフワと落ちる本来の雪らしくなってきた。少しずつ周りの気温が下がってきたのを感じる。



いい感じ。…もっと降って。



エリスがそう念じると、無意識にエリスの行使する魔力量が膨れ上がった。その魔力に応じるかの様に、降り積もる雪の量が増え始める。みるみるうちに空一杯の雪が降り始め、気温がグングンと下がって行く。



同時にエリスの体の表面に白いオーラが展開された。



エリスを中心とした空間一帯に、しんしんと雪が降り始めた。オーラに守られたエリス自身に雪が触れると、その雪は音もなく蒸発して気体となり消えて行く。



エリスがそっと目を開くと、羽衣はキレイな真っ白に変化していた。



「やった!できてる!!」



真っ白な羽衣を手に取って、ガッツポーズをするエリスだった。



よーしっ!このまま『伸縮自在』スキルを試そう!



エリスは再び目を閉じた。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



Copyright(C)2020-まあふ

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