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001 HEROは死す

・この作品は作者の処女作です

・気が向いたときにスマホで更新していますので、更新は遅いです

・コメントなど頂けるとやる気に繋がります

・モチベーションがダウン気味になったので「なろう投稿」でもしてみようかなと思いました

よろしくおねがいします( ✌︎'ω')✌︎


…電磁力戦隊ゼロライガー!

…仮面戦隊ミステリアス!

…恐竜戦隊ザウリュース!

…セーラー戦隊セブンティーン!

…魔女っ子戦隊メルメルティ!



…どのHEROモノも最終話がひどく泣けるんだよね。



楽しかった沢山の思い出の日々が、走馬灯のように走り去っていく。全てがスローモーションに見えるとは、こういう事を言うのだろう。私の遥か後方には、夏コミに向けて3年かけて揃えたコスプレ衣装一式、カツラや付属品のソードやワンドがトートバッグから無残に投げ出され、空中に舞っている。



"死ぬ間際"だと言うのに、私はひどく冷静だった。私は…おそらくもう助からない。だから、最後の力を振り絞って駆け抜けた。体が引きちぎれんばかりに、前方に手を伸ばした。



「…ッ!間に合ってええ!」



小さい女の子の肩に手が届いた。その子をトンッと遠くに押した所まで覚えてる。よかった間に合った。可愛い女の子と目が合った。私はとびきりの笑顔で、ウインクしてやった。



キイイィィーーッッ!!ドオオオン!!ガシャアアアン!!パリン!!キキィー!



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



『次、3621番、入りなさい』



私が目を覚ますと、真っ白な世界が広がっていた。目の前に水色のロングヘアーで半裸の美女が、冷たそうな大理石のソファに座っている。真っ白な半透明の羽衣の様なもので全身を覆っている。たぶん、私に話しかけたのだと思う。



『天野美月さん、16歳で合ってるわね?』



「はい……?こ、ここは?」



『あら貴方、良かったわね。貴方が助けた女の子、クルミちゃん3歳は助かったみたい。いいことするじゃない』



「えっ?あっ…よかったです」



私は照れながら、小さい声でそう答えた。クルミちゃんって言うのかあの子。そっかそっか、助かって良かった。まるで心の中の吊っかえが取れた様に、晴晴とした気持ちになれた。この言葉が聞けただけでも、十分だろう。目の前の見知らぬ女性に心の中で感謝した。



この部屋の中に、見慣れた自分の体は見当たらなかったが、薄いピンク色の火の玉らしきモノ?から私の声が響いた。どうやら自分は魂?だけの存在になった様だ。



…フムフム。美月ちゃん、貴方面白いわね。幼少期から極度の恥ずかしがり屋だった…が、6歳の頃にある人物に助けられた事をキッカケにHEROを目指す。


それから10年、日夜HEROになる為に戦隊モノアニメやラノベ、ゲームを完全制覇し、HEROの精神を叩き込む。また、様々な事件に首を突っ込んでは解決しようとするが、目立ち過ぎることと、恥ずかしがり屋は治っておらず、HEROは正体を隠すべきだと判断。


人知れず己を磨くため、わざわざ偽名で隣町まで遠征してはフィギュアスケート、テコンドー、ダンスで心身を磨き、並行して変装テクニックを磨くため、ファッションモデルとコスプレイヤーを目指して勉強に励む。


普段は大人しい伊達眼鏡っ子に扮しているが、晴れて16歳になった今、甘いマスクに露出の高いコスチューム、身長は164cm、スリーサイズは上からB89、W58、H87のAV女優並のハイスペックボディでコミケに参加している多くのカメラ小僧を虜にしようと…



女性は何か書類を見ているわけでもなく、まっすぐ私を直視して話を続けようとする。



「きゃ、きゃーー!あわわわわ、そ、そんな全部読み上げなくてもッ!!そ、それに最後のは違います!!」



『そうね。せっかく3年かけて準備してたところ悪いけど、コスプレイヤーとしてデビューする日は迎えられなかった。ここは死んだ人が来る場所なのよね』



そう。頑張って作ったコスチューム一式。無我夢中で改良を重ねたソードやワンドなどの付属品一式。メイク用のコスメの数々。家で試着した事は多々あれど、家庭内ルールが厳しくて、16歳になるまではコミケ禁止令が出ていた。



その為、一度も公式コミケに参加出来たことはない。あの事故に出くわす前の晩、12月26日の誕生日にやっと16歳になれたと、ウキウキしていた事を思い出した。



「あ…やっぱりそうですよね。…私死んでますよね?」



『ええ、死んでるわ。今の貴方は魂だけの状態よ。目はないけど視認できるし、口はないけど話せるでしょう?』



「…は、はい。…えっと、聞いていいのか分かりませんが、あなたが神様でしょうか?」



『ええ、そうよ。なぜ個人情報を色々と知ってるのか気になるわよね。私は女神アテナと呼ばれているわ。アテナ様で結構よ』



初対面で敬称込みで呼び名を指定されたのは初めての経験だったが、神様だし、そういうものかも?と理解した。



「…ありがとうございます。アテナ様」



『さて、美月ちゃん。改めて、ようこそ天界へ。私はこの天界を管理を任されている女神アテナよ。いきなりこんな所に呼び出されて、貴方の頭の上のクエスチョンマークは全てわかるわ。全て答えてあげることもできる。けれど、今は時間がないの。まずはこちらの要件を単刀直入に言うわね』



女神アテナ様はそう言うと、真剣な面持ちで話し始めた。



『事態は深刻よ。直に…魔王が復活する。美月ちゃんには魔王の陰謀を阻止して世界を救う為に異世界へ転生して貰いたいの』




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


Copyright(C)2020-まあふ

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