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「他に好きな人が出来たの。だからさようなら。」

ありきたりな別れ台詞を綴った置き手紙がテーブルに乱雑に置かれている。綺麗だけど無機質で心なんてどこにもない、そんな文字が並べられた紙を見て僕は泣き崩れる事しか出来なかった。この瞬間に誓った。「もう誰も愛さない」と。

その日は大学を休んだ。バイトも休んだ。家はいたくない。寂しさ、悲しさ、幸せだった頃の思い出、怒り、「殺意」が込み上げてくるから。小さい頃、沢山遊んだ公園で一番好きだったブランコに乗る。そのブランコには魔法がかけられている。乗った瞬間、10年前に戻ったかのような感覚になる。無邪気な子供の時の「忘れられない記憶」が蘇って来る。


ー10年前ー

子供の泣き声が鳴り響く。ごめんなさいって言葉が何度も木霊する。鈍い音や何かが割れる音が幾許回と聞こえて来る。それと、怒鳴り声も。その家に住む女の子はすごく可愛かった。お人形さんみたいで。女の子の両親が出かけるとすぐにわかる。大音量の洋楽と車のエンジン音が近所一帯に響くから。でも僕はその音が好きだった。だって、その音が聞こえて来たら女の子がこの公園に来るから。僕がその子と出逢ってから一度だけ話しかけた事がある。

「名前、なんて言うの?」

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