第4話 好きに…
あらすじ
殴られそうになり、階段から落ちてしまう。
けがはどうってことなかったが、
記憶喪失になってしまう
――次の日――
神社で待ち合わせだったが、記憶喪失のため、旅館の前で待ち合わせになった。
沙里は私が記憶喪失だから戻るまで旅館で静かにしてるそうだ。
私の記憶が戻ったら、沙里は警察に殺人未遂で捕まるだろう。
「紗貴!」
私の名前を呼んでいるのだろう。
名前もわからない私は返事をせず、声がする方を向いた。
「悪ィ、待った?」
雄一が走って来たのだ。
「いえ、待ってませんよ。」
「あー…、ため口でいいから。一応仲良いんだから。」
でも、今の私には初対面な気がして、違和感があった。
とりあえず
「わかった。」
そうすることにした。
「じゃぁ、昼だし腹減ったろ。お好み焼きでも食いに行くか?」
「お任せする!」
私は精一杯前の自分だったろう性格を出してみた。
これが合ってるかどうかわからないけど、
少しでも思い出したくて、少しでも前の自分でいたくて。
貴方のことを思い出したくて――
私は記憶喪失になっても雄一を好きになりそうだった――。
思いっきり心配してくれて、記憶のない私に優しくしてくれて…
ねぇ、今の私も雄一を好きになっていいのかな――?
前の私は雄一のこと好きだった?
「ここだよ」
考えてるうちについてしまった。
席についてメニューを見た。
「記憶喪失だし…、俺がおごるよ。」
「え…でも…」
「いいっていいって。気にすんな」
ドキンッ――
またドキドキしてしまう…
本当に今好きになっちゃうよ…