第3話 記憶喪失
あらすじ
お願いだからあきらめてと
沙里が紗貴に殴りかかってくる。
「キャッ」
私はとっさによけた。
しかし沙里は追ってくる。
思わず私はドアを開け廊下に逃げた。
私の部屋のすぐ近くには下り階段があった。
私はパニクって階段の所に行ってしまった。
沙里は我を失い、それでも殴りかかってくる。
私は後ずさってしまった。
ガクッ
私は案の定落っこちてしまった。
―――目を覚ますとそこは病院だった。
あれ?私どうしたんだろ?
え?あれ?私――
「紗貴!!」
「大丈夫!!??」
病院というより保健室にぞろぞろと人が集まってくる。
しかし…
「誰…?」
私は誰だかわからなかった。
実際は夢や美咲。中には雄一の姿もあった。
でも、今の私にはわからなかった。
どうやら記憶を失ってるらしい。
自分の名前すら思い出せない。
「お、オイ…」
雄一が駆け寄ってきた。
「お前俺のことわかるか!?」
私はゆっくり首を横に振った…
「わからない…。でも、なんだか懐かしい感じがする…」
「当たり前だ!俺らすっごく仲良かったろ?なァわかんねぇのかよ!なァオイ!」
すると先生らしき人物が雄一の肩をつかんだ。
「だめです。記憶喪失になってしまったようで…」
「え…」
部屋の中は沈黙という重い空気で押しつぶされた。
「でもけがの状態はだいぶ良くなったので、明日の自由行動は皆と行けますよ。
誰か一緒に行く人いますか?」
「俺が一緒に行きます。決めてたんで」
先生はわかったと言い、
「あとは任せたよ」と言って部屋を出て行った。
「俺は雄一。明日は一緒に行動するからよろしくなッ!」
改めて雄一は挨拶をした。
「うん。」
私はそう笑った。