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45.20秒の攻防

私の頭にラドゥの凛とした声が響いた。ハッとする。


「瑠璃子、今よ!」


その声で、今見ていた全てのことが私の頭から消える。


心が一瞬で完全に静まり返る。


(時間を止める・・!)


私は目を閉じ、最大限自分ができる限界まで集中力を高めた。


後で振り返っても、この時のようなことはもうできないと思う。そのぐらい集中していた。


そして・・自分の中から全ての光を放つ・・スパーク!・・光の爆発が起きた。


目の前が強い光で全く何も見えない。しかし、それは一瞬のことだったのかもしれない。


気が付けば、光は消え失せていて、私は再び目の前にリアたちを見ていた。


けれど、その様子は明らかに違っていた。先ほどまでとは違い、私にはリアとシェインがより3次元的に現実的に見える。


そして他の人達は・・先ほどと同じ、薄い膜の向こうにいるような見え方のままだ。・・フリーズしている。


時間停止に成功したんだ!でも20秒しかもたないはず。喜んでいる暇はない。私はリアとシェインに呼びかける。


「リア、シェイン!早く、光を!」


ハッとしたように2人は動く。


「瑠璃子!」


リアがこちらを見る。シェインはすでに光を創る体制に入っている。しかし1人では時間がかかりすぎるのだ。


「リアも!」


私が急かす。リアもハッとして集中を始めた。


シェインが創り出した細い煙のような光の筋が少しずつはっきりしていく。光の糸ができてきた。糸のように細いけれど、しっかりした光だ。ちゃんと輝いている。


もう10秒経過している。


その時、シェインがその細い光の糸を思いっきり1本の木に向かって投げ込んだ。


光の糸は矢のようにまっすぐに飛んでいく。その木の陰には隠れて固まったままの1人の男。カーサだ。


彼は憎々しげにゆがめた顔を、シェインのいた場所に向けている。そしてシェインが投げた光の糸は、その手元にある、真っ黒いエネルギーの渦のようなものに刺さった。


糸はそのまま黒い渦に吸い込まれ、消えた。後は元の真っ黒な渦にしか見えない。


シェインとリアはその光の糸の行方を確かめる暇もなく、既にさっきの位置に駆け戻っていた。キスをしかけている態勢に戻る。


あんな細い光で大丈夫なのか・・と思ったその瞬間、又パン!という音と共に、見える世界が変わった。


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