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44.リアとシェインの結婚式

気が付くと、私は見慣れない、緑の多い場所に居た。ここがリアたちの時代?なんか現実感がない。あ、そうか、と気づく。


私は意識体のまま、ここに来ているんだ。足が地面に着いていないもの。私は宙に浮いたままなのだ。きっとこっちの人間には見えないだろう。時間の外側の存在だから。


ラドゥとナイーシャの姿は見えないけど、近くにいるだろう。なぜかここに来て私には不安も心配もなくなっていた。なるようになる。ここまで来た自分を信じる。ラドゥの言葉を思い出す。ナイーシャの「一緒にいるよ」という言葉も。


私は1人じゃない。たくさんの人の、存在の、助けを借りて愛をもらってここまで来た。ここでの結果がどうであろうと、ちゃんと全うしよう。意識をこの世界に向ける。


小さな広場にシェインとリアが立っているのが見える。リアのドレス、すごく上手にできたね。素敵。ヴェールもよくできている。シェインにもらった白いムーンストーンのネックレスも白いドレスに映えて、まるで本物の花嫁だ。


シェインも白い騎士の制服で、こちらもとっても凛々しく、見惚れてしまう美丈夫だ。美男美女でお似合いすぎる。私はなんだか2人の保護者のようなほのぼの気分で結婚式が始まるのを眺めていた。



アリスがシェインとリアの前に立つ。彼女は深い緑色の布地の、巫女の正装らしいいで立ちをしている。


「これから、シェイン・フォリスタとリア・バークレイの結婚式を執り行います。」


彼女が厳かな口調で宣言する。


2人のすぐ後ろにはアーサスとゲネルが騎士の普段の制服姿で参列している。2人は鋭い視線で辺りを警戒している。突然の襲撃に備えているのだ。


アリスはあらかじめ、辺りに薄くエネルギーの網を張っている。不審な存在が来たら必ずその網にひっかかる。かなり薄いのでひっかかったことすら自覚がないままに。しかしアリスにはわかる。


「シェイン・フォリスタ。あなたはリア・バークレイを魂の妻として娶りますか?」


「はい。私、シェイン・フォリスタは、リア・バークレイを魂の妻として娶り、この生涯が終わるまで、いえ、この魂が又彼女の元に帰るまで、彼女を慈しみ、守り、愛するということを、この魂にかけて誓います」


リアはこの誓いの言葉に涙が出そうになった。これはそれぞれ自分たちで考えたもので、お互い聞くのはこれが初めてだ。シェインの魂からの愛の誓い。ありがとう。絶対に忘れない・・。次はリアの番だ。


「リア・バークレイ。あなたは、シェイン・フォリスタを魂の夫としますか?」


「はい。私、リア・バークレイは、シェイン・フォリスタを魂の夫とし、彼をこの生涯を通し、傍で支え、愛し、又この生涯が終わり、生まれ変わっても、必ず彼と再会し、夫婦となり幸せになります。魂の片割れとして又1つの魂に戻る日まで、私は彼を信じ、愛しぬくと誓います」


隣のシェインに目をやると、かすかにその瞳が潤んでいるのが見えた。その瞳が動いて

視線が交わる。彼のスカイブルーの瞳が柔らかく細められ、愛おしいと告げてくる。リアの胸が高鳴った。


「2人が魂の夫婦となったことを、宇宙の法則の元に宣言します」


アリスが言い、シェインの左手とリアの左手をつながせる。2人は正面からお互いの方に向き合う。


シェインはゆっくりリアのヴェールを上げ、彼女の顔を出す。そして、口づけをしようと顔を近づけたその時だった。


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