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40.魂の結婚

「5000年先の風習を先取りなんて、僕たちは最先端を行く夫婦だね?」


夫婦・・。そんな言葉、本当に私には関係ないと思っていたのに。目が潤みだしたリアの肩を抱き寄せ、シェインが静かに口づけた。


「リア、この瞬間から、僕たちはもう世間のどんな夫婦よりも、ちゃんとした夫婦だ。明日はきっとどうしてもカーサの方に気が向くし、術の無効化が一番の目的だから、浮かれてはいられない。

だからその前にと思っていた。これが、僕が本当にしたかった結婚式だ。2人だけで挙げたかったんだ。リア、僕と結婚してくれて、ありがとう。愛しているよ」


リアはびっくりした。シェインがここまでロマンチストであることに又驚いたが、その想いはリアも同じだった。2人だけで結婚式が挙げられるなんて最高だ。瑠璃子のおかげよ・・。ありがとう。リアは又瑠璃子に感謝して、シェインに向き直った。


「私たち、もう結婚したのね?・・素敵な結婚式をありがとう、シェイン。愛しているわ」


心を込めて伝える。言い終わる前にその口をふさがれた。


今までの口づけより熱量が高く、リアが戸惑っている間にどんどん深くなった。そして唇がこじ開けられ、温かいものが優しく入ってくる・・彼の舌が、リアの口の中に入ってきて彼女の舌をまさぐっている!ショックのあまり、リアは目を閉じることも忘れて見開いていた。


「・・うんんっ?」


初めての深い口づけに息が上がり、リアの頭はぼうっとしてくる。シェインの舌が、リアの舌をまるで抱きしめるかのように優しく愛撫している。なんだか変・・気が遠くなりそう・・。リアの身体の力が抜ける。


彼が気づいて、ようやく唇を離し、リアをしっかり抱き留めた。そして彼自身少し乱れた呼吸を整えるように長い息を吐いた。


「怖かった?」


リアはなんとか息を整え、ぼうっとしたまま口を開く。


「ううん、ちょっとびっくりしただけ」


リアがそういうと、シェインはすまなそうに言う。


「ごめん。結婚したんだと思ったら、今までよりもっとリアに・・近づきたくなった」


リアはまだぼうっとしながら、


「これは、時間がない時にしないでね。回復するのに時間がかかるもの」


決して嫌じゃないけれど、最近のシェインは、自分たちの立場を忘れてない?少しけん制を込めて、リアは言った。それを聞いて、シェインは苦笑した。伝わったらしい。


「わかったよ、お姫様。毎回はしないよう、我慢する」


気が着けば、そろそろ戻らなければいけない時間だった。


「じゃあ、明日、結婚式でね」


結婚式を挙げる予定の場所は、この池のほとりより少し手前にある広場だ。

この場所は2人の大事な場所だから、嫌だとリアが主張したのだ。この場所は守りたいと。


今夜はお互い最後の打ち合わせをそれぞれの仲間とする。いよいよだ。


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